NASA × スヌーピー × オメガ スピードマスター の話 後編

前回に引き続き、NASA × スヌーピー × オメガ のお話ですが、前回はその各々の関係性について、歴史的なお話がメインとなりました。今回は時計にスポットを当て、その記念モデルについて見ていきたいと思います。

 

Ref. 3578.51

1970年オメガNASAから授与されたシルバースヌーピー賞、それから実に33年もの年月が経った2003年オメガスピードマスター プロフェッショナル スヌーピー アワード Ref.3578.51 を発表します。

宇宙飛行士の恰好をしたスヌーピーが9時位置のインダイヤルとケースバックに描かれていて、何とも愛らしいデザイン。凄くシンプルでシックなスピードマスターですが、これは大変遊び心のあるデザインです。ケースバックにはセオドア・ルーズベルト元大統領Theodore “Teddy” Roosevelt)の名言としても知られている ”Eyes on the Stars” (星を見てごらん)が金字で記されています。

限定5441本という、何とも中途半端な数量ですがこれには訳が。それは、アポロ13号の活動時間、142時間54分41秒の “142時間” を無視して下線部分である “54分41秒” から「5441本」という数字が選ばれました。スピードマスターの基本デザインを踏襲しており、オメガらしさを感じれるモデルです。

 

Ref.311.32.42.30.04.003

1970年の事故から45年ということで、2015年記念モデルが登場しました。

今回は、ホワイトダイヤルブラックの時分針。9時位置のインダイヤルには寝そべったスヌーピーが何やら吹き出しで言っています。

FAILURE IS NOT AN OPTION“(失敗という選択肢はない

この言葉は、NASA主席管制官ジーン・クランツが事故当時放った一言。必ずアポロ13号を無事に地球へ戻すという強い思いを感じます。そして12時位置から3時位置付近までのスケール□□□が並んでいます。これは、アポロ13号が軌道修正する際、事故の影響でコンピュータが使えず手動で時間を計測する必要があり、スピードマスターを使って「14秒」を正確に測ったという意味で14秒のところまでの印が付いています。そしてそこにも文字が。

WHAT COULD YOU DO IN 14 SECONDS?“(14秒で何ができる?

この時計には、当時の様々な「アポロ13号」の要素が盛り込まれていますね。

ケースバックには、宇宙飛行士に扮したシルバー製スヌーピーが。そして、今回も ”Eyes on the Stars” (星を見てごらん) が、ケースバックに書かれています。

インデックスや針だけではなく、夜光でスヌーピーまで光ります。これはなかなか可愛いです。数量ですが、1970年の事故・受賞というところから、今回は納得の1970本限定となっていました。

 

Ref.310.32.42.50.02.001

2020年は、まさにそれから半世紀50年の節目に当たります。当然ながら一部では噂されておりましたが、やはり出てきました。

スピードマスター “シルバー スヌーピー アワード” 50周年記念

と名付けられたこのモデル、気合が入っております。白っぽく見えるが、シルバーダイヤルインダイヤルベゼルブルーシルバー×ブルーのみんな大好きパンダデザインです。そしてお馴染みの9時位置にあるインダイヤルには宇宙飛行士姿のスヌーピーが。そこには、 “50TH ANNIVERSARY” と書かれています。

そして今回の注目すべき点はケースバックです。お馴染み、”Eys on th Stars” と書かれています。

リアルに描かれたから向こう側には地球が。そしてロケットのようなものに乗っているスヌーピーがいるのですが、なんとこのスヌーピーロケット、動くんです。スヌーピーだけでなく、地球も自転します。

ヤルね、いや、ヤッタネ、オメガ!

このデザインは若い世代から我々のようなクソオヤジの世代まで両手をグーにしてアゴに当て、「可愛いッ!」と一気に虜にしています。これまでもこういったギミックを使った時計などは実際のところありました。

Ulysse Nardin – Classic Voyeur は、腰を振るエロギミックが。数千万円の高額モデルです。

これを機に、他のブランドも真似しちゃうかもしれませんね。ロレックスなんて、ハンス・ウイルスドルフの顔がグルグル動いたり、タイガーウッズが上の時計みたいに腰を・・・、いや、トレンドってどうなるかわかりませんからね。

今回は限定モデルではなく、入荷次第案内があるということで要予約って感じですね。結構な予約申し込みが既にあるようなので、お手元に届くには少し先になるかも知れません。もしかしたら、届かないかも知れません。その辺りは何とも申し上げれませんが、ちょっと興味をそそられるモデルではないでしょうか。

今回の2020年に発表された第三弾、「オメガ スピードマスター シルバースヌーピーアワード」ですが、これまでとはまた違ったテイストを感じさせ、オメガの気合いのようなものを感じます。

いや、この三本全て、それぞれの良さがあって、コレクター心をくすぐられるのではないでしょうか?集めたくなってでしょ?ね、そこのあなた!

そう、あなたですよ!