SNSからロレックスマラソンのゴールを考察する

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なかなか買えない。ロレックス正規店へ出向いても、なかなか買えない。心が折れる。僕も波がある。買える時が続いたと思えば、全く買えなくなる。SNSを見ていると、色々な人が購入報告をしているので、「自分だけが買えていない」という錯覚をしてしまうこともある。この思考へ陥ったら危険だ。心配する必要はない、僕も買えていない。しかし、一握りだが買える人は買える。それは我々と違い、優遇される何かがある人達だ。それをひがむのは筋違いだ。なぜなら、彼らはそれだけの価値があると社会的に思われている人たちであり、自分もそのステージへ上がれば同じように扱われるからだ。今回は、そうではなくノーマルピーポーの我々がいかにしてSNSの投稿を参考に希望モデルの購入へ近付くことができるのかを、行動経済学の視点から考察したいと思う。

ロレックスだけではなく、なかなか手に入れることが難しい物を一般の我々が購入するためには、情報があればいい場合がある。何も知らずに買える場合もあるが、やはり情報というのは強い味方となることが往々にしてある。フェイスブック・エックス(旧ツイッター)、インスタグラム、クラブハウス(どこ行った?)など、会員制交流サイトでの情報は今では主流になっていると思う。

さて、このSNSでの購入報告のコメント欄を見ていると、「おめでとうございます」といった祝福のコメントがある反面、その裏では購入者に対する不信感・嫌悪感を募らせる声も少なからず聞こえてくる。現段階では後者は見えにくい状況で少ないのかも知れないが、購入できなかった不満を募らせている声は大きい。購入した人が本当は極太のコネクションを持っていたのではないか、正規店ではなく並行店なんじゃないか、など様々な否定的な意見。しかもレアなモデルとなると、アレルギーかの如く、反射的に否定的な感情を持つようになっているのかも知れない。

行動経済学の世界では、人間の脳には瞬時に素早い判断を下す「システム1」と、ゆっくり時間をかけて判断を下す「システム2」が存在するという概念がある。怒っている人の絵をみて瞬時に怒っていると判断できるのは「システム1」。一方、難しい数学の計算などは「システム2」。人は日常生活で「システム1」を主に使って判断し、行動している。脳は面倒くさいことを嫌がり、なるべく省エネで活用しようとする。そのため、反射的に判断できてしまう「システム1」がメインとなるのは、合理的であるといえる。

さて、この群雄割拠のロレックスマラソン戦国時代において、購入報告を聞いただけで苦手と思うようになってしまった人が増えたように感じる。これは残念ながら「システム1」が構築されてしまったと思わざるを得ない。これ以上、我々時計好きSNSユーザーの分断が起きないためにはどうしたらいいか頭を悩ませる。当然、分断原因の一つに、私を含めてSNSに書き込む際の伝え方の問題があったのかもしれない。そう考えると、私自身も何度か購入報告をした側の一人として改めて振り返る必要がある。

人間関係を構築する上で、意見の違いを浮き彫りにすることが必ずしも良いこととは限らない。特に日本の文化では、夫婦や恋人、仲の良い友達と徹底的に論議する人はどれだけいるだろうか。ましてや、信頼関係をまだ築いていない人との議論は丁寧に礼儀礼節を持って行うべきだろう。

実は購入報告の中には、非常に有益な情報が眠っていることがある。「システム1」ばかり発動させていては、本当に耳を傾けなければならない声をかき消してしまうことがある。もちろんロレックスマラソンのゴールを目指すには、実際に店舗を回るという足で稼ぐ必要があるが、有益な情報があればそのゴールも近くなるかも知れません。マインドのチェンジが大切ですね。

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