最高級クロノグラフ比較 パテック・フィリップ vs A.ランゲ アンド ゾーネ

普段、お目にかかることのない雲上ブランドスペシャルなモデル。パテック・フィリップA.ランゲ アンド ゾーネクロノグラフを比較してみたいと思います。実際にオサーンは一度、両方の今回紹介するモデルを手に取ってみましたが、緊張して手がバイブした記憶があります。ホント、”気品“というのを感じました。そんな経験のおかげで、雲上以外のブランドでは全く緊張しなくなりました。

ということで、今回比較するのはこちらのモデルです。

A. Lange & Söhne 1815 Chronograph

 

美しいです。このスケルトンバックなんぞや、見えるムーブメントは、まるで人体のようですね。下の方が小腸で・・・褒めてるつもりです。

Patek Philippe Chronograph 5172G

こちらも何とも美しいムーブメントです。見た目が上品な感じがします。

では、これから比較していきたいと思います。”VS“といっても、勝ち負けではなく、特徴をそれぞれの見ていきたいと思います。

サイズ感・素材 部門

サイズ感

パテック・フィリップ Ref.5172Gケース径41mm厚み11.45mmです。

対してA.ランゲ&ゾーネ 1815クロノグラフケース径39.5mm厚さ11mmです。

パテックランゲよりもわずかに大きいですが、ケースラグのデザインのおかげで、完璧なまでのフィット感を演出。

対してランゲは「肉厚」といえます。印象としては、”丸み“を帯びた感じで、ムッチリタイプです。

パテックプッシャーピストン型で、リュウズよりも出ています。対してランゲプッシャー長方形で、ケースに沿った感じに収まっています。位置は同じなれど、その見た目とフィーリングは異なります。パテックスポーティレトロランゲ古典的伝統的な感じと言えます。

パテックの三段になっているラグ部は、アールデコのスタイリングを連想させますね。ヴィンテージ風の雰囲気を増し、時計の大きさを感じさせません。

ケース素材

ケース素材は時計の個性に大きく反映します。パテック18Kホワイトゴールドを使用、対してランゲは豪華な18Kピンクゴールドを採用しています。スポーティに見えるのは、ホワイトゴールドですね。ピンクゴールドは、ラグジュアリー感が強く出ます。

ジャッジ

パテックは大ぶりな作りなのですが、ランゲよりも手首にフィット、スポーティでありながらデザインをレトロな感じに仕上げています。対してランゲはより風格があり、伝統を感じさせ、豪華なたたずまいといった感じです。

機能性・操作性 部門

機能性

パテックRef.5172G は、長年にわたって愛されてきた Ref.5170に代わり、2019年3月から新たにデビューしたモデル。前身である”Cal.CH 29-535 PS“と同じ自社製手巻きムーブメントであり、ケースの側面にある2つのプッシャーで作動する伝統的なコラムホイールクロノグラフです。

対するランゲは、従来のコラムホイールクロノグラフでもありますが、フライバッククロノグラフという機能を備えています。停止・リセット・再起動を1回の操作で瞬時にできるすごいヤツです。ランゲのもう1つの機能は、プレシジョン・ジャンピング・ミニッツカウンターです。これは、60秒が経過するごとに正確に針が一つ先の目盛りに進む設計になっており、その瞬間にタイムの計測を停止した場合にも間違いなく動作。この便利なメカニズムは、昔の懐中時計や、前世紀の高級腕時計にも使用されていました。しかしランゲの設計技師たちは、そのメカニズムに決定的な改良を加えています。特許技術となっている切替レバーにより、ムーブメントを分解しなくても、分積算計が先に進むタイミングを時計師が正確に調整することを可能にしたのです。

時計の中身に詳しくないと、訳わかりませんが、「メッチャ凄い」で覚えておきましょう。

操作性

前述していますが、バテックプッシャーは、オーソドックスピストン型小型ではあるが飛び出している感じです。対してランゲプッシャーは、大き目長方形となっています。やはりプッシャーの感触は、両モデルとも雲上そのものです。ほんと、張りのある女性のおっ 赤ちゃんの肌を押すような、何とも言えない押し心地ですが、あえて言うなら、ランゲの方がですね。

ジャッジ

ここまでの性能・操作性は、さすがとしか言いようがありません。クロノグラフで人気のあのブランドやこのブランドのそれとは、やはり一線を画します。めちゃくちゃ気持ちいいです。しかしランゲクロノグラフ機能・操作性は、ほかのどのブランドよりもちょっと抜きん出ていると言えるのではないでしょうか。

ムーブメント

パテックフィリップ

Ref.5172Gには、Cal.CH 29-535 PSが搭載されています。 5年の時を費やし、6つの特許を取得した手巻きキャリバー。パテックが使っていたNouvelle LemaniaベースのCal.CH 27-70は、1980年代からクロノグラフに使用されており、誇り高いマイルストーンです。完全自社生産されたキャリバーCH 29-535 PSは、2009年レディースモデルでデビューし、1年後の2010年にはメンズモデルRef.5170J“でデビューしました。最新の4Hz / 28,800vphの周波数で動作し、65時間パワーリザーブを持つムーブメントの直径は29.6mm、リーンハイトはわずか5.35mmです。パテックフィリップシールの使命に合わせて細心の注意を払って仕上げられた、コートドジュネーブ装飾ペルラージュゴールドシャトン、完璧に仕上げられたレバー、その全てが芸術品です。

A. ランゲ アンド ゾーネ

1815クロノグラフも既存のキャリバーを使用し、ダトグラフで使用されている同様のムーブメントであるL951.5が装備されています。ランゲの特徴的な手作業で贅沢に仕上げたムーブメントの構造は、複雑でありながら優雅という言葉が似合います。視界を遮るプレートがほとんどないため、フライバッククロノグラフを心行くまで堪能できます。2.5Hz / 18,000vphで、60時間パワーリザーブでビートを刻むこのムーブメントの直径は30.6mm、厚さは6.1mmです。

ジャッジ

パテックCal.CH 29-535 PSは、ランゲL951.5よりも現代的技術的に優れたムーブメントです。しかしランゲL951.5構成雄弁な仕上げは間違いなく優れています。パテックムーブメントは、パテックフィリップシールを取得するのに十分な装飾は施されていますが、ランゲハイレベルな手仕上げと視覚的な複雑さには劣っているのではないでしょうか。

価格

Patek Philippe Chronograph 5172G・・・・8,672,400円

A. Lange & Söhne 1815 Chronograph ・・・6,220,800円

まとめ

世界三大時計という括りにしてしまうと入っていないドイツブランドランゲ。しかし雲上ブランド一翼を担う大事なブランドである。対して、「王の中の王」という風格のパテックは、誰もが認めるトップブランドである。

しかしそれぞれの素晴らしいところは、やはり違います。パテックの得意とするところ、ランゲの得意とするところは、それぞれの方向性が全く一緒ではないはずなので、違うはずです。

オサーンはなぜかランゲに憧れがあります。どうしてもランゲ贔屓になっているかもしれません。しかし、この最先端技術ではないクラシックなところがランゲの魅力です。

反対に、パテックには他とは違うオーラがあります。例えるなら、「北斗の拳」のラオウ、「ボクシング界」なら井上尚弥のような圧倒的な存在感。それは、他にはない「魅力」というとてつもない「引力」があります。

大変失礼ながら、雲上ブランド2モデルを比較させていただきました。