【2022年】激動の高級時計相場を真面目にみる
- 2022.12.09
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2022年も残すところ1か月も切り、当たり前ですが1月になれば次の2023年がやってきます。ということは、そろそろ今年の総括をするべきだと思ったわけでございます。思えば2022年初頭は恐ろしいぐらいの市場価格上昇を目の当たりにし、早く欲しいモデルを手に入れないと並行では一生買えなくなるのではないか、と焦る状況になりました。がしかし、市場価格の上昇がエゲツナイ時がウソのようにこの年末、下降の一途を辿っています。僕の心は落ち着きを取り戻しているのですが、あまり下がり過ぎるのもどうかと思う今日この頃。そんな想いを抱きつつ、今年の時計業界の価格変動を見ていきたいと思います。
まず初めに、この一年の時計業界全体の値動きを見ていきます。いうならば、株価などの日経平均みたいなもので、主要10ブランドから60モデルを選び、それらの平均を取ったグラフとなります。例えばロレックスなら現行デイトナ Ref.116500LNや先代モデルのRef.116520、金無垢デイトナなど、他はパテックフィリップ、オーデマピゲ、ヴァシュロンコンスタンタンやランゲアンドゾーネ、オメガやブライトリングもあります。前置きはこの辺にして、見ていきましょう。
こちらは先月11月前半~1カ月間の値動きとなります。このひと月の間でも目に見えて下落しているのがわかります。何があったのかはよくわかりませんが、やはりここ数年は中国経済が大きく影響していたと思われますので、中国の活力が若干低下しているような報道を目にすることから、そんなことも反映されているのかも知れません。しかしこれは原因が一つというわけではなく、複雑に絡み合っています。
こちらのグラフは9月初頭からの3カ月間のグラフです。ものの見事に右肩下がり。一時期は下がるなんて想像もできなかったのですが、下がる時は滑り台ですね。私的には「買おうかな?」と思う並行品の選択肢が増えるので大歓迎ですが、みなさんはどうでしょう?
こちらのグラフは6月初頭からの半年間となります。2022年は3月~4月辺りが相場のピークと言われていますので、ちょうど相場が下がり出してから現在となるので、綺麗な右肩下がりとなっています。頭を抱えている人がいるかもしれませんが、あくまでも全体の平均価格の動きですので、個別に見ると全く違うグラフとなる可能性も多くありますので、そんなに心配する必要はないかと思います。
そして1年間の値動きがこちらになります。1年前に比べて、相場が下がっていることがわかります。そして先ほども申しました通り、3月~4月のピークが異常だったことがよくわかります。この時期の値動きは今までも起っていることですが、2022年はそれが顕著になっただけかと思います。原因は、これまでの時計愛好家だけではなく幅広く高級時計を買い求める人口が増えたことによるインフレでしょう。そう考えると、現在の相場となることは健全になってきていると言えるかもしれません。
全体の平均をグラフで見てきたのですが、これが3年間の値動きとなります。先ほど “健全” と言った意味はここにあります。3年前に比べると平均は今ですら大幅に高い価格で推移しています。元に戻るまでは行かないまでも、投機的に高級時計を買い求めていた層にとっては逃げ出す相場を形成している今。しばらく落ち着くことを期待します。乱高下は不健全ですからね。
これまで “平均” と言いましたが、やはり主要ブランドはどうなのか?というところが気になるところです。というわけで、ロレックス・パテックフィリップ・オーデマピゲの3年間の値動きを一気に見ていきます。
ほぼ同じでビックリですね。そう、この3ブランドがこの時計相場の中心を形成していることがよくわかります。全体の3年間の動きとほぼ同じ値動きとなってることが証明しています。しかしここ数年で違った値動きをしているブランドがいくつかあります。その辺りも見ていきたいと思います。
まずはドイツか誇る雲上ブランド、ランゲアンドゾーネです。数年前までは、正規店で買うよりも半額以下で市場では買えたブランドですが、その素晴らしいブレないブランド哲学が時計愛好家にも浸透したのか、かなり入手困難なブランドへとなってしまいました。しかしそこはランゲさん、慌てず騒がず今まで通りの姿勢で作り続けていることもあり、これからも入手は困難なブランドとなることでしょう。
宝飾ブランドとして大人気のブルガリ、高級時計でもハイクオリティなモデルを輩出しています。そしてやはり人気のオクトがここ数年で人気爆発している印象。建築家の安藤忠雄氏とのコラボモデルも今となっては入手困難となり、現行では女性建築家の妹島和世さんとのコラボモデルも完売している模様です。
最後に見ておきたいのが、スイスの老舗時計ブランドであるジラールペルゴです。代表モデルであるロレアートは大人気ラグスポモデルとして爆発的な人気となり、入手困難となってます。この前まで普通に売っていた印象ですが、2022年 トップクラスのブレイクしたブランドだと思っています。
ここ1年のグラフを見てもわかるように、今年の相場のピークだった3月~4月へ向かって平均価格が上昇していましたが、その後も衰えることなく上昇、7月辺りから落ち着き出したものの下がることなく上がっている印象です。あまり上がり過ぎると来年の下落が少し怖いんですけどね・・・
どうでしたでしょうか?時計を買うことで大きく儲けようと思うと今の相場は怖い感じもしますが、あくまで自分の趣味の範疇で購入することが一番だと思います。低価格でもいい時計はいっぱいありますし、持っている時計を手放してそれを原資に憧れの時計を入手することもいいと思います。身の丈にあった~とか云々は関係ないと思います。買えるだけのお金が貯まったのなら、背伸びして買うことも大賛成。それぞれ、十人十色の時計との触れ合い方があっていいと思います。色んな楽しみ方を許容することで、もっと楽しい世界になるのではないでしょうか。
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