S.U.F. HELSINKI Sarpaneva x Moomin

私は本命視していた。一部でそう噂もされていた(らしい)。2020年ジュネーブウォッチグランプリGPHG/GRAND PRIX D’HORLOGERIE DE GENÉVE)は、ピアジェの極薄モデルであるアルティプラノ アルティメート コンセプトが受賞しましたが、今回紹介する、”ムーミンの時計” もオサーン的有力候補でもあった(ノミネートされているカテゴリー的に難しいのは承知しています。)

GPHGでは、“Petite AiguillePrize(小さな針賞)という部門でのノミネートだったのですが、”小さな針“なんて通り越してグランプリを取って欲しかった。

何とも可愛らしいデザインのこの時計、S.U.F. ヘルシンキというブランドからリリースされました。このブランドはネーミングのヘルシンキから連想される通り、フィンランド出身の独立時計師であるステファン・サルパネヴァ(Stepan Sarpaneva)が展開するディフュージョンブランド。本家は、Sarpaneva Watches というブランドのようです。

ゴリゴリの鬼才感を出すサルパネヴァ

何でムーミン?」と思う方もおられるかも知れません。ムーミンは世界中で愛されているキャラクターですが、フィンランドの作家であるトーベ・ヤンソンが作ったキャラクターなんです。フィンランド出身として、題材に取り上げるのは当然といったところでしょうか。
1945年に発表されたムーミン2020年はそのムーミン生誕75周年ということで、この時計が作られることになったそうです。

可愛いキャラクターではないでしょうか。ムーミンはカバではなく、架空の生き物です。それをダイヤルに仕上げているのですが、これがまた見事なまでの美しさを醸し出しています。

この夜光塗料が美しい。スーパールミノバを丁寧に使って作り上げています。幻想的なムーミンの世界観を感じさせます。

草一本一本を削り、ダイヤルを作ります。かなりの労力ですね。

8色のスーパールミノバを調合して塗り込みます。このダイヤル作りは、相当手が込んでいます。ということで、それほど数を製造できません。その総数75本限定で発売、そして既に完売してしました。

バリエーションは3種類あり、全て共通するのはステレススティール製のケース。違いは針のカラーリングです。

左から、ブルーローズゴールドスティールというカラー。各25本ずつのリリースでしたが、もう手に入りません。この時計、S.U.F. HELSINKIエントリーモデルである、「180」というモデルと同じケース、同じムーブメントを使用しています。

この上のモデルの価格が279,885円(税抜き)となっています。かなりリーズナブルなんです。ムーミンモデルは、ムーミンがプリントされたフィンランドのテキスタイルメーカー、フィンレイソン社製の布の時計用袋が付いてきます。

時計としては視認性に大きく欠けているかもしれませんが、凄く気になるモデルと共に、S.U.F. HELSINKIというブランドにもかなり興味を持ちました。

ケース径 38.7mm
ケース厚 8.9mm
素材 ステンレス
風防 サファイヤ
防水 100m
ムーブメント Soprod A10
機能 時・分
巻き上げ 自動巻き
振動数 28,800/h (4Hz)
パワーリザーブ 42時間
ストラップ キャンバスストラップ
限定 75本
価格 635,000円(5,000ユーロ)