時系列で見る時計ブランドと新型コロナ問題
- 2020.04.21
- 時計情報局 海外ブランド
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新型コロナウイルスは、高級時計界の歴史を大きく揺るがす起爆剤となっています。色々なところで新型コロナウイルスに対して新たな動きがあり、4月20日現在までの時系列をまとめてみました。
この一連の流れを少し見てみたいと思います。
2月
3日
スウォッチグループ(ブレゲ・ブランパン・グラスヒュッテ オリジナル・ジャケドロー・ハリー ウィンストン)は、3月4日〜6日にかけてスイス・チューリッヒで開催予定だった新作発表イベント『Time to Move』をキャンセル。
4日
バーゼルワールドのオーガナイザーは、ウイルスの感染とイベントについて「状況の分析と監視をしている」と発表する。
11日
ブルガリはバーゼルワールド開催期間中(4月30日〜5月5日)の「海外からのビジターが来ることに対する不確実性の上昇」を理由に不参加を表明。
12日
バーゼルワールド撤退のグランドセイコーは、東京で予定していた60周年新作発表イベントの中止を発表。
20日
バーゼルワールドのマネージングディレクターであるミシェル ロリス-メリコフは、「バーゼルワールド2020は、予定通りに開催する。」と言う。
24日
シチズンは、新型コロナウイルス蔓延の懸念し、バーゼルワールド2020から撤退。セイコー、カシオに次いで日本ブランド3社がこれで撤退することとなる。
27日
高級時計財団(FHH)は、前身のジュネーブサロン(SIHH)から30周年を迎え、名称を『Waches & Wonders』とした4月25日〜29日までのイベントを、「人の移動やビッグイベントでの感染リスク」を理由に中止を決定。主にリシュモングループの参加予定だった。
28日
スイス連邦議会の緊急会議で、『1000人以上の集会を禁止する』と決定した。この数時間後、バーゼルワールドのオーガナイザーは、2021年1月に “延期する” と発表。
3月
2日
ブルガリが先頭に立ち、小規模イベント『GENEVA WATCH DAYS』の開催を企画。ジュネーブにあるいくつかのホテルを会場とし、ブライトリング・ジェラルド ジェンタ・ジラール ペルゴ・ユリス ナルダン・MB&F・ウルベルク・ドゥ ベトゥーンらが参加ブランドとして含まれた。
12日
タグ・ホイヤーがニューヨークで主要高級時計発売イベントを開催。『タグ・ホイヤー コネクテッド』を発表するが、これはニューヨークが大勢の集会を厳しく規制する前の最後といっていいイベントとなる。
16日
タグ・ホイヤー、ブルガリ、ゼニス、ウブロを含むLVMHグループのフレグランス部門、クリスチャン・ディオールとジバンシーは香水に代わって消毒用ジェルの生産に切り替えた。
ロレックスは3月27日に再開予定とし、10日間の工場閉鎖を発表。
17日
歴史的な静寂に包まれた聖パトリックの祝日を迎え、ウブロはニヨンにある製造工場の閉鎖を決定。再開の目処は立たず。
※この日、オサーンは人事異動の内示を受けて、5時〜23時までの勤務を4月半ばまで休み無しで続けて廃人となる。
18日
6月2日〜5日の開催予定だったラスベガスの『JCK Watch and Jewelry Show』が無期限の延期となる。
19日
スイスに拠点があるブヘラは、国内外のショールームを含め、傘下の『Tourneau』も閉鎖。
20日
タグ・ホイヤーがスイスの支店と生産施設を閉鎖。
23日
スウォッチグループCEOのニコラス・ハイエックは、主要市場の中国の状況改善を見越して生産設備は続行すると明言。
24日
国際オリンピック委員会と日本の安倍首相は、2020年7月開催予定だったオリンピックを2021年に延期するという共同声明を出す。映画「007」の公開延期も含め、オフィシャルタイムキーパーであるオメガにとってマーケティングの打撃をダブルパンチで受ける。
『Geneva Watch Days』が8月26日〜29日まで延期される。
25日
ブルガリは、香水部門で協力関係にあるパートナー『ICR』と消毒液数十万本のという数のボトルを製造。厳しい環境下で働くイタリアの医療従事者へ寄付。
ブルガリのCEO、ジャン=クリフトフ ババンは「我々は製造のノウハウと設備を駆使し、貢献する義務がある。そしてそれらを集配してくれたイタリア市民保護部門の方々に感謝する」と声明。
30日
パテック フィリップ取扱店の話によると、2020年発表予定だった新作を2021年に延期した(非公式)。
IWCは『Time Well Shared』を立ち上げる。これは、「IWCの社員やブランドアンバサダー、そしてパートナーがデジタルチャネルを通して、時間、知識、経験、情熱を分かち合おうとする取り組みです。その目的は、時間を最大限活用し、互いにつながり合い、関わり合い続けることで、人々を楽しませ、サポートし、勇気づけることにあります。」とするもの。
31日
ラスベガスで開催予定で無期限延期としていた”Couture Watch and Jewelry Show” のオーガナイザーが両業界のショーケースのキャンセルを正式発表。
ウブロは小売店と工場の閉鎖し、一時的な戦略として”デジタル ブティック” に切り替え、売上維持を目指す。
4月
7日
ロレックス・チューダーは4月30日のバーゼルワールド2020で発表を予定していた新作を、開催延期の影響で「リリースを無期限延期」とした。
15日
ロレックス・チューダー・パテック フィリップ・ショパール・シャネルがバーゼルワールドからの離脱を表明。高級時計財団(FHH)と提携し、新たなフェアを開催予定。2021年4月の『Watches & Wonders』と連携も。
17日
LVMHグループが、バーゼルワールドからの離脱を発表。ウブロ、タグ・ホイヤー、ブルガリなどがフェアから去り、バーゼルワールドの今後の開催が危ぶまれる状況となる。
ということで、まだまだ終息の見えない新型コロナウイルスの脅威。世界を大きく激変させている “渦” の真っただ中にいるということです。時計業界だけでなく、どの業界も大打撃を受けています。
こうして時計のことを未だに考えてられる私は幸せなのでしょうね。
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