パテック・フィリップは現実的な投資財なのか?

こんにちは、ROLECKSこと山田です。私は正直に言って時計を投資商材として接している部分が半分以上と言って過言ではありません。時計好きの方にはかなり非難されるかも知れませんが、物との接し方は人それぞれです。私にとって大切な物でも、他人にとってはガラクタ同然の物もあるでしょう。

偉そうなことを言って恐縮しますが、続けます。

時間を知りたければ電波時計で十分で、そうでなくても1000円も出せばクオーツ製のほとんど時間が狂うことのない時計が買えます。ロレックス、中でもプロフェッショナルモデルを買う人は、その時計の持つスペックを体感できているでしょうか?その機能を駆使しているでしょうか?恐らく99%以上の人にとってオーバースペックなはずです。

そこには「実用性」という言葉がありますが、一般の人にとっての「実用性」は、ロレックスでなくても十分事足ります。それはブランドの “売り文句” の一つであり、購入者側の体裁の良い “買い文句” だと思っています。

実際には、そのステータス性デザインリセールバリューがその購入理由で、スペックでの「実用性」はほぼ皆無ではないかと思っています(仕事で使いやすいという意味での実用性はあると思います)。それは、全く悪いとは思いません。その人気たるや凄いもので、リセールバリューの高さから、購入までのハードルが高いですね。

では、ロレックス以外でそんな時計はないものか・・・オメガやごく一部の時計ブランドには存在するかもしれませんが、あまり目立つものは見当たりません。

しかし世界最高のステータス性を誇る時計ブランド、「パテック・フィリップ」はどうでしょう。ロレックスは時計を知らない人でも”ルイヴィトン” や “エルメス” 等と同様に認知されているブランドです。少なくとも私の周りに「パテック・フィリップ」を知っている人間はおりません。ブランド名ではなく、ただの人名だと思っている程度です。それは生活レベルにもよるかもしれませんが・・・とは言うものの、明らかにロレックスよりも時計業界内で一番尊敬されているブランドだと思います。

ではこの2つのブランドを見た時に、何が違うのかを考えたいと思います。正規店に行ってもプロフェッショナルモデルがないと嘆いていますが、ロレックス年間約100万本の時計を製造しています。正直言って、”雲上“と呼ばれる時計ブランドと比較すると、「大量生産」と言えます。

対してパテック・フィリップはどうでしょう。創業以来、約180年ほどになりますが、これまでに約100万本しか製造していません。パテック・フィリップは、入手可能な最高レベルの素材で作り、手作業で組付けられます。そうなると、ロレックスのような製造本数には到底なりえません。1つのモデルに1年以上のプロセスが費やされることもあります。何といっても、コンプリケーションモデルを最も得意としているブランドなので、当然といえば当然です。

それを考えると、制作コストが全く違うことがわかります。エレガントで美しく、シンプルな作りであるパテック・フィリップの「カラトラバ」はエントリーモデルとして位置していますが、200万円近い価格設定です。一般的なモデルでも、500万円〜1000万円となっています。

そのブランドの美学や哲学は一国の王やセレブから愛され、時計界の食物連鎖の頂点に君臨していると言っても過言ではありません。

では、投資としてパテック・フィリップを購入する場合、どうすべきなのでしょうか。ロレックス同様、やはり人気モデルが存在しておりますが、正規店で購入するには(一般人にとって)現実的ではなく、それはロレックスの比でではありません。しかし今の時代、様々な情報を世界中から収集することが可能であり、やはり闇雲に「どのモデルでも買っていい」というものではありません。

そうなれば、やはり情報を多く持っている人と繋がるのが近道だと思います。パテック・フィリップの正規店へ足を運び、流通について聞く、並行店に行って最近売れたモデルを聞いてみるということも一つでしょう。顔見知りになるということも、重要な要素ではないかと思います。そこに、自分の好みのモデルがオーバーラップした時は・・・金額次第ですけど・・・最高の趣味と実益を兼ねた投資モデルとなるでしょう。

私なりではありますが、パテック・フィリップ投資の導入モデルを考察してみました。

 

ノーチラス

言わずと知れたこのモデル、ノーチラスは、高級時計としては一番有名な形の一つではないでしょうか。時計好きなら一目でわかるこの形。天才デザイナー、ジェラルド・ジェンタ氏によってデザインされ、1976年に誕生。今や世界中のトップクラスのセレブやスポーツ選手に愛用されている、ラグジュアリースポーツの象徴的なモデルです。

Ref.3700というステンレスのシンプルな三針時計で登場し、潜水艦ノーチラス号の舷窓からインスパイアされた特殊な八角形のベゼルとケースサイドに”“のような出っ張りがある、当時としては異様なモデル。文字盤には船のデッキをイメージした縞模様が施され、ステンレスだけではなく貴金属素材コンプリケーションモデルもラインナップされるように。

今や世界で最も人気のある時計の一つであり、そのウェイティングリストも”10年以上” という正規店ではなかなか買うことのできないモデルです。予約も今はほとんど受け付けていないと聞いていますし、パテック・フィリップの購入履歴のある人のみが買えるという「購入制限」も導入されるような話も聞きました。

ロレックスプロフェッショナルモデル同様、並行市場では類を見ない価格の上昇を続けています。数年前までは200万円程度で並行店で購入可能だったのが、2020年には800万円~といった感じです。

白文字盤製造終了アナウンスがあり、ますます購入のハードルは上がっています。今の1000万円を切る並行価格、投資としてはまだまだ熱いかもしれません。

カラトラバ

1932年に誕生したカラトラバは、最もシンプルであり、パテック・フィリップの美学と哲学が詰まったモデルで、「永遠のクラシック」としてブランド代表作の一つとなっています。他のモデルとは大きく異なり、時代の流れに全く左右されないデザインで、一番これから先の動向が予測不能なモデルでもあります。

1970年代に登場したRef.3590″ジャンボ”は、特にヴィンテージモデルとして人気があります。しかしドレスウォッチということもあり、並行市場を覗いてみると比較的購入しやすい金額となっています。

新品を買う場合も、正規店で購入することができる現実的なモデルであり、ロレックスでいうところの「デイトジャスト」のような立ち位置です。しかしこれもやはり製造本数の少ないモデルなので、希望のモデルが常にあるか、と言えば答えは「ノー」です。

手巻きのRef.5196G2,640,000円。長期目線ならこれも十分にいいと思います。

何と行ってもパテックです。ステータス性は群を抜いてます。

パーペチュアルカレンダー

モデル名ではありませんが、パテック・フィリップが最も得意とするコンプリケーション技術の一つです。

1925年に腕時計としては初めて永久カレンダーを搭載させ、今後、日付の調整が必要となるのは西暦2100年。それまでは閏年も計算しながら時を刻む凄い機構を小さい時計に閉じ込めています。

特に「ノーチラス Ref. 5740/1G-001」は、ホワイトゴールド製でノーチラス×パーペチュアルカレンダー搭載という、すごい組み合わせです。国内定価14,267,000円ですが、実勢相場は2000万円を上回っています。この価格なら(私は無理ですが)まだ「買い」だと思います。

現行の最もリーズナブルなパーペチュアルカレンダーは、Ref.5320Gです。定価は9,922,000円。並行店でみると、700万円辺りで見つけることができます。これも製造期間がどうなるか、原材料の高騰による価格改定などもこれから相場が上がる要素というのが多くあります。

 

パテック・フィリップの時計はどのモデルも希少で、その資産性は非常に高いと断言できます。それはいつの時代のどのモデルでも言えます。少し資金に余裕があるのなら長期目線で、是非、パテック・フィリップをオススメします!化けたときの爆発力は凄まじいと思います。