日々是、思ふ 其の参拾漆

「日々是、思ふ」は、オサーンが普段の生活で感じたことを、誇張して表現する場です。

実は、「レアクエ」を書こうと思っていたのですが、ロレックスは全て空振りで収穫がなく、楽しい時間を過ごした時計屋さんでは話に熱中のあまり全く写真を撮ることがなく、ある時計ブランドでは表に出せないモノを見せてもらったけども、表に出せないので記事にできないということで断念した次第です。

で、ちょっと気になったニュース記事があったので、思ったことを書いてみたいと思います。知らない人も多いと思いますが、関西ローカルニュースです。ニュースの内容は「隣の学校はUSJ行ったのに!」という記事です。

ニュースの内容をかいつまんで言うと、

このコロナ禍で修学旅行が予定していたところに行けなかった兵庫県の中学校。教育委員会からの「近場で日帰り旅行をしてほしい」という要望を踏まえ、各中学校が行先を判断。ここで相生市立那波中学校は、県内のリゾート施設に行った。それはそれで楽しい時間を過ごしてよかった。しかし隣の中学校は、なんと大阪のUSJに行った。これを知った那波中生は不満爆発。「何でワイらはUSJ行けへんだんや!ゴウ湧くわ!(播州弁)」となった。

という。ここで一つ、僕が感心したことがある。この不満を不満だけでお終わらせなかった生徒会だ。この那波中学校の生徒会は、教育委員会に説明を求めた。この行動力は凄いと思う。相当USJに行きたかったのだろう。気持ちは良くわかる。僕なら教育委員会の前で生徒全員集めて暴動を起こすかもしれない。中学生にとってのUSJとは、そんなところだ。那波中生徒会の方々は、大人だと思う。

結局のところ、この行先は学校内で決定したのだが、「県内で」と考えて決定した学校と、「関西圏で」と考えて決定した学校の違いである。コロナ禍での移動は、かなりのリスクが伴う。大切な生徒を預かる学校側としてはそのリスクを少しでも抑えるため、移動距離は最小にしたいだろうし、人の多いところにはできるだけ行かせたくない。もちろん生徒達の希望も汲んでやりたい。総合的な判断で、各学校で重要視した部分の差が出たということだ。

でもこれって、人生に於いて凄く良い教育材料じゃないか?だって、この両校の判断は決して教育委員会からのお達しに反しておらず、それぞれの判断で感染対策をしっかり行って、無事に帰ってきている。この問題には、正解なんてない。

大人になって世の中に出たら、学校で出されるテストのように答えがハッキリとある問題ばかりではない。”答え” のない”問題” が山ほどある。この答えのない問題を抱えて社会では生きていく。我々はそれを理不尽だったり、不公平だったりと嘆き、ボヤキ、我慢し、人によってはキレる。でも答えがなくても解決していかなくてはならない。その方法の一つに、「話し合い」というのが大きなウェイトを占めていると思う。賛成・反対を話し合い、ぶつけ合う。答えのない問題に対して、この作業を行い一つの答えのような “方向性” を導き出すことは、容易ではない。

この学校の修学旅行は終わってしまった。今回のこの修学旅行の問題を教育委員会は「それぞれの学校の判断」だけで終わらせるのではなく、大いに教育材料として活用していくべきだと思う。修学旅行に行きたい人だけではない。様々な理由で行きたくない人にとっては、この「日帰り」という結果に救われたかも知れない。

「正解のない問題」に対して、自分たちなりの答えを出す。生徒達は、答えを求めて行動を起こした。では、大人側、教育者側はそれを素材として教育ができれば、また新しい日本になっていくのかも知れない。

と、仕事をサボりながら思った師走の日曜日。