オデュッセウスはノーチラスとなれるのか?
- 2020.08.09
- パテック・フィリップ ランゲアンドゾーネ 海外ブランド
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タイトルを見て、「全然違う時計を比べるな!」と批判されることは覚悟しているのでそんな意見は無視するとして、”イチ時計好き” として考察したいと思ったまででございます。
なぜこんなことを記事にするかというと、恐らく「日本の並行店で初めて販売されているのではないか?」というランゲアンドゾーネのステンレス製ラグジュアリースポーツモデル、オデュッセウスが市場に流れてきたからです。
これを受けて当然、 一部SNS時計界隈で少しザワつきがありました。その投稿に関しては転載しませんが、総じて
「誰が買うねん、こんな値段!」
というものでした。確かに約800万円は高い。
パテックフィリップのノーチラスの新品価格はどうなんでしょう。
約835万円です。ここまでくると、あまり差を感じませんが、やはり王者の風格があるように感じます。約40年間かけて築き上げてきたこの価格(価値)を、失礼な言い方ではあるが、「ぽっと出」のランゲ初SSラグスポが肩を並べようとしている感じがする。
ならば、基本的な材料をいろいろと比較していきたいと思います。
まずは現行モデルの比較です。
モデル名 | ノーチラス 5711/1A-010 | オデュッセウス 363.179 |
定価(2020年8月現在・税込み) | 3,575,000円 | 3,410,000円 |
素材(ケース・ブレスレット) | ステンレススティール | ステンレススティール |
ケースサイズ | 40mm | 40.5mm |
ケース厚 | 8.3mm | 11.1mm |
重さ | 約118g | 約153g |
ダイヤルカラー | ブルー(ネイビー) | ブルー(ダークブルー) |
ガラス | サファイヤクリスタル | サファイヤクリスタル |
防水 | 120m | 120m |
仕様 | デイト・シースルーバック | デイデイト・ビッグデイト・スモールセコンド・シースルーバック |
ムーブメント | 自動巻き Cal.324SC パワーリザーブ:約45時間 振動数:毎時28,800回 石数:29石 |
自動巻き Cal. L155.1 DATOMATIC パワーリザーブ:約50時間 振動数:毎時28,800回 石数:31石 |
次にその他の比較
モデル | ノーチラス | オデュッセウス |
製造開始年 | 1976年(3700/1A) | 2019年(現行モデル) |
ケース | オクタゴン(八角形) | ラウンド(丸) |
デザイナー | ジェラルド・ジェンタ | (ランゲの)中の人? |
ネーミング | 潜水艦「ノーチラス号」の舷窓デザインから | ホメロスの『オデュッセイア』の主人公の名前 |
予約 | (今となっては)庶民には無理 | (まだ今のところ)背伸びすれば可能性あり |
とまぁ、比べるところはいくらでもあって、どっちが良いとかどうとかいう問題でもない。両方とも優れた時計であるし、はっきり言って好みの問題だと思う。
ただ正直に言って、ノーチラスは “その形を見慣れた” からこそ、今となっては素晴らしいデザインの時計だと思えるが、私が初めて見た時には、
「ダセェな、これ。ロイヤルオークの方がカッケーじゃん。」
と思った記憶がある。やはり、奇抜なデザインなんですよね、ノーチラスって。時計なのに、”耳” あるし。でも凄いもんで、それに見慣れると、どんどん引き込まれる良さがある。噛めば噛むほど味があるデザインなのでしょう。
一方、オデュッセウスは「ランゲらしさ」を追求したデザインです。奇をてらうことなく、ストレートにランゲの良さを詰め込んだ感じです。
これまでステンレス製ラグスポを牽引してきたパテックのノーチラスとAPのロイヤルオーク。この両者が40年もの間、しのぎを削って築き上げてきたこの地位は、他のブランドが割って入ることができなかった。
ランゲにしたら、「いや、ウチは他は関係なく独自路線」というかも知れないし、パテックは、「ランゲのラグスポ?ふ~ん♪」程度にしか思っていないかもしれない。でも私を含めた外野は、どうしても比較してライバル対決をしたくなる。
そしてノーチラスに初めて方を並べて戦える相手がオデュッセウスだと私は勝手に思っている。
「こんな(並行の)値段で誰が買うねん!」と言ったけれど、数年後にはどんな思いでオデュッセウスを見るのかが楽しみです。
「やっぱりね、ほら。」もあり得るし、「うわ、あの時まだ安かった・・・」と思うのか。評価って後から付いてくるもので、色んな意味で、この比較が後に恥ずかしいものになるかも知れないと思いつつ書き綴っています。
ちなみに以前、世界的なオンライン時計ショップサイトであるChrono24で、オデュッセウスが出ました。
価格は、56,000ユーロ≒700万円です。やはり買って日本の消費税を払うとなると、770万円以上です。しかしすぐに売れてしまいました。
今ではホワイトゴールドの新作が1本だけ見ることができます。
こちらは、51,134ユーロ≒640万円です。消費税を入れると700万円強ですね。日本の定価が4,807,000円なので、SSオデュッセウスには及びませんが、やはり大きくプレミア化しています。réservée=予約済みなのでしょうか?これは購入履歴無しでも、ランゲブティックでは予約を取っているはずなんですけどね。
これからの雲上時計界、ノーチラス・オデュッセウス・ロイヤルオークが「3大ラグスポ」となるのかどうか楽しみです。今現在も注目ですが、長いスパンで要注目なモデルであるは、間違いないようですね。
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