レアモンクエスト2 雲上の神々 VIII

 

“アナリスト” という響きに、開発途上のオシリのむず痒さを感じるオサーンです。何だかコロナが蔓延したこともあって、今シーズンは全くインフルエンザ感染者が身の回りにいなかったのですが、どこに行ったのでしょうか。向かいのホーム?それとも路地裏の窓?不思議ですね。

仕事が明け方まで終わらず、眠気を覚ますために会社の風呂に入る。頭がスッキリしたところで、再び仕事を始めようとデスクのあるフロアへ向かう。さぁ、まだまだ仕事だ!

 

 

 

 

 

 

 

俺は負けた。そう、日曜日のオークス(競馬)で15万負けた。これだけ働いても神様はそっぽを向く。ならば俺も仕事にそっぽを向く。

これで50/50だよな!

雨が今にも降りそうな空模様。そういや先週の “寝過ごし名古屋編” も雨だったな・・・今年は例年になく早い梅雨入り。となれば、雨も致し方ない。

地球の環境が変わりつつあるのだな。」などと、隣のキャリアウーマン風の美女に軽く聞こえそうな声で呟く。ガン無視されてもくじけない。

当然移動手段の阪急電車はファーストクラスです。”乗り鉄“としのぎを削り合い、確保した。

今回の目的は “御影(みかげ)” というところに住む友達と会うこととなったためだ。そのすぐ先が神戸三宮。実は朝の5時前にスマホをウトウトとしながら触っていたら、その友達にコールしてしまった。そんなことで、用事もないが会う約束をした。ならば当然、ロレックスが2店舗ほどある三宮でブラついてから会おうという魂胆です。

しかし阪急三宮駅周辺の飲食店は恐ろしいぐらいのシャッター街となっているではないか。予定していた店も当然、シャッターが下ろされていた。

俺も漢だ。たとえ競馬でケツの毛まで行かれても、こんな神戸の状況は見てられない。神に頭を下げよう。少しでもこの神戸が救われるように、協定を結ぼうではないか。そう思ったが、小銭が全くない。PayPayなら1万円ほど入ってるんですけどね、対応してないようです。神との協定は決裂した。

今にも雨が降りそうな中、♪ペイペイ ペイペ ペイペイ♪PayPayの歌を歌いながらこちらに到着。気合が入る。

デイトナかGMTか?人気モデルを引き出してやるよ!

人気プロフェッショナルモデルを店員さんに伝え、出してもらえるようにお願いする。

「在庫を確認してまいります」

そういう店員さんを待つこと約3分。戻ってきた店員さんが言う。

「あいにく在庫を切らせております・・・」

今日は妙に買えそうな気がしていた。いや、何故か自信があった。しかしこの結末にPayPayの歌の歌詞を忘れてしまうほど動揺する。

神戸阪急へ向かう足取りも重苦しくなる。

危険だ。またしてもLVのロゴがある。ここへ入ると言葉巧みに購入させられる。避けて通らなければならない。

店に到着。店員さんと話をするが、全くもって、プロフェッショナルモデルは「ない」の一点張り。

もういいや

諦めることも肝心。でもあまりにも早い。待ち合わせ時間がまだまだあるので、ブラブラする。こういう時は、今まで馴染みのない店に入ってみるのも楽しい。

ということで色々と見ていると、少し前にネットで見た限定モデルを発見!

このワンレンの男性は、スティーヴ アオキという日系アメリカ人のDJ。ブルガリがこの彼をオマージュしたモデル、「ブルガリ アルミニウム スティーヴ・アオキ 限定モデル」が先日発表されたのを目にしていた。その時計が、ディスプレイしてあったので目が止まった。

すかさず店員さんが駆け寄る。

店員:店  /  オサーン:オ

店:「こちら、1本だけ入荷した限定モデルのアルミニウムというモデルでございまして・・・」

オ:「(はい、知ってますよ的に)DJのスティーブアオキモデルですよね。」

店:「えぇ!ご存じなのですか、この方!」

オ:「いや、スティーブアオキとの面識はありません。」

店:「そういう意味では・・・私はこの方のことを知ったばかりで・・・」

オ:「私、時計が好きで私も先日このモデルで知っただけですよ、ニコ」

店:「是非手に取ってご覧になってください。」

ブラックライトを当てると、ダイヤル全体が光り、スティーブ アオキのロゴが浮かび上がるようになっている。アルミニウムは軽くてなかなか良い時計に感じた。でも買わない。そんなすぐに買ってたら生活できなくなる。

オ:「僕、ブルガリならオクトがやっぱり好きなんですよね、オクト」

そういってさっさと立ち上がろうとすると、王将で注文した餃子が運ばれが如く、瞬時にオクトが目の前に。

出てきたのが、オクト フィニッシモブラックセラミックモデル。いや、確かにこれはかなり恰好いい。極薄だ。しかし価格が195万円暴力的だ。オクト、いつか欲しい時計なんですけど。

オ:「いや、良い時計ですけど、価格が価格だけにすぐに買えませんね・・・」

この俺の返事を汲んでか無視してかはわからないが、再びアルミニウムを提案してくる。

店:「このアルミニウムも限定モデルで、凄く爽やかでお似合いになりますよ。」

実はオサーン、「爽やか」に弱いのだ。「腹黒い」とか「汚らわしい」と同僚から言われているせいか、「爽やか」という言葉が刺さる。

ブルガリ アルミニウム トリコロール というイタリアの子供病院へのチャリティーモデルだそうだ。そんなバックグラウンドにも弱い。確かに爽やかな色合いだ。

オ:「確かに今日着けているヒモとの相性はいいですね。」

店:「ヒモって・・・」

気が付けば箱まで用意して事が進んでいる。357,500円・・・ロレックスよりもリーズナブルな価格帯。いや、そういう問題じゃない。

友達からLINEが入っていた。

「朝寝ぼけてたけど、何の話してた?」

どうやら約束なんて覚えてないようだ。じゃ、家に帰ろう。

外に出ると、雨もジャッジャ、ジャッジャ降っていたが、今年の夏は、爽やかに過ごせるかもしれない。ハァ~・・・やっちった。