時計のヘルプ Q&A その3

「よくある質問」形式のQ&A、第3弾です。今回は、少し突っ込んだ質問もあります。意外と知らないこともありますので、ご一読くださればと思います。


“SWISS MADE”の真実

Q:スイス製の時計は完全にスイス製なのか

A:スイスのメーカーだから、必ずしもスイス製とは限らない。それはわかっている。しかし、“SWISS MADE”と表記しているものに関しては、スイス製に違いない。と思いがちだが、実はこの表記には定義がある。「スイス製ウォッチとは、スイス製ムーブメントを搭載して、スイス国内で最終検査が行われたウォッチをさし、スイス製ムーブメントとは、組み立てを除く製造コストの50%以上がスイス国内の業者によるもので、スイス国内で組み立てられ、スイス国内で最終検査を受けたのも」となっている。極端な話、スイス製パーツが1つしかなくても、それがコストの50%以上であれば、規定を満たすこととなる。というからくりがある。

シリコンパーツ使用の時計

Q:新素材のシリコンを使用しているので、注油なしで良いのか

A:シリコンパーツなどの新素材などが発表されると「オイルレス」が挙げられる。脱進機に採用されるシリコンパーツは加工断面が極めて滑らかなため、摩擦が起こりにくい。そのため、注油は不要になる。しかし、”メンテナンスフリー”になることはない。なぜなら、脱進機がオイルレスになっても、それ以外の部分は注油が必要だからである。

耐磁ケース

Q:耐磁ケースの時計は、磁気を完全シャットアウトするのか?

A:ロレックスミルガウスや、IWCインヂュニアなどで謳われている「耐磁」であるが、「インナーケースに用いられる軟鉄や純鉄は、磁気を通さない」と誤解している人が多い。逆に軟鉄や純鉄は磁気を通しやすい素材である。ではなぜ「耐磁」なのか?それは、強力な磁気に晒された場合、それを1か所に留めずに、すぐに流してしまうからである。言わば、「磁気シールド」ではなく、「アース」の役割に近いのである。

防水性能ー3

Q:5気圧だから、50mくらい潜れるはず

A:実は間違いである。一般的には「5気圧=50m防水」と解釈されたりするが、正式な規定では全く違う。「気圧」での防水表記のばあいは日常生活用「メートル表示」潜水用と明確に区別されている。ということは、200m防水に相当する20気圧防水であっても、JIS規格ではあくまでも日常生活用強化防水扱いである。なので、水上スポーツ程度の使用が推奨されているのである。

潜水時の視認性

Q:潜水時は、赤やオレンジが見やすい

A:水中での視認性は、地上のそれとは大きく違います。やはり代表的なブランド、ロレックスで見てみましょう。サブマリーナシードゥエラーには、必要な情報がで表記はされていません。逆にベゼルやダイヤルがブルーグリーンのモデルはあります。実用性を追求するロレックスの選んだ色はです。ということで、実は赤やオレンジは水中では認識できなくなります。7メートルぐらい潜ると、赤は認識しづらくなるようです。


いかがでしょうか?今回は少しマニアックな、突っ込んだ内容のQ&Aにしてみました。時計業界の常識は、一般人にとってみると、非常識とまでは言わないまでも知らないことが多いですね。また、何かネタがありましたら、続けていきたいと思います。