ロレックス オイスタークォーツは、ロレックスが1970年代に製造していたクォーツ式腕時計です。機械式時計が主流だったロレックスがクォーツショックに対抗するために開発した、異色のモデルと言えるでしょう。
誕生の背景
1960年代後半から1970年代にかけて、日本のセイコーから高精度なクォーツ式腕時計が登場し、時計業界に大きな変革をもたらしました。高精度で低価格なクォーツ式時計は瞬く間に普及し、スイスの機械式時計産業は深刻な打撃を受けました。これが「クォーツショック」です。
当然ロレックスもこの影響を受け、クォーツ式腕時計の開発に着手しました。そして、1977年、ロレックス初のクォーツ式腕時計「オイスタークォーツ デイトジャスト」を発表しました。
特徴
- 高精度: ロレックスが独自に開発した高精度なクォーツムーブメントを搭載。
- 堅牢性: オイスターケースを採用し、高い防水性と耐久性を実現。
- 独特のデザイン: 角ばったケースと一体型のブレスレットが特徴的な、当時としては斬新なデザイン。
主なモデル
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- オイスタークォーツ デイトジャスト (Ref.17000, 17013, 17014): デイト表示機能を搭載したモデル。ステンレススチール、コンビ、ゴールドなど、様々な素材で展開されました。
- オイスタークォーツ デイデイト (Ref.19018, 19019): デイト表示に加え、曜日表示機能も搭載した上位モデル。ゴールド素材のみで展開されました。
ムーブメント
オイスタークォーツには、ロレックスが独自に開発したCal.5035またはCal.5055ムーブメントが搭載されていました。これらのムーブメントは、高い精度と信頼性を誇り、ロレックスの技術力の高さを示すものでした。
製造終了
オイスタークォーツは、2001年に製造が終了しました。クォーツショックが沈静化し、機械式時計が見直されるようになったこと、そしてロレックスが機械式時計に注力する方針を固めたことが理由と言われています。
現在
オイスタークォーツは、製造期間が約20年と短く、生産本数も限られていたため、現在では希少なモデルとなっています。独特のデザインとロレックスのクォーツ技術が融合した、コレクター垂涎の逸品と言えるでしょう。
補足
- オイスタークォーツは、ロレックスの歴史において、クォーツ式時計に挑戦した貴重な証です。
- ロレックスは、現在では機械式時計に注力していますが、オイスタークォーツで培われた技術は、その後の時計開発にも活かされています。