レアモンクエスト DAY17 上
<長くなるので3部作となります。ご了承ください。>
みなさん、今日も肩にラジカセ担いでいますか?どうもオサーンです、Yo,yo, ワッツァップ!
高々と宣言する。今日は街へ出る。いつもと違って “否” の前フリもない。街へ出るのだ。前日は思わぬ出会いで、ドゥエラー of スカイをゲットしたので調子が良く(前レアクエ参照)、前日からの仕事を何とか徹夜で終わらせ、夜が明けて午前9時過ぎに終業、スーツは堅苦しいので英字新聞のプリントシャツとケミカルウォッシュのツータックジーパンに着替え、ナウいセンスを全面に押し出す。
ロッカールームから階段を降りるときには “Mステ” の音楽が脳内再生され、会社から出るドアを開けた瞬間に “Get Wild” に音楽が切り替わる。最新式のB面に勝手に切り替わるオートリバース機能が私には備わっている。テープはもちろんハイポジです。
実は先日、ランゲブティックから電話がかかってきた。
「とうとう来たか、オデュッセウス!金はないけど何とかするよ!」
と独り言をつぶやきながら電話に出たが、
「オサーンさん。実はオサーンさんが好きそうな時計が急遽見れることになりましたので、お越しになりませんか?恐らく先週あたりにデパートからの招待状も届いているかと思いますので、お持ちになりますと少しお土産もお渡しできますので、どうでしょう?」
という。俺のオデュッセウスのことを一切触れない。でも何かもらえるのか?モノに釣られるほど私は安っぽい人間ではないが、そうも言うなら行くしかない。土産など、どうでもいい。来てくれというので、行くだけだ。一応、大きい物でも困らないように、大き目のカバンを持っていくことにする。土産など、どうでもいい。
しかし考えてみると、何かをもらってから他をウロウロするのは荷物になる。ロッカーに入れるといいのだが、ロッカーもお金がかかる。この数百円の節約が、数百万円の時計へとつながるのだ。「千里の道も一歩から」という。ケチなのではない。その姿勢が大事なのだ。
にしても、ランゲさんは素晴らしい。こんな客の端クレにまでレアな時計が入ったら連絡をくれる。ロレッ○スよ、見習いたまえ!
ということで、ウキウキしたながら電車に飛び乗り来ました阪急梅田本店。
今日は何も買わない。ただ時計を見るだけなので気楽だ。ランゲコーナーに行くと、いつもお世話になっている店員さんが待ってくださっていた。
で、さっそく拝見しますが、これ、ちょっと前に発表された3モデルです!
まずは左から。
これは「1815 フラッハ・ハニーゴールド “F. A.ランゲへのオマージュ” Ref:239.050」というモデル。2020年にランゲがザクセンの地に工房を設立して175周年を迎えた記念モデル3本のうちの1本である。
今回、使われている素材は3本共にハニーゴールドというランゲが専用使用権を持つ特別なゴールド。硬度が何とプラチナの2倍と高く、加工が非常に難しいという。
カタログやHPで見る色味とは少し印象が違い、ホワイトゴールドにみえたり、ローズゴールドにも見えたりと表情が豊かな素材で驚いた。
限定175本で価格は4,114,000円(税込み)だが、もう既に予約で埋まっている。こりゃ欲しくなりますわ。
さて次はこれ。
「1815ラトラパント・ハニーゴールド“F.A.ランゲへのオマージュ”」です。その名の通り、ラトラパント・クロノグラフです。簡単にいうと、ラップタイムが測れるクロノグラフです。
新開発のキャリバーL101.2ですが、息を呑むほどの美しい装飾。そしてランゲでは珍しく文字盤が「黒 × 金」の仕上げ。
100本限定で16,225,000円(税込)という。素晴らしい機構だけでなく、魅せるムーブメントは時計界トップだと思います。
そして最後はこれ。
「トゥールボグラフ・パーペチュアル・ハニーゴールド“F. A.ランゲへのオマージュ”」です。もうわけわかんないぐらい、てんこ盛りの機能です。価格はユーロ表記しかありませんでしたが、500,000ユーロということでした。約6,100万円ってとこでしょうか。アホちゃうか。
このダイヤルのインデックスやインダイヤルなど、植字やセッティングされているのではなく、レリーフ彫りされているんです!12時位置にあるムーンフェイズ周りの細かい星々まで彫り込まれています。どうですか?この文字盤、彫って作っているんですよ!僕が先生なら「美術5」あげます。
ムーンフェイズのお月さんもハニーゴールドで作られています。あと、注目なのが、トゥールビヨンのブリッジです。
パーペチュアルカレンダーを入れるために、ここを曲げているんですって。常識を変えることで、新たなことが可能になるということですね。ここまできたら、よくわかりせん。
厚みはもちろんそれなりにありますが、「よくぞここまでに抑えた」といっていいほどである。
クロノグラフ、ラトラパント、パーペチュアルカレンダー、トゥールビヨン、そしてチェーンフュジーと、一つの腕時計に入れる限界に近いのでは、え?「チェーンフュジーって何?」ってか?
読んで字のごとく、チェーンを使っているんですよ。簡単にいうと、ゼンマイって巻き上がった状態とほどけ切る時とでは、動力(トルク)が違うってことは理解できると思います。これが原因で時計としての精度が落ちるんですが、その動力を一定に保つための機構なんです。でもチェーン使うって・・・もはやチャリです。自走しそうです。中学の時に付き合っていた彼女は、超ロングスカートでチェーンを振り回してました。
とにかく今回は時計の説明が長い!
しかし熱く語りたいほど素晴らしい時計でした。この3本をリシュモンの人でしょうか?今回、東京から運んでこられた方にご説明を受けました。僅かこの日を含めて2日間だけの滞在ということで、再びこの時計と旅立つそうでしたので、
「お帰りの際は、背中に気を付けてくださいね、ヒッヒ」
とお伝えしておきました。
帰りにはこの為に来たわけではないのですが、どうしても持って帰ってくれというので、お土産をいただきました。
でもこれ、シャンパンとかで重たいんですよね。
これ持ってパトロールはしんどいので、梅田2店舗ほどロレックスを回って帰ることとします。だって明日は東京に行くからね♪
まずはランゲを出て同じフロアにあるロレックスへ。阪急からの土産とか持っていると、
「おぉ、この人は阪急のお得意様♡」
と少し優遇してもらえて、何か出てくるかもという魂胆。
「何かお探しでしょうか?」
と聞かれるので、
「あぁ、サブマリーナのコンビとかあったら欲しいっす。」
と伝える。するといきなり険しい表情に変わり、
「今はどの素材のプロフェッショナルも在庫を切らせておりまして。」
という。まぁいい。あってもこっちはカネがない。
そそくさと店を出て、大丸へ。
ロレックスに着くと、久々にお会いする店員さん。私は勝手に「大丸のサッチャー」と呼んでいる。
鉄の女 マーガレット・サッチャー
特に深い意味はありませんが、丁寧な対応をされる方なので好感が持てます。
「サブマリーナのコンビを探しているんですけど、今はどうですか?」
と聞いてみる。
「ありがとうございます。今はどのお素材も・・・」
こう答えるときの表情も、演劇部主将並みだ。許せる。さすがはサッチャー。
せっかく他の店舗も行きたかったが明日もあるのでこの日は帰宅することとしました。明日は朝から東京です。帰ってから、東京での行きたいことろリストと、その行程を考えようと思います。
つづく
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