日々是、思ふ 其の肆拾玖

「日々是、思ふ」は、オサーンがちょっと時計とは関係ないこと(時には関係あること)、思ったことを綴る時事的コラムです。基本的には私の屁理屈が多く、発信して自己満足するところです。

まずは下記のニュースです。

葉梨元法務相が発言「死刑のハンコを押す地味な役職」

数日に渡りニュース報道されていたのでご存じの方も多いかと思いますが、このニュースに対して日本の報道に大きな怖さを感じた。この発言に対しては大臣として不適切で不適格だと強く感じたのですが、実際、この元法務相が発言した内容は、

「朝、死刑のはんこを押し、昼のニュースのトップになるというのはそういう時だけという地味な役職」

という内容でした。そして冒頭でリンクを貼った先はテレ朝ニュースです。記事のタイトルは、

「死刑のハンコを押す地味な役職」

と大きく違うのは理解できるでしょうか?本当の発言を国語的に読み取ると、「死刑のハンコを押すことは派手な仕事なので押した時だけニュースになるが、その他のことをしてもニュースにならない地味な役職だ。」というニュアンスで間違いないと思う。しかしテレ朝ニュースでは、「ハンコを押すだけの地味な仕事」というニュアンスに字面だけでは読み取れてしまう。そしてこのニュースを見た人たちが、

「死刑のハンコを押すことが地味だ、という発言はけしからん!」

というコメントを多くしている。どちらの内容にしても、大臣としては不適切なのは間違いないが、今回の論点はそこではなく、報道が事実を誤認してしまう意味のタイトルを出すことの危うさです。スポーツニュースで負けたチームのニュースを “勝った” と報道するのと同じだと思う。なぜなら、”ハンコを押すことは目立つ職務” と大臣は言っているからです。

今回のこの発言をした葉梨法務相はこの発言をした結果、辞任することとなり、私個人の感想としては “当然” と思うのだが、ニュースをセンセーショナルで人目に付きやすく湾曲させるという点では、報道というものの信用を大きく落とす内容だと思う。事実を正しく発信できる国にいるのにもったいない。

どちらの意味にせよ、大臣の発言としては辞めるに値するから記事に対して批判が出ないが、世の中にはこういった全く読み手がミスリードされる内容のニュースが溢れているんでしょうね。こんな記事を書いた大企業の報道機関が、全国民に発信しているとは本当に恐ろしい。大丈夫か、国語力。