【下落？】3大激アツブランド（Rolex/PP/AP）の相場をデータで見る

ロレックスでもなかなか時計を購入するのが難しい昨今、パテックフィリップやオーデマピゲで代表的な人気モデルを正規店購入するというのは、私のような非力な一般時計好きには厳しいものがあります。かと言って、並行店での二次流通価格を恐る恐る覗いてみると、到底「買っちゃおう！」とお金を工面できるような金額ではない。

がしかし、よ～く価格の変動を見ていると、高級時計の相場が全体的に下がってきていることがわかる。それは前との比較をしてわかるものであって、初見でわかるものではない。だって下がったといっても、メチャ高いですからね。

ということで、代表的人気モデルであるロレックスのデイトナとオーデマピゲのロイヤルオークの相場比較のグラフを見ながら少し遡って価格の動きなどをチェックしていきたいと思います。

2022年10月現在の定価を表示しています。

このグラフで言えることは、価格を現在のドル/円の相場で換算していますが、今年の3月～4月をピークとして今では約31％の下落をしていますが、現在の定価から比較しましても約2.8倍となっています。また、ロレックス・パテックフィリップ全ての時計の価格をみてみると、年初からの比較だと約8％の下落となっているようです。

2022年10月現在の定価を表示しています。

黒文字盤になりますが、オーデマピゲのロイヤルオークの価格です。こちらもピーク時は定価の約3倍以上にまで跳ね上がりましたが、2022年初頭の価格よりも下落しました。またオーデマピゲ全体をみると、3か月ごとに約7%ずつ下落していっているというデータが出ています。

では、四半期での比較で、第二期と第三期（4月～6月の期間と7月～9月の期間）の各ブランドではどのような市場価格の変動があったのかというグラフが下になります。

これを見ると、パテックフィリップ・オーデマピゲ・ロレックスの主要ブランドを筆頭に、多くのブランドが市場価格を下げています。しかしこんな中でも上昇しているブランドがあり、中でもランゲアンドゾーネとジラールペルゴの市場での価格上昇が顕著となっています。市場価格の上昇をけん引していたパテックフィリップならノーチラス、オーデマピゲならロイヤルオーク、ヴァシュロンコンスタンタンならオーバーシーズという大人気ラグジュアリースポーツモデルの市場価格が2022年第一期でピークに達していたのに対し、ランゲアンドゾーネではオデュッセウスがまだ底を見せておらず、ジラールペルゴはロレアートの人気が大きく時計市場に於けるブランド認知度を一気に開花させたように感じます。同じくブルガリはオクトの人気も見逃せません。

では次に、各ブランドの代表的なラグジュアリースポーツモデルの価格変動を抽出してみたグラフが次のグラフとなります。

市場価格が最も過熱した2022年3月から雲上３ブランドは下落、そして第二期と比べても当然下落しています。それに反してブルカリ・ランゲアンドゾーネ・ジラールペルゴの各代表スポーツモデルは上昇が見て取れます。しかし忘れてはいけないのが、前年との比較を見ると、結果的にそのラグジュアリースポーツモデルは大きく上昇しているのがわかります。ということは、2022年第一期の価格が少し過熱しすぎたということなのでしょう。

最後に、主要3ブランド（パテックフィリップ・ロレックス・オーデマピゲ）の市場に流通している数がどうなっているのかを見ていきたいと思います。2022年1月を100％としたとき、現在はどうなっているのでしょうか？

各ブランドの任意に選ばれたモデルを対象としたデータですが、市場へ流れている量は、2022年1月と比べると、パテックフィリップが約2倍に、オーデマピゲ・ロレックスが約1.8倍強となっています。ということは、市場での個体数が増えているということですので、必然的に全体としては相場が下がるのは当然でしょう。調査報告での分析によると、2022年の第四期（10月～12月）は引き続き相場は下落傾向とみているようですが、より健全な価格へとシフトするものと思われます。

最後になりますが、昨今の円安の影響で日本の物価は欧米のそれとは乖離していっている状況にあります。ということは、海外の時計コレクターなどからすれば日本の価格に割安感を感じることでしょう。今回見てきた二次マーケットでは世界的な相場で日本でも値段が決まっている部分がありますが、正規店で販売されているいわゆる “定価” は、海外の方にとっては相当魅力的な価格に感じているはずです。ますます時計市場の動向には目が離せない状況ですね。