MB&F って超クレイジーですよね(いい意味で)
1年に数多くのモデルを発表する時計ブランドですが、MB&Fは年に1~2モデル程度。なぜなら時計を見てもらえればお分かりかと思うが、普通じゃない。完全にクレイジーなデザイン。腕時計の概念を突き破っている。そんなモデルを毎回発表するのがMB&Fです。
正式には、
「MB&F は腕時計のブランドではなく、マイクロ・エンジニアリングをコンセプトにした芸術的な研究所であり、斬新なオロロジカル・マシンを設計・制作するために毎年召集される独立した時計のプロ集団」
という定義の研究所のようです。
MB&Fは、「マキシミリアン・ブッサー&フレンズ」の頭文字を取って名付けられたもので、「フレンズ」とはエンジニア達のことを指している。創業者のブッサーは、スイスの大学で機械工学を学んだ後、ジャガールクルトへ入社。その後、プロダクトマネジャーなどを務め、その手腕から1998年、ハリーウィンストンの時計部門の責任者に抜擢される。同ブランドの代表モデル「オーパス プロジェクト」を主導した人物。この企画は、新しい時計師達に毎年作品を作ってもらうという斬新な物。そのプロジェクトのスタートである「オーパス 1」の製作は、工房を作ったばかりのF.P.ジュルヌだったという目利きの鋭さ。
ハリーウィンストン オーパス1
その後も、ヴィアネイ・ハルター(Vianney Halter )や、カリ・ヴィティライネン(Kari Voutilaienen)など大物とのオーパスシリーズを作り上げた。プロデュース力の凄さを感じさせます。
そして2005年に彼は自分の理想とする時計を作るためにMB&Fを発足。2007年にはとうとうブッサーが企画、フレンズが製作した MB&F の1stモデルが完成した。
MB&F Horological Machine N°1
オロロジカル マシン No.1 と名付けられたこのモデル。衝撃的過ぎて「は?」となります。この未来を感じさせるデザインですが、MB&Fの時計は日本のアニメからインスパイアされたモデルも存在します。それがこれ↓
じゃない。間違えた。でも「Horological Machine N°1」は、天才バカボンに出てくる本官さんと言っても何ら不思議ではない。
すいません、真面目に行きます。この下のモデルは、Horological Machine N°6 FINAL EDITION(オロロジカル マシン No.6 ファイナルエディション)というモデル。
MB&F Horological Machine N°6 FINAL EDITION
1978年から1979年に日本で放映されたテレビアニメ、「キャプテン フューチャー」からインスパイアされたそうだ。
「他にインスパイアされるべきアニメ、もっとあるだろっ!」というツッコミは置いといて、子供の頃のブッサー少年には突き刺さる何かがあったのでしょう。というより、こんなアニメ知らんなぁ・・・
しかしMB&Fは、どんな時計師達も投げ出してしまうほど複雑な時計を作り上げる。ブッサーが考え出すデザインを、見事に形として答えを出していくフレンズ。
MB&F LM1 Legacy Machine N°1 Limited Edition in Platinum
左右二つの時間を表せるこの時計。中央にはフライングバランスホイールがあり、ドーム型の風防はMB&Fらしいデザイン。
極薄の時計を目指して作っている時計ブランドが多い中、膨らんだこの時計にトレンドなんて関係ない。独自の感性でデザインされている。その媚びない、曲げないスタイルこそが、MB&Fなのでしょう。
H. Moser x MB&F Endeavour Cylindrical Tourbillon
MB&F x H. Moser LM101
2020年には、「エンデバー・シリンドリカル トゥールビヨン H.モーザー × MB&F」、「MB&F x H.モーザーLM101」が発表されました。そうです、あのフュメダイヤルで有名なH.モーザーとMB&Fがコラボしたモデルです。”Very Rare” でお馴染みのH.モーザーですが、これは正しく”Extremely Rare” って感じです。
2020年の新作である「Horological Machine N°10 “Bulldog”」は、”ブルドッグ” というだけあって、犬のブルドッグからデザインされている。
口の部分を正面から見ると、ここにも機能が組み込まれている。
左は歯の見える口が開いている。「パワーリザーブの残有」を表している。右は口が閉じている。「パワーリザーブ切れ」という。遊び心もここまで過ぎると、アートですね。
また、腕時計だけではなく置時計もある。完全にインテリアとして作っているとしか思えないほどのデザインです。
MEDUSA(メデューサ)という置き時計は、MB&FとL’Épée 1839(レぺ)というスイスの高級時計メーカーとのコラボ作品。他にも多くコラボしている置き時計があります。
Octopod(オクトポッド)というこのモデルも、MB&FとL’Épée 1839とのコラボ。こういった置き時計は、日本橋三越で実物がいくつか見れました。
こうしてみると、MB&Fとコラボしているブランドも “超” が付くほど個性的。完全にアート作品に時計が組み込まれた感じですね。こうなれば、もうMB&Fは普通の時計作りには後戻りできないブランドですよね。そして価格から見てもある意味、雲上ブランドですね。
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