【新作】ルイ・ヴィトン ヴォヤジャー スケルトン Ref. Q7EN1K

さかのぼること2022年11月末、ルイ・ヴィトンの方からこんな僕みたいな細客になぜかお声が掛った。

「実は来年、素敵な時計が出るんです。時計好きのオサーンさんなら、きっと刺さると思うのですが、数量限定なので抽選の申し込みという形になりますが、いかがなさいますか?」と画像を見せられた。しかしその時は価格が未定で素材がプラチナ製ということだったので、到底僕は購入することが難しいと判断し、後ろ髪を引かれる思いでお断りした。

そして、そのモデルが登場してきました。やっぱりええなぁ…

約10年前、ルイ・ヴィトンは「ラ・ファブリク・デュ・タン」を買収し、ウォッチメイキングアトリエ「ラ・ファブリク・デュ・タン ルイ・ヴィトン」として本格的な機械式時計の開発に力を注いできました。それ以来、これまでハイエンドウォッチブランドに肩を並べる技術を駆使し、しかもファッションブランドとしての多角的な視点からデザインされた、興味深いモデルを発表してきました。

左:タンブール カルペ・ディエム ミニッツリピーター 右:タンブール オペラ オートマタ

上記のモデルはルイ・ヴィトンらしく、一言でいえば “ゴージャス” やある意味 “贅沢” といった印象を持つスペシャルなモデルでした。しかし今回発表されたモデルは、ルイ・ヴィトンらしさを出しつつも派手ではなく、しかしハイエンドウォッチメイキングを感じさせるモデルに思えます。

ルイ・ヴィトンの最上位のコンプリケーションは、確かに1億円を超えるようなユニークピースなど目を見張るものがありますが、よりシンプルで通常の生産ラインとして作られるハイエンドモデルとしてのスタートが、このヴォヤジャー スケルトンから始まるように感じますし、期待しちゃいます。

スケルトンのシルエットが半端なく恰好いい

確かに、700万円ちかくなので手頃な価格の時計ではありませんが、雲上ブランドの時計ならビックリするような価格には感じません。 なんせ、このオープンワークのLV60 ムーブメントのスタイリッシュさは、群を抜いて恰好いいです。

ムーブメントを見て感じることは、香箱に “LOUIS VUITTON” と見てとれるのですが、至ってシンプル。ルイ・ヴィトンは、「いかにもルイ・ヴィトン」というデザインか、「LVとは感じない」という落差のあるデザインが、私にとってのギャップ萌えポイントです。

「ラ・ファブリク・デュ・タン ルイ・ヴィトン」が構想を練り、スピークマーリンの姉妹会社であるムーブメントメーカーの「Le Cercle des Horlogers」が製作を手掛けたこのキャリバー LV60は、ルイ・ヴィトンの美しいデザインの店舗や米国の建築家であるフランク・ゲーリーが設計した美術館「フォンダシオン ルイ・ヴィトン」から着想を得ているようです。

左:ソウルにある旗艦店 右:パリにあるルイ・ヴィトン財団美術館

 

また、キャリバーが「Le Cercle des Horlogers」製作ということで、スピークマーリンのキャリバーと同様のレイアウトだったりしますが、ブリッジなどのデザインは、ルイ・ヴィトンらしい雰囲気を感じさせます。

文字盤はシースルーのベースプレートに、ブルーのミニッツリング。細部にわたるまで丁寧に面取りされているブリッジなどが顔を覗かせます。ケースは 、かつて発表されたハイエンドモデル、Flying Tourbillon Poinçon de Genève のケース デザインを継承しており、ケース径41mm、ケース厚9mmとなっています。

Flying Tourbillon Poinçon de Genève

これ、ステンレススチールとかで作ってもらえませんかねぇ・・・

ケース径 41mm
ケース厚 9mm
素材 プラチナ製
防水性 50m
キャリバー LV60
振動数 28,800 振動/h(4 Hz)
パワーリザーブ 48時間
ストラップ アリゲーターストラップ
限定 150本
価格 48,000ユーロ(約700万円)