【2023年版】グループに属さない系の時計ブランド その1
- 2023.05.09
- オーデマ・ピゲ ショパール その他 チューダー パテック・フィリップ ロレックス 時計情報局 海外ブランド
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時計ブランドだけではなく、多くのファッションブランドがグループ企業の一部と化している中、自前の資金力でブランドを維持している独立系ブランドは、このご時世でも当然まだあります。そんな独立系時計ブランドの中でも、時計界に歴史を刻みながら一流ブランドとして名を知らしめているブランドを、今回はご紹介したいと思います。アルファベット順です。
THE INDEPENDENT WATCH BRANDS
AUDEMARS PIGUET
オーデマ ピゲは1875年に、創業者のジュール・ルイ・オーデマとエドワード・オーギュスト・ピゲがブランドを登録し時計の製造を始め、現在でもオーデマ一族が途絶えることなく所有する時計業界では非常に珍しいプライベート企業の一つです。1881年にオーデマ ピゲ&シーに改名された同社は、最初の時期にはティファニー・アンド・カンパニーを含め、他の企業のためにムーブメントを製造していましたが、1892年には世界初のミニットリピーター機構を搭載した腕時計のムーブメント、1921年には世界初のジャンピングアワー機構を搭載した腕時計、1986年には世界初の自動巻トゥールビヨンムーブメントを開発するなどの偉業を成し遂げました。しかし、オーデマ ピゲが最もよく知られているのは、ジェラルド・ジェンタによってデザインされ、1972年に最初の真のラグジュアリースポーツウォッチとして発表されたロイヤルオークでしょう。ロイヤルオークは誕生以来、オーデマ ピゲのコレクションの中心にあり、ロイヤルオーク オフショアや実験的で高度なコンプリケーションを備えたロイヤルオーク コンセプトのような人気のあるサブコレクションを生み出しました。2019年には、オーデマ ピゲは自社の独自のデザインと複雑なキャリバーを特徴とする新しいシリーズ “Code 11.59” を発表、コレクションの多様化を試みました。
設立:1875年
本社:ル・ブラッシュ(スイス)
代表モデル:ロイヤルオーク、ロイヤルオーク オフショア、Code 11.59、
メモ:1999年の映画 “End of Days” でアーノルド・シュワルツェネッガーが着用したことで、ロイヤルオーク オフショアが注目されたと言われています。
BREITLING
もし空港を利用したことがあるなら、ブライトリングの時計の広告を見たことが、もしパイロットであれば、1つまたは2つブライトリングの時計を身に着けたことがあるかもしれません。スイスのブランドであるブライトリングは、クロノグラフを含む様々なスポーツのために時計を製造することに早く着手したことが知られています。主にパイロットモデルに焦点を当て、クロノマットとナビタイマーが誕生しました。ウィリー・ブライトリングは、巧みに攻めた広告キャンペーンにより、ブライトリングをパイロットや飛行機を利用する旅行者たちのお気に入りの時計に定着させました。ブライトリングがスーパーオーシャンなどのダイバーズウォッチを製造し、ドレッシーなスポーツクロノグラフであるプレミエを復活させ、製造範囲を広げているようにも見えますが、今も尚、ブライトリングの空をテーマにしたアイデンティティは存在しています。
設立:1884年
本社:グレンヒェン(スイス)
代表モデル:ナビタイマー、クロノマット、スーパーオーシャン
メモ:宇宙飛行士のスコット・カーペンターがマーキュリー計画のミッションでナビタイマーを着用していた際、彼は宇宙でもっと使いやすい24時間表示のダイアルを備えたナビタイマーを製作するアイデアをブライトリングに持ちかけました。同社はこのモデルを “ナビタイマー コスモノート” と名付け、今でも製造を続けています。
CHOPARD
ショパールは、1860年にスイス人のルイ=ユリス・ショパールによって創設されましたが、今ではジュエラーとして広く知られています。1963年以来、ショイフェレ家によって所有されているショパールは、女性らしいハッピー・ダイアモンドやハッピー・スポーツから、ショパールが同名のクラシックカーラリーレースとの長年のパートナーシップから生まれたスポーティなミッレ・ミリアシリーズまで、男性と女性向けの多様なモデルを製造しています。そのコレクションの中で最上位には、ショパールの創業者のイニシャルにちなんで名付けられたL.U.Cコレクションがあり、フライングT、パーペチュアルクロノ、フルストライクなどのモデルによって、エレガントなデザインと最高レベルの複雑機構を携えた時計を提供しています。1980年のショパール初のラグジュアリースポーツウォッチを復刻したアルパインイーグルは、その鷲(の目)にインスパイアされたデザインと堅牢なインテグレーテッドブレスレットで、最近のコレクションでは主役級のモデルとなっています。
設立:1860年
本社:ジュネーブ(スイス)
代表モデル:ミッレ・ミリア、L.U.C、アルパインイーグル
メモ:ショパールはカンヌ国際映画祭の長年のパートナーであり、同社がゴールドのジュエリーや時計ケースを製造している同じ工場でパルム・ドール賞を製作しています。
PATEK PHILIPPE
1839年の創業以来、パテック・フィリップは高級時計業界のトップオブザトップであり、多くの複雑機構や新しいデザイン要素を開発し、現在では多くのブランドが採用するようになっていたりもします。1939年にパテック・フィリップを購入したスターン家は今でもブランドを所有・運営しており、おそらく最も高級なスイス製ラグジュアリー時計ブランドであり、オークションなどで最も価値を付けられるブランドでもあります。パテック・フィリップのコンプリケーションは、主に1932年以来製造されているエレガントかつ歴史的なカラトラバシリーズに見られますが、スポーティーなノーチラスやアクアノートの一部のモデルにも含まれます。コンプリケーションには、年次カレンダー、永久カレンダー、クロノグラフ、ワールドタイム、ミニットリピーターなどがあり、高価なモデルには、これらのうち2つ以上の組み合わせも含まれます。同社は、最初の年次カレンダーと最初の永久カレンダーとスプリットセコンドクロノグラフを開発。グランドマスター・チャイム Ref. 6300A-010 には20種類以上のコンプリケーションが含まれ、2019年に3,119万ドルで落札されました。伝説的な時計デザイナーであるジェラルド・ジェンタ氏がデザインし、1976年に発売されたラグジュアリースポーツの先駆者であるノーチラスの三針ステンレスモデルを最近廃盤としたため、落胆した方もおおいはず。次なる一手に常に注目が集まるブランドです。
設立:1839年
本社:ジュネーブ(スイス)
代表モデル:カラトラバ、ノーチラス、アクアノート
メモ:2021年にフィリップスで行われたオークションで、ノーチラスRef. 5711ティファニーブルーダイアルが650万ドル(当時のレートで約7億円)という落札価格をたたき出したのは記憶に新しいですね。
ROLEX
ロレックスは、1905年にハンス・ウィルスドルフによってロンドンで設立され、1919年にスイスに拠点を移しています。20世紀の高級時計のデザインの多くは、ロレックスの豊かな歴史とアーカイブから生まれといっても過言ではありません。1953年に登場したサブマリーナは、ダイバーズウォッチの典型的なデザインを定義したと言われており、モータースポーツをイメージしたコスモグラフデイトナ、現代的なトラベラーズウォッチのデザインを確立したバイカラーベゼルと24時間針のGMTマスター、そして、世界の多くの首脳たちが身に着けていることから、”ザ・プレジデント” と言われているデイデイトなど、ロレックスのモデルはどれも人気。ヨットマスター、エアキング、シードゥエラーなどは以前、それほどまでの人気だったにも関わらず、今では入手困難を極めています。2000年頃からロレックスはほとんど自社生産されており、独自の工場で時計ケースやムーブメントのほとんどすべての部品を製造し、何十もの特許技術を開発しています。
設立:1905年
本社:ジュネーブ(スイス)
代表モデル:デイトジャスト、サブマリーナ、GMTマスターII、コスモグラフデイトナ
メモ:パンアメリカン航空のパイロットたちが、自分たちの出発地と目的地の時刻を確認できる時計が欲しいという要望を出したことから、ロレックスは最初のGMT-Masterウォッチを開発しました。
TUDOR
ロレックスの創設者ハンス・ウィルスドルフは、チューダーを1926年に登録し、1946年に正式に設立しました。ロレックス製のケースやブレスレットに市販のスイス製ムーブメントを組み合わせ、より手頃な価格帯でロレックスブランドを提供することを目的として当初は作られていました。ロレックスより手頃な兄弟ブランドとして期待され、チューダーはこれまでツールウォッチとして確立しています。例えばオイスタープリンスは、英国海軍が愛用した初期のモデルの1つであり、チューダーサブマリーナは、1990年代まで世界中の様々な軍隊に使用されました。最近まで米国市場においてはほとんど姿を見せませんでしたが、2013年にブラックベイやペラゴスなどの人気モデルで注目を集めました。これらのモデルは、オイスタープリンスやサブマリーナから派生したスタイルです。ブライトリングと共同開発したムーブメントを搭載したブラックベイ クロノやチューダーの自社製ムーブメントが今では主流になっています。
設立:1926年
本社:ジュネーブ(スイス)
代表モデル:ブラックベイ、ペラゴス、レンジャー
メモ:オイスタープリンスは、1952年にグリーンランドへのイギリス科学探検隊により着用されました。
今回ご紹介した独立系ブランドですが、どれも一流ブランドばかりです。大きなブランドでも今ではグループ化してノウハウを協力し合う時代ですが、昔から一貫して自前の力で生き抜いているブランドは、やはり他にはない魅力がありますね。
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