また出た!ロレックスのお宝モデル

子供のために「サルでもわかる日本史」って本を買ったのですが、最後には息子と二人でサルの偉大さに気付いたオサーンです。私も息子も歴史は苦手です。

2017年の10月、ニューヨークで開催されたフィリップス社のオークションで、”デイトナRef.6239 ポールニューマンモデル“が約20億3000万円(当時レート)で落札されたのは記憶に新しいでしょう。腕時計史上に残るサプライズモデルであり、サプライズプライスでした。
そして今回、またもや出てきました!と言っても、やはりポール・ニューマンほどの代物ではございません。しかしアメリカを代表する名優の所有物、名作にもそのまま着けて出ていた時計、それは”ロレックス GMTマスター Ref.1675“です。ただのRef.1675ではございません。かの名優、”マーロン・ブランド“が所有していた個体です。ご存知でしょうか、彼のこと。トップの画像にあるイケメンの彼ですが、こちらの写真の方がわかりやすかと思います。

フランシス・フォード・コッポラ監督の超大作「ゴッドファーザー」の主役・”ドン・コルレオーネ“が有名ですね。この映画でオスカーを獲得した彼は、ロレックスにプレゼント用のデイトジャストをオーダーしており、その個体がオークションに出品されたのが2019年5月。1973年製のこのデイトジャスト、格好いいですね。裏には役名の”Vito“と、彼のイニシャル”MB“が刻まれています。

こちらが$40,000(≒430万円)で落札されました。高いのはわかりますが、手が出ない額ではですよね・・・ね?

しかしここからが本題。行方不明と言われていた彼個人所有の”GMTマスター Ref.1675“が、彼の親族から「あるよ、ここに」と出てきたのです!

この時計は、養女であるペトラに大学の卒業祝いとして渡されたそうです。そして彼女は結婚時、旦那のラッセル・フィッシャーにプレゼントしたという流れだそうです。

さて、このGMTですが、登場するのが「地獄の黙示録(Apocalypse Now)」という1979年に公開された映画です。

この映画は、ベトナム戦争を題材にしており、カンヌ国際映画祭でパルム・ドールを獲得した名画です。その劇中で、マーロン・ブランドRef.1675を着用してます。

スキンヘッドがよく似合いますね。格好いい彼ですが、この時計のケースバックには彼自身が彫ったという名前があります。

オサーンも小学生の頃、消しゴムによくこんなの彫りましたが、ロレックスに彫るとは、なかなかやりますね。
クオリティに共感が持てます。

さて、もう一度この時計を見てもらいたいのですが、「これってヘン!」と思いますよね?そう、元々はペプシベゼルが付いていたんです、これには。当然ながら、GMTマスター Ref.1675というのはこんなモデルです。Ref.1675-instagram

 

まずブレスレットではなく、ラバーベルトなのは、本人がただ単にそうしたかっただけのようです。

ではなぜベゼルがないのでしょうか。その答えなのですが、実は映画関係者(スタッフ)に、「マーロンさん、その時計なんですけど…チョット…派手な感じが…映画ではそのぅ…」とダメ出しを食らったそうで、「それならベゼル取っちゃえ!」いう行動に。残念ながらそのベゼルは現存しているのかは、わかりません。また何かの拍子で出てくるのかも知れません。

ということで、2019年12月10日のフィリップスオークションから目が離せません。アメリカの映画史の重要な位置付けである名画です。どこまで価格が伸びるのでしょうか。