レアモンクエスト 2023 第一話

レアクエ

“やくみつる” がいつの日か “ちょうどみつる” になる日をひたすら待っているオサーンです。

オサーン
オサーン

最近は買った時計をインターネット上に出すことが店舗によってはNGなところもあったり、NGとは言ってないだけでNGなところもあるので、買った報告はしないことにしました(ほとんど買えてませんけど・・・)。

単なる初老の散歩日記と捉えてくださいませ。

毎日暑くて外に出る気もなければ、そもそも社畜生活なので時間が取れない状況で、もう心も身体もボロボロになっていると思っていたら、そんな時に健康診断の結果が!見ると今までにないぐらい完璧に近い “健康” という結果。しかしメンタルが相当やられていたのでストレスチェックの結果が気がかりだったのですが、”ストレスなし” の綺麗な五角形のグラフが出てきて、ここへ来て調子が上がっていることが確認できました。体調面では絶好調です、はい。

とは言うものの、ロレックスだけではなく時計を見に行くような外出がほぼできていない日々が続いており、やはりストレスが自分なりにかかっている。そんなある平日、僕は記憶を失い、気が付けばこんなところにいた。

久しぶりに降り立った平日の梅田。胸が高鳴りストリート系の僕の口から自然と ♪くっつくパンツか ムカつくパンツか♪ とヒューマンビートボックスがほとばしる。前を歩くいい匂いの女子大生のガールズトークを盗み聞きしながらしばらく匂いと街を満喫、そして大阪メトロ(地下鉄)のドル箱路線である御堂筋線をヒッチハイクし、北エリアの梅田からひとまず大阪市内を南下することに。

無理やりお尻をねじ込み座席を確保したお陰で、楽々到着。久しぶりに、あべのハルカスにやってきました。さっそく入店し、店内を見渡すと、いつも丁寧な “礼” で対応をしてくださる “昭和の演歌歌手風” の男性店員さんが。彼は丁寧だが全く僕に時計を出してくれないかなり渋い店員さんだ。僕は心の中で彼を “渋井 礼二” という演歌歌手風の名前を勝手に付けている。

オサーン:オ / 渋井:渋

渋:「お久しぶりにお見えになられましたね。」

渋井礼二は僕のことを覚えていた。

オ:「こんにちは。時間がなかなか取れなくて、久しぶりに街に出ました。」

渋:「さようでございますか。大変申し訳無いのですが、今なお厳しい状態が続いておりまして…」

渋井礼二はいつも在庫確認前に “今日もないですよ” という先手を打つ。演歌歌手であり役者でもある。

オ:「そうなんですね…実は今、××や○○や探しているんですけど、そうおっしゃるのなら厳しそうですね。」

渋:「今お伺いしたモデルも入荷実績はございますが、すぐに売れてしまう状態でして…一応、在庫確認をしてまいります。」

渋井礼二は断りやすい前置きをこれでもかとアピールして積み上げる。またの名を、アピール渋井なのだ。

渋:「確認してまいりましたが、やはり在庫はございません。大変申し訳ありません。」

今日も渋い。それが渋井礼二だ。そこまで丁寧に断られるとこっちも打つ手がない。いつもながらのことなので慣れてはいるが、残念。

健康診断の結果が良かったのにも理由があり、ここ最近、外食をすることがほとんどなく、家でも質素な食事が多くなっていたためである。脂っこいものが食べたいこの日。しかもこの酷暑で塩分も足りない。ならばラーメン、いや、本当なら高級中華が口には合うのだが、庶民が食す大衆的なお店へ行くことに。

僕ぐらいの王将のプロになると、必ずそこのチャーハン・餃子・唐揚げを食す。寿司屋で玉子を最初に注文するのと同じだ。しかも注文時は、「コーテルイーガー、ソーハン、エンザーキー」とネイティブの王将語を繰り出し本領を発揮する。多言語を巧みに操り、そして庶民の味を食す。多分、店員さんは「面倒くさい客やなぁ…」と思っているが気にしない。いつも安定の味、ありがとう。

たっぷりの塩分と脂を吸収したので再び向かうはロレックス。

あまり長い間店に行かないと、知らない顔の店員さんが多い。しれ〜っとあまりロレックスには来たことがない雰囲気を出しながら初見の店員さんと話をした。なかなか話しやすい感じのいい方で、少し長い時間話をすることができた。

 

その後も休みなく回る。数人待っているので躊躇したが、並んだ。暑くて外で待つのも辛かった。でも王将のお陰で耐えることができた。

色々と回って疲れたので休憩していたら、ビックリするぐらいの雨も降ってきた。稲光も凄くて干したままの家の洗濯物を思い出すと、絶望感を味わった。

1日かけて色々な店舗を回り、久しぶりに仕事を忘れ、時計の話をいっぱいして幸せな時間を満喫した。

そんな中、入店したら数名の店員さんが待機している状態の店舗があった。申し訳ないが、「研修中」はどうしても避けてしまう。ここは当然、ベテランの雰囲気を醸し出している店員さんにアタックする。歳の頃なら40前後か。ハの字眉の店員さん(男)に話しかけた。

オサーン:オ / ベテラン:ベ

オ:「いや~、エゲツナイ雨でした。建物内にいたお陰で濡れずに助かったんですけどね。」

ベ:「確かに雷も凄かったですよね。濡れなくて良かったですね。ここへは何度か来られているのですか?」

返答もベテランらしいトーンで探りを入れてくる。

オ:「1、2カ月に1度ぐらいです。去年まではそれなりに来れたのですが、最近は仕事の関係で、なかなか来れなくて・・・」

話を聞くスタイルも、ハの字眉がより一層、僕に寄り添ってる感を出すベテラン。

ベ:「そうなんですね。長らくご愛顧いただいているんですね、ありがとうございます。私、ついこの前入ったばかりの “転職組” でして、勉強中なんです。」

エー!

何だよその “転職組” って!だいたい○○組っていう言い方、勝手に組み分けしやがって、嫌いなんだよ!ベテラン感を勝手に出しやがって。まさかの新入りで駄目だと確信した。もうヤケクソになる。

オ:「デイトナ、ル・マンのデイトナ欲しいんですよ。」

どうせダメならとル・マンを要求する。するとハの字眉が困ったのか、もはやリの字眉になりかけている。

リ:「あぁ、ル・マンですねぇ・・・ちょっと在庫を見てきます・・・ル・マン・・・」

ベテラン感を勝手に出された僕は怒りをあらわにしながら店を後にした。店を出た後、鏡に映った自分の顔を見るとソの字眉になっていた。当然、”ルマンはあらん”、という結果に終わった。ダジャレも冴えない。

一つだけ、持って帰ることにした。久しぶりの時計屋巡り、楽しかった。今度はいつ行けるのだろう・・・

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