2020年の最後に激レアピースがオークションに登場か⁉

オークションの話がここ最近続いていますが、またしてもそんな話です。

海外のオークションハウス ‘フィリップス‘ から、激レアモデルが出品されるようです。フィリップスと言えば、2017年10月のオークションが記憶に新しい。それは名優、ポール・ニューマンが保有していた手巻きデイトナ Ref.6239 が、日本円で約20億円という価格で落札されたことで一般のニュースでも報道されました。これは当時の腕時計史上最高落札額として、歴史の1ページとして刻まれています。

いつみても、恰好いいですね。彼自身も恰好いいですし、時計も凄く魅力的です。

ケースバックには、”DRIVE CAREFULLY ME” という愛のある言葉。川柳風にいうと、「お土産は 無事故で良いの お父さん」ってとこでしょうか。ポールさん、愛されているんですね、羨ましい!

じゃ、今回の激レアモデルは、誰のどんなモデルなのでしょうか?興味ありますよね?実はこれも、有名人が保有していた時計なんですよ。その人とは・・・

 

ポール・ニューマン またオメェか・・・

なんです。確かに彼が一本しか時計を持っていなかった訳ではないでしょうし、当然、他のモデルも持っていたに違いない。今回は、その他の時計から、またしても素敵な時計が世にでることとなりました。

これ、 Rolex “ビッグ レッド” デイトナ Ref.6263 です!!再び手巻きデイトナ from ポール・ニューマンなんです。もしこのビッグレッド6263をお持ちの方おられましたら、き、き、来ましたよ!もしかすると、あなたのビッグレッドスカイロケットしちゃうかもしれませんよ!

でもって、またケースバックにはメッセージが刻印されてます。

“Drive Slowly Joanne”

愛妻のジョアン・ウッドワードからのプレゼント丸出しのこの刻印。これがまた価値を生みます。もし仮に、ウチのヨメーンが僕のデイトナに刻印なんかした日にゃ、

「ナニすんぢゃ、ゴラァァァ!」

ってなりますけど、刻印ガール・ジョアンの価値は違うってことですね。

この時計はポールとジョアンの結婚25周年として、1983年ジョアンから贈られたもの。もともとの Ref.6239 デイトナポール・ニューマン )を手放した彼は、この時計を毎日のように愛用していたと言います。そして2008年娘のクレアに時計を譲り、この年にポール・ニューマンは亡くなりました。

Clea Newman Soderlund と Big Red 父を彷彿とさせるポーズでキメッ!

このオークションでの収益金は、ポール・ニューマンが設立した慈善団体などに寄付されることとなっています。何とも太っ腹ですね。まぁ “” は、くだらないのは決定的です。本当に注目に値するモデルです。

若かりし日のポール父ちゃんと娘のクレア。そう、ビッグレッドポールの腕にあります。このポールは、娘のクレアが乗馬でのタイムを計れるようにと、常にクロノグラフのプッシャーを緩めて使えるようにしていたそうです。デイトナでタイムを計るとか、実用している人を初めて見たし、それがポール・ニューマンというのも、面白い話です。

果たして、価格はどれほどになるのでしょうか?

 

と、もう一つ、目玉となる時計が出品されます。これも有名人の時計です!こちらもハリウッドレジェンドなんです。

この写真でわかる方いますか?カメラ持っているモミアゲ太郎でもなく、その右のホセ・パンチョ(仮名)でもありません。真ん中のレーサー、彼の右手にはスクエアタイプの腕時計と、右肩には何かしら見覚えのあるスポンサーロゴが・・・

そう、彼です。「栄光のル・マン」は1971年に公開された本格カーレース映画の名作。

スティーヴ・マックイーン自身が魂を込めて作り上げた映画でもあります。そしてこの時計、タグホイヤーモナコは、一躍大人気モデルとなりました。

実はこの映画に用意されたモナコ6本存在していると言われています。そのうちの4本が道具係のドン・ナンリーが保有しており、オークションに出されました(そのうちの2本タグホイヤー博物館が保有)。それ以外の2本のうち1本は、スティーヴのビジネスパートナーであるウイリアム・マーハーの手に渡り、2009年アンティコルムのオークションで87,600ドル約900万円)で販売されました。みんな売っちゃうんですね・・・

で、最後のこれですよ。

TAG Heuer Monaco Ref.1133 です。この時計、他との決定的な違いがあります。それは、この時計が唯一、映画の中で着けられていたモデルであり、スティーブによってケースバックメッセージを刻印された個体なのです。

読み取りづらいですが、“TO HAIG Le MANS 1970” と刻印されています。これは1970年に映画のチーフメカニックでもあり、スティーブパーソナルメカニックでもあった、ヘイグ・アルトゥニアンに贈られた時計なんです。

彼はこの重要な時計を渡されたときは、「いやそれ、大事な記念だから息子さんか家族で大事にしたら?」と断ったそうですが、

「へへ、もうおせーよ。オメェの名前彫ったんだよ」

と言われたそうです。それから半世紀、彼は大事にしていました。しかも彼、自慢することなく日々過ごしていたそうです。しかし2015年のドキュメンタリー「スティーブ・マックイーン :  The Man & Le Mans」でその事実が出た時、友人の時計コレクターから連絡があったという。

「マヂか、あのモナコ、ヤベェぞ!」

そういうな否や、その友人はヘイグフィリップスに連れて行ったという。オークションハウスのフィリップス側も大興奮し、出品を必死に勧めたという。しかしヘイグにとってこの家宝を手放すと決断するのに、3年を要したといいます。そして2020年、映画の撮影から50年ということもあり、自分の年齢や健康、家族への遺産などを考え、出品することとしたそうです。

かなりの激レアピースということで、こちらも高額落札が期待されます。ちなみにヘイグですが、スティーブから ノートン コマンドー というバイクももらったそうで、これはまだ手放さないそうです。

2020年12月12日のオークションが楽しみですね!