前から欲しかったレアなロレックスを探した話 前編

「時計にまつわる〇〇な話」は、レアモンクエストが継続しづらくなった今、タイトルだけを変えて結局続けようと悪あがきする諦めの悪い漢の物語である。

先日、牡蠣を食べて大当たり。悶え苦しんだんですが、実弾と空砲を神業の如く感じ分ける “我、肛門様” がこの時ばかりはバグり、10回以上ミスってしまって替えのパンツがない正月を迎えたオサーンです。

 

「アッ、これ欲しいな。でもそんなに値段が上がってないから少し余裕ができたら買おう。」

と思っている時計ってありますよね。四六時中インターネットのECサイトなどで目を皿のようにして物色しているそこの時計オタク好きの方!

あなたですよ、あなた!
時計ばっかり探してないで、仕事しろよ!

とは言うものの、何を隠そう私もそんな一人です。振り返ると正規店での購入を今までネットに出していましたが、並行店でもちょくちょく買っていたりします。GINZA RASINさん、GMTさん、ロデオドライブさん、かめ吉さん、サテンドールさん、などなどその他多くの並行店にはお世話になっています。忖度するわけではありませんが、特にSDさんの圧倒的なロレックスの勉強量・知識量には頭が下がります。

そして前々から気になっていて、いつかは欲しいと思っていた時計の一つにこんなのがありました。

ロレックス ターノグラフ Ref.116263 日本限定モデル

ロレックス ターノグラフ/日本限定 116263 ブラック 中古 メンズ
※リンク切れしていたらすいません。

さすが、サテンドールさん。こういったレアなモデルを抑えています。痒いところに手が届くとはこういうことか。
そうそう、なぜこれがレアなのかを知らない人のためにご説明しますと、「日本限定」というところがミソなんです。ロレックスで、「〇〇限定」ってみたことあるでしょうか?そうなんですよ、ロレックスは限定商品を作らないブランドで(俺の中で)有名なんです!まぁ、ロレックス好きの方はほとんど知っている情報なんですけどね・・・

 だからそうなんです!日本限定って凄くない?

限定でないターノグラフと限定モデルのターノグラフの違いはですね、秒針と日付の色にあります。日本限定は、ロレックスコーポレートカラーであるが採用されています。しかしそうでないノーマル版は、なんです。

※左:日本限定モデル 右:通常モデル

でもね、これがまたそんなに市場価格に反映されてなくてですね、限定のわりにはチョクチョク売ってるんですよ。楽天さんでも上記含め、2022年1月現在で3本ほどあるんです。恐らくいつかは見なくなるのでしょうけど、価格も現在吹き荒れている空前の高級時計(特にロレックス)ブームにおいても、少し上がった程度なんすよ。探せばもっと玉はあるでしょう。

ここでちょっと世界中から出品されている時計専門販売サイト、Chrono24さんで ターノグラフ Ref. 116263 をチェックしてみます。

このモデルは2004年~2013年頃まで製造されていたと記憶しています。当時は普通のデイトジャストと比べると回転ベゼルが付いていてスポーツモデルっぽいのが中途半端、しかもイエローゴールドのコンビとなると仕事で使いにくいってのもあって人気モデルだったとはお世辞にも言えないモデル。それが今もなお、当時の定価961,200円(だったと思う)と比べると若干高くはなっているものの、ロレックスの中では脚光を浴びていないと言えます。

ちなみに日本限定モデルは一本もChrono24には掲載されていませんでした。確かに楽天さんに掲載されているモデルは150万円ぐらいで、ノーマルモデルよりも評価はされていますが、飛び抜けてる印象はありません。

でもここでふと思った。

アレ?

この日本限定モデル600本ほど製造されたといわれています。そのうちの300本黒文字盤で、残り半分の白文字盤300本・・・

白?ホワイト?えっ⁈ ない!

 

そうなんです。黒文字盤3本ほど確認していますが、白文字盤が見当たらないんです。焦る俺。

見当たらなくなると欲しくなる症候群発生!

仕事なんてどうでもいい。取りあえず世界中のECサイトを探しまくる。俺はワールドワイドでインターナショナルでグローバルだ(意味フ)。しかし見つからない。やっぱり日本限定は日本にある!と信じて探す。汗ダグになりながらPCとニラメッコをして必死のパッチで探すと、仙台のとあるブランドショップで発見!

しかしそのホームページが怪しい。懐かしのホームページビルダーで作ったようなシンプルさ。だがここを信じることを前提に考えると、状態の良さそうな個体だ。

Chrono24でロシアの謎の個人販売者とかから買うよりは信用がある。

このショップで見つけたのが2021年12月29日。その日は夜だったので、次の日に問い合わせることにした。

翌日(12月30日)

そのショップに電話をかけると、呼び出し音だけが虚しく鳴り響き誰も出ない。やはりこのショップは・・・と思いホームページを確認すると、12月30日~1月1日まで休みとなっている。これは1月2日に電話をするしかない。そもそもこのショップがどうなのかも全くわからないが・・・信じて待とう、ホトトギス。

年明け(1月2日)

ボートレースのスタートの如く、開店10時キッカリに電話をする。仙台までの電話代をケチらず堂々と掛ける懐の広さを見せる俺。電話口には28歳、少し茶色のロングヘアーの女性(をイメージする声)。

店員:「お電話ありがとうございます、〇〇でございます。」

電話の向こうの音がザワザワしている。年明けは来客が多いのか?仙台では人気店なのか?

俺:「明けましておめでとうございます。商品の問い合わせですが、HPで拝見したロレックスのターノグラフってそちらにございますでしょうか?」

電話代を気にしてか、それとも興奮してなのか、早口になる(恐らく前者)。

店員:「少々お待ちください。お調べいたします。」

保留音の “エリーゼのために” が若干オンチなのが気になるが、指摘しない懐の深い俺。

店員:「お待たせいたしました。申し訳ありません。売り切れちゃってます。」

えー!

正規店のロレックスマラソンでは門前払いのように断られることは慣れているが、なんと得体の知れない 仙台の並行店で在庫がないと言われるとはっ!HPに掲載されとったやん!

俺:「い、いつ売れちゃったんですか?」

懐の深い俺はイラつきを隠しつつ丁寧にに尋ねる。

店員:「ええーっと、23日ですね。クリスマス前の。申し訳ありませーん!」

28歳・少し茶髪ロングヘアー(俺イメージ)の女性が受話器の向こうで頭を下げている。懐の深い俺は許すしかない。

電話を切った後、走馬灯のように年末の友達とのやりとりが頭を駆け巡る。何かちょっと『俺、レアな時計買うねん、ええやろ』的なことを言い放っていたような気がする。ちょっとイチビった。いや、相当イチビった。
※いちびる・・・調子に乗るの意

ショックで1月2日にふて腐れる in the コタツ。それから数時間、コタツから出れない。ロレックスからコタツドゥエラーとかを作ってほしいぐらいコタツから出れず塞ぎ込む。

寝そべりなからスマホを見ていると手からスマホが滑り、顔面に落ちてくること2回。それにも耐えながら数時間、検索窓に検索ワードを入れてみる。

 

 

【コタツドゥエラー】

あっ、間違えた。

【ターノグラフ 116263】

すると1本発見。白文字盤の日本限定!

箱・本ギャラ・OH時のギャラ・取説・余りコマ・タグ・並行店のギャラ(少しだけ保証期間内)という豪華フルセットが登場しているではないか!

しかしよくあるパターンとして、数年前に売り出されていた画像かも知れない。これもその類だろうと思ってみてみると、今現在販売中!気になる価格は・・・ちょっとお高いッ!もうお金が無くて仙人同様、カスミを食って生活している俺にとっては結構な価格設定だ。ここは何としてでも値下げをしてもらいたい。払えるものなら、身体で支払ってもいい。それなりの仕事はまだできる(自薦)。思い切って不躾ではあるが、値下げを単刀直入に投げかけてみる。すると、

この価格で精一杯です。」

・・・、そうでしょうね。よくわかる。私も時々不用品を出品して値下げ交渉されるとキッパリと秒で断るからだ。

しかし簡単に引き下がってられない。なぜなら明日のご飯に困るぐらい貧困生活で飢えを凌いでいるからだ。情報を見るとその時計は東京にある・・・東京か・・・そーいや俺、今月に東京行くんだよ。

送料もなくなるし、梱包もしなくていい。しかも直接会えるとなると、俺の笑顔付き(プライスレス)だ。これで少しは安くしてもらえるはずである。その思いをぶつけてみる。すると、

「了解しました。では当日お待ちしております。」

交渉成立!おぉ、やったぞー!

そんなこんなで東京での用事を済ませてから、商品の受け渡しに行くことになった。

つづく