【新作】Patek Philippe カラトラバ トラベルタイム Ref.5224R-001

パテックフィリップのような雲上ブランドを身にまとう人達にとって、デュアルタイムゾーン機能は、間違いなく時計の持つ便利な機能の1つでしょう。とはいえ、複数の時間帯を表示する方法はいくつかあり、ライフスタイルや時計の使用方法に応じて、それぞれの方法に長所と短所があります。多くは4針GMTをイメージしますが、パテック フィリップは違うアプローチを仕掛けてきました。今年の Watches & Wonders Geneva 2023 で発表された新しいカラトラバ、かなり恰好いいと思います。ピンクゴールドのケースとブルーの文字盤が特徴の新しいパテック フィリップ カラトラバ トラベルタイム Ref.5224R-001は24時間表示を採用し、これまでによく採用されていたデイ/ナイト表示が不要になりました。また、ケースの側面にボタン類が必要ではなくなり、スッキリとした仕上がりになっておます。

2019年に発表されたカラトラバ ウィークリー カレンダー Ref.5212A-001にインスパイアされた今回のカラトラバのケースは、カーブした段付きのラグを特徴とし、ケース経42mm、厚さ9.85mm。ドーム型のサファイアクリスタルがベゼルの端から少し出ていることを考慮すると、時計全体の厚さは10.2mm ほどになるようです。滑らかなポリッシュ仕上げのベゼルは美しく、時計の裏面も美しく仕上げられたムーブメントが見えるシースルーバック。リューズを除けばケースにはボタン類がなく、かなりスッキリしています。ということで、Ref.5224R-001は、控えめに言って最高ではないでしょうか。

左:2019年発表 Ref.5212A-001  右:2023年新作 Ref.5224R-001

文字盤をみると、カラーはネイビーブルー。中央部分には円形のストライプ、アワー マーカーを含むリングは円形のサテン仕上げが施され、6時位置のスモールセコンド はスネイル仕上げでローズゴールドで縁を囲っており、文字盤の仕上げだけでも見とれてしまう。スモセコ内の針は小さくて白く、特徴的な注射器のような形の3本の針でデュアルタイムを表示させています。これらの針も18Kローズゴールドです。

新しいキャリバー 31-260 PS FUS 24H 自動巻きムーブメントは、ブランドの伝統的なトラベルタイムのコンセプトをより進化させ、24時間表示のレイアウト。振動数28,800vph (4 Hz)、パワーリザーブ約48時間、44石の Cal. 31-260 PS FUS 24H は、シリコン製のSpiromaxヒゲぜんまいと、プラチナ製のマイクロローター。ローターにプラチナが使用されているのは、プラチナがゴールドよりも重く、ムーブメントの巻き上げ効率が向上するためです。

ムーブメント自体は確かに印象的で美しく仕上げられていますが、おそらくこの新しいキャリバーの最も興味深いディテールは、パテック フィリップの他のトラベルタイム ムーブメントと同じ機能を持ちつつ、すべてが一つのリューズから直接操作できることです。アクアノート トラベルタイムのように、ケースの9時側に一対のボタンを配置するのではなく、リューズの中間位置で回転させると、ローカルの時針を1時間単位で前後にジャンプできます。

カラトラバ Ref.5224R-001はかなり高価な時計であることは間違いありませんが、ノーチラスやアクアノート トラベルタイムがすでに二次流通では恐ろしいプレミア価格を叩き出していることを考えると、今回の新しいカラトラバも、トラベルタイム機能を持つ上記のスポーツモデル同様、どれだけのプレミア価格となるのかは、大変興味深いところです。

「ちょっと大きい」とか言う方もいますが、そんなの気にならないぐらい、恰好いいモデルだと思います。

ケース径 42mm
ケース厚 9.85mm
ケース素材 ローズゴールド
防水性 3気圧
文字盤 ネイビーブルー
ムーブメント 自動巻き
キャリバー 31‑260 PS FUS 24H
機能 デュアル・タイムゾーン
現地時刻と出発地時刻表示
24時間表示
スモールセコンド
ストラップ
ヌバック仕上げのハンドステッチ
(ネイビーブルー・カーフスキン・バンド)
ピンバックル。
価格 7,711,000円