カスタムブランド “Artisans De Genève” が無茶する
- 2021.01.28
- パテック・フィリップ 時計情報局 海外ブランド
- 5711, artisandegeneve, nautilus, patekphilippe, アルティザン, カスタマイズ, カスタム, ノーチラス, パテックフィリップ
先日もお伝えした通り、パテック フィリップの大人気モデル、ノーチラス Ref.5711 がディスコンしてしまいました。もちろん私には手の届くモデルではないので、憧れの目で見ているのですが、
「おい、そ、そりゃないだろ!マジか!」
と叫んでしまうメールが届きました。
ちょっと時計関連のメールに絞って抽出していますが、時計カスタマイズブランド “Artisans De Genève” からのメールが立て続けに来ておりました。「The Pearl Project」と題されていたので、デイトナのMOP(マザーオブパール)を使ったカスタマイズかとてっきり思い込んでしまっていて、チェックを怠っていました。MOPが嫌いなわけではないですが、かといって興味をそそられるほどではないと判断してしまっていました。
何の気なしに昨日メールを見たところによると、ロレックスのカスタマイズじゃなくて、ノーチラスだということにぶったまげた。ノーチラスをカスタムするなんてアンビリバボーです。しかし世界的にみてもトップクラスの技術を誇る “Artisans De Genève” 、その職人達の手にかかればこれまでの作品を見ても期待ができます。
ベースとなるロレックスのデイトナやサブマリーナを見事なまでにカスタマイズし、過去の名作や真新しいデザインに仕上げるその技術力は、他のカスタムブランドとは一線を画しています。特に、ムーブメントのパーツまでカスタムしてしまうところは、もはや
「オリジナルブランドで時計作った方がいいんぢゃね?」
と思ってしまうほど。有名著名人とのコラボレーションモデルなども多く手掛けており、サッカー・イタリア代表の英雄、アンドレア・ピルロモデルも、”超” の付くほどの恰好良さ。
そんな Artisans De Genève が、禁断のブランドに手を付けたんです。パテックですよ。しかもノーチラス!ノーマル仕様でも手に入れることが非常に困難なモデルなのに、それをカスタマイズするなんて・・・信じられません。
Artisans De Genève はウォッチメーカーではないので、客がその時計を持っていて初めて成立する。ということは、ノーチラスを所有して初めて注文できる。何とも贅沢ですね。
文字盤のスケルトン化、このプロジェクトの為に新たに開発された鍛造カーボンを使ったベゼル、手作業により丁寧に面取りされた各部、視認性を考えて再設計された時分針など、細部にわたりそのカスタマイズは常軌を逸しています。
ケースバックから見えるムーブメントも、オリジナルで新たに作り直されたような、パテック本来のムーブメントと違った美しさを覗かせています。外装だけでなく、ここまで手を加えることができる技術が凄いですね。
時計の愉しみ方って人それぞれ違うので口を挟む余地はないのですが、高級時計は一般的に二次流通のこともひっくるめて「オリジナル性」が結構重要視される傾向にある。ダイヤルに手を加えたり一部パーツを社外品に変更するなどは、高級時計ではご法度に近い行為。ロレックスでもオーバーホールに出して正規のメンテナンスを受けても、オリジナル(当時モノ)の夜光塗料と違う文字盤や針に変更されるだけで、二次流通での評価が下がってしまうことがあります。そんなことを考えてしまうと、”カスタマイズ” なんていう考えに及ばないのが普通。
しかしその価値を高めたのが、Artisans De Genève です。他にも MAD PARIS や DIW など今では多くのカスタマイズブランドがありますが、Artisans De Genève はカスタマイズされた時計が高いレベルで価値を落とすことなく高額で取引されています。
これってやっぱり凄いことですよね。かと言って、ノーチラス5711を持っていて、それをカスタマイズしてもらおうと思うのか…
それがいるのでしょう。ノーチラスを手に入れるだけでも一生に一度レベルなのに、それを…
「無茶しやがって…」
って思ってしまいます。
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