日々是、思ふ 其の参
「日々是、思ふ」は、オサーンがちょっと時計とは関係ないこと(時には関係あること)、思ったことを綴る時事的コラムです。社会派の一面を持つオサーンが関西代表としての発言をします。100人に1人でも共感してもらえれば本望です。
基本、「オサーンの愚痴の掃き溜め」である。
世間では「ラグビーロス」とかなる言葉が出ているようだ。なんだそれは。年代的に、ダイアナ・ロスは知っている。しかしどうやら違うようだ。どうもにわかファンで盛り上がったラグビーW杯が終了したことに、心の穴が開いた状態を表しているようだ。私も多分に漏れず、にわかファンである。
「これからどうしていいかわからない。」
というラグビーにドップリつかった芸能人もいるようだ。一般人も多くいるだろう。心に穴が開いたようだ。
しかし気に食わない。テレビをつけるとラグビー選手が軒並み現れる。それは4年前のラグビーW杯で大活躍したラグビー選手、五郎丸 歩選手の時以上の出演である。
ヨメーンが言う、「偉いねぇ・・・」
「いや、俺も負けずに一生懸命生きている。そんなそこらのヤツには負けないぐらい一生懸命生きている。」
と夫は小声で畳の目を数えながら言う。
「偉いねぇ・・・」まるで”偉いねぇ“をマスターしたオウムのように繰り返している。
「・・・偉いよ・・・」
夫も小声で同調してしまうしかない。
彼らラグビー選手の生い立ちや学生時代のこと、代表に選ばれてからの苦労を短時間に凝縮された映像が流れる。しかし夫はそれが無性に腹が立つ。
「ええんか、夫婦がこんなことで、ほんまにええんか!」
聞こえるか聞こえないかのボリュームを探りながら発信してみる。「俺も一生懸命生きている」と自分で言ってしまう辛さを分かってくれないのか。見ず知らずの、しかも好きでラグビーやってる奴らを褒めて何か得するのか。
再び夫は横を見るが、全く受け入れ態勢は整ってないようだ。ここは夫日本代表として説得する必要がある。ヨメーン、よく聞け。
「そんないつ何時できなくなるかも知れないことをしてるより、例えば市役所の戸籍係の方がステキと思わんのか?住民票をコピー機からさっそうと取り出し、間違いがないか的確に確認し、『○○さ~ん』とビブラートを利かせて呼び、さっと渡すあの凛々しい右腕、それにゾクゾクしないのか?市役所の戸籍係の妻で良かったとか思わんのか?
例えば、赤くピカピカ光る棒を持った警備員、スピードを出して向かってくる車に対して『我、この先は通させぬ!』と身体一つで鉄の塊である車を止める。あぁ、警備員の妻で良かったとか思わんのか?これでこそ、夫婦というものがろうが!」
この魂を揺さぶらんとする叫びに、ヨメーンもテレビから目を離す。届いた。夫日本代表の声が届いた。
「ベッカムってめっちゃいい歳の取り方してるよね・・・」
オサーンの持っているTUDORのカタログをいつのまにか見ている。
「ベッカムよ、あんたの持ってるカタログ、ほれ」
「でも市役所の戸籍・・・」
「現役引退しても年収何十億なんでしょ、凄いねぇ・・・」
「いや、俺だってロト6で4つ揃ったこと3回もあるし、ボウリングでターキーを1ゲームで3回出したこともある。」
夫は激しく抵抗する。そのときのスコアを探しに部屋へ戻るが見つからない・・・
「ベッカムって家族思い想いなんだって。こんなにお金持ってて、家族想いって、偉いねぇ・・・」
「・・・偉いよ・・・」
どうやらウチのヨメーンはラグビーを全く観ていなかったが、W杯終了後に出てくるラグビー選手物語の方を好んでいるようだ。ラグビーロスではなさそうだ。安心した。
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