2023年におけるスイス時計ブランドの売上げを考えてみる
スイスの時計業界に於けるランキングを何年かさかのぼってみてみようと思います。今回もいつもお世話になっているモルガン・スタンレーとLuxeConsultというラグジュアリーブランドのリサーチなどを手掛ける会社が独自にランク付けした統計を使わせていただくことにします。ブランド側からの報告ではなく、推定販売収益によるランキングとなっています。モルガン・スタンレーは市場シェア、販売数、売上高などの情報を独自に見積もり、データとして公表しております。ということで、さっそくチェックしてみたいと思います。 ※拡大するかクリックしてください
上記のランキングは、収益や販売数などを総合的に順位付けしております。このランキングを見ていると、上位3ブランドの中でロレックスは安定のトップをキープ、カルティエとオメガ入れ替わることがあり、オーデマピゲ、パテックフィリップも安定的に上位に食い込んでます。そして目につくのがリシャールミルとブライトリング。リシャールミルは製造数がかなり少ないブランドながら、その希少性が今ではコレクターに大人気。1000万円を超えるモデルが多く、そんな価格でも売れてしまう雲上ブランドです。そしてブライトリングは地道に自社ムーブメントを開発してドンドン顧客数を増やし、売上げを伸ばしているようです。
対して、ティソやロンジンが順位を下げる形となっているが興味深く、商品単価の安いモデルを多くラインナップしているブランドよりも、100万円以上のモデルが多いブランドの躍進が目立つ恰好となっています。
そして下の表は2022年の売上げトップ10となっています。
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モンスター企業、ロレックスは1兆円を超えており、2位カルティエの3倍以上。市場の29%を占めているということです。ブライトリングやヴァシュロンコンスタンタンがトップ10に入っているのは、製造本数を増産し、それに伴う売上げが上昇したということのようです。
そしてこのグラフには入っておりませんが、2022年はスウォッチが SWATCH X OMEGA MoonSwatch というコラボモデルを発売し、これが大ヒット。グループ内とはいえ、ハイブランドのオメガとカジュアルブランドのスウォッチとのコラボは市場に与えた衝撃は大きく、2022年のスウォッチは売上げが90%上昇し、スウォッチグループとしては2022年、合計490万本の時計を販売したと言われています。これからの時計業界の新しいスタイルの一つとして、このコラボは大いに意義のあった特別なモデルだと言えるでしょう。
時計市場はロレックスとスウォッチグループの両輪が勢いよく回っていることが、その業界全体の底上げにつながっているもので、さらにロレックスは2022年に約15万本の増産をしてます。
凄い数を作って、さらに増産しているロレックスですが、不思議なことに買いたいときに買えないブランドなんですよね。
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