ロレックスのチェリーニは、創業者のハンス・ウイルスドルフが敬愛した、ルネサンス期のイタリアの芸術家、ベンヴェヌート・チェリーニにちなんで名付けられました。その名の通り、チェリーニはロレックスの他のプロフェッショナルモデルやクラシックモデルとは一線を画す、芸術性を追求したドレスウォッチコレクションです。
チェリーニの歴史
- 1928年: チェリーニの名前を冠した最初のモデルが登場。当時は角型やトノー型など、様々な形状のケースを採用していました。
- 1960年代: ラウンド型のケースを採用したモデルが登場。シンプルなデザインとエレガントな雰囲気が人気を博しました。
- 2000年代: 一時生産が中止されますが、2014年にコレクションが復活。現代的な解釈を加えつつも、伝統的なドレスウォッチの要素を継承したモデルが登場しました。
- 2023年: Watches & Wonders Geneva 2023 にて、チェリーニコレクションが再び生産終了となります。
チェリーニの特徴
- 芸術性: チェリーニは、ロレックスの他のモデルとは異なり、装飾性を重視したデザインが特徴です。ケースの形状、文字盤のデザイン、針の形状など、細部にまでこだわった造形美が魅力です。
- 手巻きムーブメント: チェリーニは、ロレックスの伝統的な手巻きムーブメントを搭載しています。手巻きムーブメントならではの繊細な操作感を楽しむことができます。
- 貴金属ケース: チェリーニは、イエローゴールド、ホワイトゴールド、エバーローズゴールドなどの貴金属ケースを採用しています。素材の美しさを最大限に引き出した、エレガントな佇まいが特徴です。
- レザーストラップ: チェリーニは、レザーストラップを採用しています。高級感のあるレザーストラップは、腕元に上品な印象を与えます。
チェリーニの代表的なモデル
- チェリーニ タイム: 時・分表示のみのシンプルな3針モデル。
- チェリーニ デイト: 時・分表示に加え、日付表示機能を搭載したモデル。
- チェリーニ ムーンフェイズ: 時・分表示、日付表示に加え、ムーンフェイズ表示機能を搭載したモデル。
- チェリーニ プリンス: ロレックス初の裏スケモデルが実はこのチェリーニ プリンスです。レクタンギュラーケースの希少モデルです。
- チェリーニ チェリニウム: チェリーニのプラチナモデル。
チェリーニの生産終了
チェリーニは、2023年に再び生産終了となりました。ロレックスは、常に進化を続けるブランドであり、その中でチェリーニは、伝統的なドレスウォッチのスタイルを維持することが難しくなったのかもしれません。しかし、チェリーニはロレックスの歴史の中で重要な役割を果たしたコレクションであり、その美しいデザインと高い品質は、今後も多くの時計愛好家を魅了し続けるでしょう。
補足
チェリーニは、今では中古市場でしか入手できない希少なモデルとなっています。しかし、ロレックスで販売されていた時には非常に不人気モデルだったこともあり、廃盤になっている今でも二次市場ではそれほど価格が上昇しておりません。