レアモンクエストIII そしてポンコツへ… 6
ウチの職場には大西・中西・小西・上西までいるのに下西ではなく西下がいる。「空気読めねぇな。」って理不尽なツッコミをしたら他の職員から、「みんなそれ思ってました!」と思わぬ賛同を得たオサーンです。西下君、君に罪はないよ。ごめんね。
さて、都内での仕事なのに遠足気分で遠出をしてしまった昨日、しかしその甲斐あって1本ゲットできて満足。東京に来たからには最低でも1本!と思っていたので、ホッと肩の荷が下りた。東京2日目の今日は、新宿エリアからスタートすると決めていた。なぜなら、新宿高島屋でやっている朝の整理券争奪戦に参加するためだ。私のような非力な客は、予約が取れないので並ぶしかない。というわけで、10:30開店の少し前に着くよう向かいます。
ホテル近くに東京証券取引所があって興奮する田舎者オサーン。なぜか中の警備員に向かって手を振ってしまった。
いまいち新宿駅から高島屋へのアクセスがよくわかっていないオサーン。いつもここでウロウロして可愛い子ちゃんに道を尋ねている。そして意外と早く高島屋へ到着するも、ビックリする。
結構並んでいるよ!10:10頃到着してこの有様。みんな仕事しろよ!並んでんぢゃねーよ!心で叫びながら最後尾に並ぶ。しばらくすると、私の後ろにも一人。やけにラフなスタイルの少し厳つ目のレゲエが好きそうなお兄さんが来たので聞いてみた。
「これって、いつもこの時間だとこの順番ぐらいですか?ヤーマン!」
郷に入っては郷に従うので、レゲエのノリで聞くのが礼儀。
「まぁ、こんなものだと思いますよ。」
レゲエマンがいう。
「この辺りにお住まいなんですか?コマゲンッ!」
レゲエマンの生活スタイルを探り出す。
「そうです。毎朝散歩がてら来て、整理券もらって夕方ぐらいですよ、この位置ぐらいだと。」
有益情報だ。しかしレゲエワードは彼から一言も出ない。
「この辺りって、メッチャ家賃とか高そうですよね。凄いっすね、ヤーマン!」
ヤーマンとコマゲンしかレゲエワードを知らないので、すでに尽きてしまった。
「この前大阪のタワマンの価格見てビックリしましたよ、安ぅ~って。ここの1/3ぐらいでした。、ところでさっきからヤーマンって何ですか?」
レゲエマン、こやつトボケてやがる。アゴヒゲあるヤツはレゲエマンに決まってるんだよ。隠してもムダだよ。
「え?ま、まぁそれはそうと、ここから他のロレックスの店舗ってどんな感じで回ったらいいでしょうか?コマゲンッ!」
地元民の意見が一番だ。
「京王とか伊勢丹行って、あとは銀座とかですね。銀座がいいんじゃないですか?」
まともな答えが返ってきた。まだ朝なので草をキメてないのだろう。しっかりと答えるレゲエマン。
10:30になり整理券が配られた。自分の順番になる前に、「整理券を配布していますが、必ずしも本日中に呼ばれるとは限らないのでご了承ください。」と言われる。
取りあえず整理券をもらったので振り返るとレゲエマンはすぐに行ってしまった。礼も言えなかった。しかし彼のアドバイス通りに京王へ向かいます。
レゲエマンは京王と伊勢丹はあまり買えないと言っていたが、僕は買ったことがあるのでそれは気にせずすんなり入店。入口にメガネ女子店員がいる。そのメガネ女子に聞く。
「グリーンが入ったモデル、何かありませんか?例えばデイトジャストのグリーン文字盤とか。」
単刀直入に聞いてみた。すると、
「そうですねぇ・・・今はない状態です。」
と在庫確認もなく撃沈。萌え系のメガネ女子の前で、ちょっと質問のしかたを失敗してしまった。仕方がない、仕事が終わってからもう一度新宿に来て、その時に伊勢丹へも行くとして、一旦、銀座へ向かう。
いつ見てもピンクに光るエロい銀座の駅。大好きです。
銀座は三越からスタート。しかし店員さんが “研修中” ということで、全くダメな雰囲気。案の定、在庫確認もなく終了。悲しくなってくるが、昨日1本買った余裕からなのか、立ち直りが早い。
銀座に来たら必ず入るショールーム。車に全く興味がないのですが、ここの女性、綺麗ですよね。10分ぐらい話が盛り上がった。車は正直、どうでもいい。恰好いいけどね。
GINZA SIXにも入ります。すんなり入れたことが何より嬉しいですが、何も買えずに店から出たときには入口に列ができてました。全く出てくる気配なし・・・その後、レキシア銀座並木通り本店(写真撮り忘れ)でも全く力が発揮できず、今回はこれで一日が終わる気配を感じた。
取りあえず少し遅めのランチということで、牛肉を白米の上に乗せた斬新で贅沢なご飯(つゆだぐ)を食べて、新宿高島屋に呼ばれるまで仕事に戻ることにした。しかし仕事をしている最中も、新宿高島屋の順番が気になる。仕事が手につかない。もうこうなりゃ、腹が痛くてトイレに引きこもるフリをして街へ出るしかない。外はもう暗くなってきている。
しかも寒い。日中は日が差して歩いていると暑いくらいだったのに、一気に冷え込んできた。最後のひと踏ん張り、力を振り絞って回ります。伊勢丹にも行きましたが、写真を撮り忘れました。そして順番がまだですが高島屋へ向かう。
寒さと順番がなかなか進まない苛立ちで、デカデカと高島屋の壁面にいるベッカムになぜかムカつくオサーン。そしてやっと来た、閉店間際のお呼び出し。もう失うものはない。
店員:店 / オサーン:オ
店:「大変お待たせしました。私、〇〇がご案内させていただきます。」
ほほ~、なかなか丁寧な挨拶。しかしその顔には『もう今日は閉店ガラガラ』と書いてあるよ。
オ:「いやぁ~、なかなか長いですね、呼ばれるまで。でも閉店も近いので単刀直入に。」
店:「あっ、ハイ。お伺いします。」
オ:「デイトジャスト36mmのパームモチーフを探してます。」
店:「デイトジャストのその文字盤のモデルはお問い合わせが非常に多いモデルとなっております。」
その答えは、こちらがどのモデルを言っても返ってきそうな返答だな・・・
オ:「でしょうね。でも僕はその欲しい気持ちの大きさと気合いが違います。」
店:「といいますと・・・?」
オ:「はい、私は朝の整理券をもらってからずっと高島屋の入口で呼び出しを待ってました。まるで上野の西郷どんのように待ってましたよ。ここに賭ける気持ちは誰にも負けません。どうか、そんな私にヤシの木文字盤を出してください。」
小さなウソをついてしまうオサーン。しかし待っていたという好印象は与えたはず。
店:「えぇ!それはお疲れ様でございました。でもそれ、渋谷のハチ公の間違いでは (笑)・・・在庫を確認してまいります。」
そうだった。致命的な間違いをしてしまった。西郷どん、ややこしいから犬連れるなよ。お前の犬、ハチ公じゃねーのかよ!
店:「お待たせしました。パームモチーフは只今在庫をきらせているのですが、こちらの文字盤のタイプなら1本ございますが・・・」
まさかまさかのステンレスデイトジャスト!これは頂きたい。
オ:「いただきます!本当ですか?嬉しいです。ワーイ!ありがとう、〇〇さん。」
その時、もう入店する時間が終了したのかレゲエマンの後ろ姿がチラリと見えた。店内から「ヤーマン!」と叫ぶがその声は届かなかった。
Day2 2本目確保で終了。
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