雨の日のコンビニの傘立てに、自分のとわかるようにわざわざ傘立ての横に置いているビニール傘を、他のビニール傘とごっちゃに傘立てに立ててあげる優しさを持つオサーンです。
「ロレックスを資産として見るなんて、野暮だなぁ」 そう言われることもありますが、現実として、多くの人々をこのブランドに惹きつける最大の要因の一つが「資産性」であることは否定できません。むしろ、その強固な価値があるからこそ、私たちは安心して数百万円という大金を左腕に託せるのではないでしょうか。
今回は、2026年現在の最新データに基づいた「ロレックスの資産性」を徹底的に解剖します。かつての「誰もがすぐに儲かる」時代は終わり、市場は今、新しいフェーズへと突入しています。最新の分析レポートをもとに、2030年に向けた戦略的な展望を紐解いていきましょう。
構造的転換:爆発的な利益から「富の保全」へ

高級時計市場、とりわけロレックスの二次流通市場は、過去10年間で劇的な変化を遂げました。2016年から2022年にかけて、ロレックスは従来の株式やコモディティを凌駕する「超常的なリターン(アルファ)」を生み出す金融商品へと変貌しました。
しかし、2026年を迎えた今、その市場は大きな転換点を迎えています 。現在の市場は、急速なキャピタルゲインを狙う「成長資産モデル」から、通貨価値の希釈化というかインフレヘッジとして機能する「価値保全モデル(ベータ)」へと移行しているのです。
かつてのように定価を無視して二次流通価格が指数関数的に乖離するのではなく、現在は定価と市場価格が一定の距離を保ちながら上昇する “パラレル化” のフェーズに入っているように思えます。
過去10年のデータが語る、価値の推移(2016年〜2026年)

将来を占うために、まずは過去のリターンを振り返ります。データは、ロレックスの中に「SSプロフェッショナル」と「金無垢」という異なる挙動を示す資産サブクラスがあります。
以下は、主要ベンチマークモデルとして、サブマリーナー デイトを取り上げ、定価と市場価格の推移、およびスプレッド(プレミアム率)の変化をまとめたデータとなります。
| 年代 | モデル(Ref) | 正規定価(MSRP) | 二次流通価格 | スプレッド | 市場フェーズ |
| 2016 | Submariner Date(116610LN) | $8550 | $7200 | -15.70% | 買い手市場・実需中心 |
| 2018 | Submariner Date(116610LN) | $8550 | $11000 | +28.6% | プレミアムの常態化開始 |
| 2020 | Submariner Date(126610LN) | $9150 | $16000 | +74.8% | パンデミック高騰 |
| 2022 | Submariner Date(126610LN) | $10100 | $18500 | +83.1% | 投機的ピーク(バブル) |
| 2024 | Submariner Date(126610LN) | $10250 | $14200 | +38.5% | 調整・正常化局面 |
| 2025 | Submariner Date(126610LN) | $10250 | $13500 | +31.7% | 安定化・スプレッド縮小 |
| 2026(予) | Submariner Date(126610LN) | ~$11100 | ~$13800-+20-25% | 平行線化・利回り低下 |
このデータは、2022年以降の明確なトレンド転換を示しています。定価が確実に上昇を続ける一方、二次流通価格はピークアウトし、投機的な「転売益」の余地が構造的に排除されつつあることがわかります。
金無垢モデル:インフレ耐性資産としての再評価

今回のレポートで最も注目すべきは、金(ゴールド)モデルの挙動です。2026年1月の価格改定では、SSモデルの上昇幅が約5〜6%だったのに対し、金無垢モデルは約8〜10%という大幅な価格改定が行われました。
金無垢モデルには、金そのものの価値(溶解価値)という「誰がどう評価しようが、そこに確かに存在する価値」が存在します。 例えばデイデイト40には約130〜150グラムの18Kゴールドが使用されており、金価格が高騰している現在、原材料だけで約8,000ドル〜10,000ドルの実質価値を持ちます。
市場の需要が軟化した際も、この「地金価値」が強力な下支えとなり、価格崩壊を防ぐ要因となっています。
5年先(〜2030年)の資産性予測

2030年に向けて、ロレックス市場は「認定中古(CPO)による公定価格の確立」や「世代交代」によって定義されると予想 。
今後の各カテゴリー別パフォーマンス予測は以下の通りです 。
| カテゴリー | 資産特性(2030年時点) | 予想CAGR(年平均) | リスク | 主なドライバー |
| SSスポーツ全般 | 価値保全(Value Preservation) | +3%〜+5% | 低 | インフレ連動・流動性・CPO下支え |
| SSデイトナ | 投機的成長(Speculative) | +5%〜+8% | 高 | 希少性・ステータス性・富裕層選好 |
| 金無垢 | コモディティヘッジ(Real Asset) | +4%〜+6% | 中 | 金相場・再調達コスト増 |
| コンビ/クラシック | 消費財(Consumption) | -2%〜+2% | 中 | 減価償却の可能性あり・流動性低 |
2030年において、ロレックスを保有する意味は「S&P500を上回るリターンを得るため」ではなく、「インフレ率と同等のリターンを得て、購買力を維持するため」へと変化していくでしょう。
結論:ロレックスを保有する「本当の意味」

分析の結果、ロレックスの資産性は明確に変化しました 。かつてのような「誰でもすぐに儲かる」フリーランチの時代は終焉を迎えていると言えます 。
今、ロレックスを保有することは「富を増やす」ためではなく、「富を減らさない(Stay Rich)」ための戦略なのかと思います。
メーカーによる定価引き上げとCPOによる価格統制は、通貨安やインフレに対する強力な防御壁となります。ロレックスは、ウェアラブルで流動性の高い「持ち運べる富(ポータブル・ウェルス)」として、今後もその価値を維持し続けるでしょう。

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