COMEX(コメックス)は、フランスに拠点を置く世界的な深海潜水会社です。1960年代、ロレックスはCOMEXと提携し、彼らのダイバーのために特殊なサブマリーナーを供給していました。その証として、ダイアルに”COMEX”のロゴがプリントされたものが、通称「コメックス」と呼ばれる希少なダイアルです。
ロレックスのことにそれほど興味がないと、コメックスと聞いても何とも思わないが、ロレックスに興味を持ちだし、詳しくなるとコメックスというのがかなりのパワーワードだということに気付かされる。
1. COMEXとロレックスの関係
- 1960年代、深海探査が盛んに行われていた時代、COMEXはダイバーズウォッチに高い信頼性を求めていました。
- ロレックスは、その要望に応えるべく、COMEXと共同で特殊な高圧検査タンクを開発し、過酷な環境下でも耐えられるダイバーズウォッチを製造しました。
- COMEXのダイバーたちは、ロレックスのサブマリーナーを着用し、数々の深海探査プロジェクトを成功させました。
2. コメックス サブマリーナーの特徴
- COMEXロゴ: ダイアルに”COMEX”のロゴがプリントされているのが最大の特徴です。
- ヘリウムエスケープバルブ: 飽和潜水において、時計内部に侵入したヘリウムガスを排出するためのバルブが装備されています。
- Ref.5513 / 5514: コメックスに供給されたサブマリーナーは、Ref.5513とRef.5514が主でした。Ref.5514は、ロレックスが他社のために専用リファレンスを発行した、非常に珍しいモデルです。
- プロトタイプ: ごく少数ですが、プロトタイプのCOMEXサブマリーナーも存在します。
3. コメックスダイアルの希少性
- 非売品: コメックス サブマリーナーは、COMEXのダイバーにのみ支給され、一般販売はされていませんでした。
- 限定生産: 生産数が非常に限られているため、市場に出回ることは稀です。
- コレクターズアイテム: その希少性から、コレクターの間で非常に人気が高く、高値で取引されています。
4. 入手方法
- オークション: Phillips、Sotheby’sやChristie’sなどのオークションで入手する方法があります。
- ヴィンテージ時計専門店: 信頼できるヴィンテージ時計専門店で購入する方法があります。
- コレクターからの購入: コレクターから直接購入する方法もありますが、真贋を見極める必要があります。
5. 注意点
- 偽物: コメックスダイアルは、偽物が多く出回っています。購入する際は、信頼できる販売店を選び、真贋をしっかりと確認することが重要です。
- 状態: ヴィンテージ品であるため、状態をよく確認する必要があります。
コメックスダイアルは、ロレックスの歴史と深海探査の歴史が刻まれた、特別なダイアルです。その希少性と歴史的価値から、多くのコレクターを魅了し続けています。ただし、数多くのリダン品と呼ばれる後から書き加えられた物などが多く出回っています。こういったヴィンテージ品には付き物ですが、購入には注意が必要です。