バーゼルが目指す新たな試み

スイスのバーゼルという都市は、時計愛好家にとって馴染みのある都市名ではありますが、そうでない一般の人にとっては全くと言っていいほど知られていない都市かも知れません。スイス北西部ドイツフランススイスの3国の国境が接する地点(三国国境)に位置し、市街地はライン川をまたぐ形で広がっている。チューリッヒジュネーヴに次ぎスイス第3の都市。大型船舶が通航できるライン川最上流の港を持つ最終遡行地点である。ドイツ語圏に属するがフランス語使用者も多い。

今回お話しするのはバーゼルという都市であり、バーゼルワールドではありません。しかし今回の新型コロナウイルスの影響で延期となり、さらにはイベントのメインと言ってもいいブランドのロレックスパテックフィリップがこのイベントから去ることとなり、とうとうバーゼルワールドという催し物自体が消滅するという大きな時計見本市の転換期になっています。2021年以降のイベントについては、なんらかの形で行われることと思われますが、未だ未定です。

この騒動で、イメージダウンとなったのが開催都市バーゼル。何とかこの都市を盛り上げようと、時計の街として何かできないかと模索しているというニュースが入ってきました。そしてNGOのPlanBasel(プランバーゼル)が新たな計画を発表しました。

それが、“Swiss Watch Treasure House” です。これは「時計愛好家達の新しいホットスポット」となるビル群というのがコンセプトとなっています。ここに来れば、様々なブランドの時計に出会えるという夢のような施設ということです。

このビル群を利用するという青写真です。

ここに新しい時計だけでなく、ブランドの証明を受けたユーズドの時計も数多く保管し、体験型博物館のような形となるのでしょうか。これは興味が沸きます。PlanBasel の情報によりますと、「10万点を超える時計。ここにいるだけでスイスブランドの時計の全てに出会える」ということです。そして全ての時計の試着が可能だそうです。

カタログなどを見て、「この時計を実際にみてみたい」となれば、瞬時にして手元に届き、試着できるシステムを構築しようとしているようです。まるで夢の世界です。

電子カタログから、特定のモデルを選ぶと、地下にある大型金庫からデリバリーされるという凄いアイデアです。単純な考えですが、大胆な発想だと言えます。

金庫には10万点以上の時計が保管されており、それぞれのパイプから時計が送られるようになっています。

もちろんこのような施設を利用するのは入場制限などが必要になるとは思いますが、予約制で一般の人も利用できるとなると、是非行ってみたい「夢の時計館」ですね。

ワークショップや会議、イベントにオークションなど、様々な用途で利用できる、まさに体験型時計複合施設ということです。
そしてこのバーゼルという都市の位置も大きな利点としています。この地を中心として、時計ブランドの製造拠点へのアクセスをも考えています。しかも利用するのは、蒸気機関車といいます。

実際、スイスアルプスでは蒸気機関車が走っており、観光客には大変人気があります。これを利用するということです。もちろん時計好きって富裕層が多いということはわかっています。ならば、豪華な客車になるのも当然ですね。

 

私は時計好きってことで、時計についてのお話をしましたが、このNGO団体はバーゼルという都市全体を考えています。時計だけではなく、街全体の都市空間、モビリティ計画を考える団体なのです。それは来年、再来年といった短いスパンではなく、長期的な目線でバーゼルでの生活の質を高め、経済的魅力を高め、地域協力をさらに改善するという目的をもって計画されています。

とはいうものの、結構具体的に考えられているアイデアに、かなり興奮しているオサーンです。バーゼルワールドで多くの来場者からの収益があったであろうバーゼル時計の未来都市になるのか、今後の街づくりにも注目ですね。

 

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