MIH Gaïa Watch

MIHMusée international d’horlogerie)ってご存じでしょうか?これは、ラ・ショードフォンにあるスイス最大級の国際時計博物館のことで、4500点以上の時計コレクションを誇っています。1974年に開館したのですが、元々は19世紀末の時計学校の中につくられた資料館を利用して作られました。

博物館には、歴史的な時計を修復するための専門のアトリエが併設されており、ガラス張りになっていて工房での修復の様子も見学できるそうです。

このMIHは、”時計界のノーベル賞” と言われる時計業界で最も才能のある人たちを選ぶガイア賞」を主宰している権威あるところです。この賞を受賞すれば、「ガイア賞を受賞した時計師」という紹介が付くほど時計界では重要な賞です。

そんな権威のあるMIHが時計を作ったらどうなるか?すごく興味が湧きませんか?実は既に2006年から3年間、一つのモデルだけですが時計を制作していました。その名も「MIHウォッチ」というそのままのネーミングで、限定生産。

それから約10年、2作目となる新作を発表しました。それが今回ご紹介する時計、MIH ガイアウォッチ です。

何ともシンプルですけど、ユニークな時計です。2枚のディスクで時と分を表示する感じです。これまたちょっと興味が湧いてきますね。

前作・今作とどういう意図で時計を制作しているのかというと、博物館が保有している図書室の古い本や資料の管理を支援し、歴史的に重要な時計の修復資金に充てるためだといいます。前作の価格が6,000スイスフラン約70万円)だったのに対し、今回は2,900スイスフラン約34万円)と機械式時計としては手ごろな価格の設定となっている。しかも早目に予約した人は、500フランの値引きがあったといいます。いろんな時計を見すぎて、全くノーマークでした。期を逃しました。

初回生産分の200本は完売しましたが、また追加製造されるもようなので、次こそは要チェックしておきたいところです。やっぱりこういった権威のある団体が時計の製造もするということ自体が稀だと私は思いますし、ましてや、ヘタのものは作れないですよね。

しかしその辺りはしっかりと考えているんです、このMIH。時計の製造にあたって、ラ・ショードフォン近郊のメーカーを巻き込んでいるという。これなら、だれも文句を言えないですよね。みんな「さすが、スゴイっすねぇ」ってゴマスリスリするしかないんです(そんなことはないと思いますが・・・)。
逆に、買う側からしたらちょっと興奮します。なぜなら、その分野のエキスバート達が1本の時計に携わるオールスターモデルのようなもんです。

ダイヤルはかつてロレックスなどに供給していたシンガー社や、それぞれの一流で作り上げているということだけでも希少価値がありますね。

ケースバックの小窓からは、”Musée international d’horlogerie” と刻印されたローターが見える。そしてバックルには、”47°06’03” N / 06°49’48” E” と刻印されている。

この刻印は、MIHの場所を示しているという。ちなみにバックルは、”Cornu & Cie” というところが製造しています。

マニアウケする時計ってやつですね。欲しいっ!

ケース径 39mm
ケース厚 9.74 mm
素材 ステンレススチール
クリスタル サファイヤ
防水 30m
ムーブメント Sellita SW400-1 自動巻き
機能 時・分
パワーリザーブ 38時間
振動数 28,800/h (4Hz)
ストラップ カーフスキン・ステンレスピンバックル
限定 200本(初回売切れ)・追加版発表予定
価格 2,900スイスフラン(税抜き)