日々是れ、思ふ 其の弐拾肆

日々是、思ふ」は、オサーンがちょっと時計とは関係ないこと(時には関係あること)、思ったことを綴る時事的コラムです。社会派ハードボイルドとでも言うべきか。100人に1人でも共感してもらえれば本望です。
基本、「オサーンの愚痴の掃き溜め」である。

最近、ルンバでもクリアする段差に蹴つまずいてしまうオサーンです。

まだまだ人事異動の影響で忙しいのですが、少しずつ開放されつつあります。が、まだまだ忙しい日々が続きそうです。
私の仕事のスタイルは、「自分が所属する課の全て(末端まで)の業務を経験して、理解し、マスターする」をモットーにしているので、全く畑違いの課に来ると大変です。入社2〜3年目の新人くん達に業務を教わりながらの日々です。彼らの仕事内容や苦労を知らずして、100人近い課の人間に何も指示やアドバイスはできませんからね。彼らのハートも掴めて一挙両得というやつです。フラフラですが・・・

 

動物の話になるが、「異種間による交雑」というのがある。これは、違う種類の生き物が交配し、子を育んだりすることだが、「自然界には色々とある」という話を京都大学の教授(ウチの子の同級生の父親)とお話しする機会があり、聞いた。

基本的には、「異種間の交雑」は有害なものという。しかし、その生き物が自ら考えて異種と交雑する判断をすることがあるそうだ。

プレーンズ・スペードフット・トード(Plains Spadefoot Toad)というカエルがアメリカやカナダに住んでいる。

Plains Spadefoot Toad

このカエルのメスは、メキシカン・スペードフット・トード(Mexican spadefoot toad)と呼ばれる違う種のカエルと交雑するらしい。こう聞くと、「同じカエル同士だから、別におかしくない。」と思うのだが、そうではないようだ。なぜなら、弊害が大きいからである。神は違う種との交雑にはペナルティを与えている。

Mexican spadefoot toad

その弊害とは、この二種間から生まれたカエルのオスは、子孫を残せない。言わば、”種なし” が決定付けられているのだ。植物の世界でも「F-1種」として有名な話だ。この二種間から生まれたメスはと言うと、同種間から生まれたメスよりも卵を産める数が明らかに少ない。しかしこの「明らかに少ない」というのがポイントなのである。言い換えれば、この異種交雑で生まれたメスのみ、子を残す可能性を持っているということだ。自然界を見ると、普段は同種の交配が不可能な状態のときに行われる行為のようである。言わば、「子孫を残すための最後の切り札」が、異種交雑だ。

ではなぜ、わざわざプレーンズ・スペードフット・トードのメスは同種がいても、異種のメキシカン・スペードフット・トードとの交配をするのだろうか。そこには「生き物の持つ使命」というのがある。

何のために生きているのか?」という哲学的な話があるが、生き物全ての使命は「己の種を残す」ことが “真の目的” なのではないだろうか。ということは、種をメスにしか残せないにもかかわらず、このカエルのメスは卵から生まれるメスにだけ何かを託すのだ。その理由とは。

このカエルの生息地は、すぐに乾いてしまう水場に住んでいるモノが多いらしい。オタマジャクシは乾燥してしまったところでは生きていけない。しかし交雑して生まれたオタマジャクシは純血のオタマジャクシよりも成長が早いということがわかった。ということは、驚くことにこのプレーンズ・スペードフット・トードのメスは、この事実を知っているのだ。

そう、このカエルのメスは、自分の住んでいる水場が乾燥しそうだと思うと、子供の成長が早い交雑を選ぶ。次の代はメスしか命を繋げないが、全滅を防ごうとするのだ。その証拠に、乾燥の心配がない地域に住むこのカエルのメスは、交雑をしないことがわかっている。自然界に生きる動物たちは、「命を繋ぐ」ということに誠心誠意向き合って生きているのだ。

 

私も「種を残す」という点では誠心誠意、向き合っている。新型コロナウイスルの影響もあり長らく行っていないが、そんな遺伝子的な命令で私は「お店」へ行ってしまうのだろう。DNAの命令には、私は逆らえない。