販売価格を遥かにしのぐ高額で買取りをされることが多いブランド、ロレックス。時計に詳しくなってくると、ロレックス以外にも定価の数倍で買取りされるブランドが他にもあることを知ることになりますが、いったいなぜ、そんなに高い価格で買い取られるのかをわかりやすく解説したいと思いますが、内容は “建て前” です。本音は最後に・・・
ハイクオリティ
販売価格から考えると、”当然” と思われるかもしれませんが、高くてもロークオリティのモノはいくらでもあります。しかしロレックスは、その製品クオリティでブランド力を高めてきました。
一般的に高級時計とされている製品は、ステンレス素材であっても、904Lステンレス鋼というモノをロレックスは使用しており、耐食性、耐酸性、耐摩耗性に優れている。しかしその分、加工が難しいとされているが、それをロレックスの技術力でクリアしています。また、ゴールド・プラチナ・チタン・セラミックなども間違いのない高品質の素材を使っており、ルビー・サファイヤ・ダイヤモンドなどを始めとした貴石を用いて装飾をしている場合があります。
外装だけでなく、内部の機械に使われる金属素材も、同素材の中でも最上級のモノを使用しており、ゴールドなどは自社独自の配合で鋳造し、その素材から作り上げています。
機械式時計であるから
機械式時計というのは、内部にあるゼンマイが手動、もしくは自動で巻き上げられ、そのゼンマイがほどける力を動力としています。
チョロQなどの簡易なゼンマイは一般的に、巻き上げたゼンマイがほどける力が最初は強く、徐々に弱くなって最後は惰性で動きますが、それだと時計として正確な時を刻めません。
だから一定の力でほどけるようにする機構を組み込む必要があり、それだけで数十種類の歯車などのパーツをあの小さな時計の中に組み込む必要があります。日を表示したり、曜日を表示したり、ストップウォッチのような機能を入れたり、機能を一つ増やすだけで大量のパーツを組み入れる必要があります。
上記のクオリティと共通して、様々な機能を組み込める技術力が、製造コストを高くする要因です。一時期、電池で動くクオーツ時計というのも作っていた時期がありますが、現在、ロレックスは全てのモデルが機械式時計となっています。
すなわち、一つの時計を造るだけでコストが凄くかかります。
圧倒的なブランド力
と、これまで書いてきた「ハイクオリティ」や、「機械式であるから」というのは、市場価格が高い理由としては建て前です。そんなブランドは山ほどあります。もちろんロレックスも、上記したそれらがベースであるのは当然の事実ではありますが、結局は市場のメカニズムの問題です。そこには圧倒的なブランド力が影響しています。
「ロレックスは正規店で簡単に買えない」という市場ができてしまった背景には、さまざまな要因が挙げられると思いますが、やはりそのクオリティから有名・著名人の愛用者を多く輩出したことが大きいと私は思っています。ロレックスの場合はそれが顕著です。下にフローチャートを書いてみますと、
世界的な有名人が所有していたロレックスがオークションに出される
↓
歴史的な高額落札される
↓
同じようなモデルが人気になり買取り価格が上昇
↓
他のモデルに人気が波及し、それらも買取り価格が上昇
↓
これまで普通に買えたモデルまでもが買えなくなる⇐今ココ
簡単に書くとこんな感じかと思います。年間製造本数を見ても、ロレックスよりはるかに少なく希少性のあるブランドでも、世の中のほとんどのブランドが市場での価値は定価を下回ります。ロレックスは特殊な例だと思います。
ロレックスの特殊性
上記した通り、ロレックスは特殊な例です。ロレックスと同じように市場では定価を上回る価格の評価をされるブランドはありますが、そこには大きな違いがあります。
パテックフィリップやオーデマピゲという2つのブランドは、定価よりも高い価格で市場に出回ることの多い代表的な時計ブランドです。しかしロレックスとの違いは、製造本数にあります。
正確な数はわかりませんが、上記した2つのブランドはロレックスの1/10以下という製造本数です。そもそも少量生産で希少価値の高い2つのブランドと比較して、桁違いの製造本数であるにもかかわらず、これだけ市場での評価が高いロレックスは特殊としか言いようがありません。
例えば、上記のデイトナというモデルは2024年11月現在で 2,176,900円という定価で、年間数万本と製造されていますが、市場では約550万円になっています。そりゃ転売したくなる人が多いのも納得です。
ではなぜそれだけ市場価格が高いのか?それは、販売方法にあります。普通のブランドだと、そのブランドの製品を売りたいので店員はセールストークをしますが、ロレックスは市場価格が高いということで店員がセールストークをする必要がないほど客がやって来ます。こうなれば、店側が売る客を選ぶようになります。在庫があっても、それを簡単に売らないことでブランド価値を高める効果が皮肉にも出ているのが現状です。客側が店側に対して “どれだけ欲しいか” をプレゼンテーションするというヘンテコな逆転現象がおこっているのがロレックスです。それが嫌でロレックスから遠ざかる人も少なからずいますが、ロレックスからすればその程度の客は必要ないということなのでしょう。日本だけでなく、世界的にこういった状況ができあがっていることが、市場価格の高騰につながっています。
まとめ
今の世の中、SNSがこれだけ発達すると内部から暴露する輩が当然出てきます。なかなか買えないデイトナやその他のモデルですが、有り余るとまでは言いませんが、各店舗にはそういった暴露から在庫がそれなりにあることがわかっています。しかしブランドとしての価値の低下を避けるためにも、「誰にでも売る」ということをしていないのが実情。ロレックスは一度買った客に対して購入制限などのルールを設けていますが、実際は販売数のコントロール、販売制限をしているということです。と、この辺りの話は、ロレックスを買うためにマラソンをしている人達には “周知の事実” です。
じゃ、どうやったら買えるのか?
私もわかりませんが、私なりの方法はあります。でも、”私なりの方法” とか言って “方法” で買っているようでは、まだまだですね。「”自分”という人間だから買えた」というレベルになれば、ある程度欲しいものが手に入るようになるでしょう。
ちなみに私は負け惜しみではなく、単純に、店に突撃して買えた時の瞬間が好きです。
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