あなたの知らないロレックス by SINGER その1
- 2020.05.06
- ヴィンテ-ジ・ロレックス オメガ デイトナ ロレックス 時計情報局 海外ブランド
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新型コロナウイルスの影響で休みの日は外出を自粛しているため血流が悪くなり、抜け毛の進行度合いが早くなっている。お金を給付するのもいいですが、毛髪も給付して欲しいのは私だけではないですよね? と、ハゲ散らかしているオサーンです。何でもコロナのせいにする悪いクセが出てきています。
さて、SINGER社(シンガー社)という会社をご存じでしょうか? 有名なミシンの会社? そうではありません。正式には、”Jean Singer & Cie SA” と言いますが、現在も営業している大きな企業です。これも、古くからロレックスやその他の時計に対し、(マニアックに)興味のある人なら結構知られている会社です。
1919年、スイスのラ・ショード・フォン(La-Chaux-de-Fonds)で創業。この地は、スイスでも有数の時計産業の町であり、タグ・ホイヤーやジラール・ペルゴなどが本社を置いていますし、ロレックスもロンドンからスイスへ進出した時には、この地で事務所を開設しましたし、”ROLEX” という名称を商標登録した地でもあります。
前置きが長くなりましたが、このシンガー社は何をしている会社かというと、
「時計の文字盤製造」
の会社なのです。
ロレックスは今でこそ、全てのパーツを自社で製造しているマニュファクチュールですが、近いところで デイトナ Ref.16520 などは、ムーブメントをゼニス社から提供されてロレックス初の自動巻きクロノグラフ(エルプリメロ・エルプリデイトナと言われている)を作ったのは有名です。
そう、文字盤製造もかつては外注していました。専門的に文字盤を製造しているシンガー社は、完璧を求めるロレックスには必要不可欠なパートナーでした。そして、数々の文字盤をシンガー社はロレックスに提供しました。どんな会社でも、今まで携わった仕事の資料というのは、災害などがない限り残っているもので、もちろんシンガー社はロレックス用に製造した文字盤の資料を残しています。
ここで興味がわいてくるのが、「製品化されなかった文字盤も記録にあるのか?」ということです。いくつかのモデルはどういう経緯なのかは不明ですが、オークションに流れて高値が付いています。例えば、先日ご紹介したエリック・クラプトンが保有していたプロトタイプのヨットマスターです。
そして、実はこういったロレックス用に(ロレックスだけではないですが)製造した文字盤の記録がやはり残っています。それがこの資料です。
この本に記載されている文字盤は、ロレックスの歴史的な資料として普通では見ることができないようですが、これを元に作られたコレクションブックが海外では作られています。下の画像の本はこれから発売される2020年版ですが999冊限定販売、約50万円です・・・アゴ外れそうな価格の本ですね。
そしてこれからが本題。では一体、お蔵入りになった文字盤、プロトタイプの文字盤などって、どんなものがあるのか興味があるはずです。少しずつ見ていきたいと思います。
この 「これぞプロトタイプ」というルックスは、逆に製品化して欲しいほどクールですね。シングルカウンターのみの、シンプルクロノグラフ。しかもヨットマスターという表記。”ポールニューマンダイヤル(改)” といった感じです。シンガー社の製造したオメガのスピードマスターにも、実は同じような文字盤があります。
クロノグラフは、ツーカンウターやデイトナのようなスリーカウンターが格好いいと思っていましたが、このシンプルで控えめなシングルカウンターが気に入ったのは、オサーンだけでしょうか?すごく欲しいです・・・
そして下の画像はシンプルなポールニューマンダイヤルです。こちらもプロトタイプのモノで、これらロレックスに関する歴史的な本を執筆しているイタリアの有名なロレックス研究家曰く、”ネアンデルタール人(Neanderthaler)“とネーミングしています。センスがあるかどうかはわかりませんが、飾り気のないピュアなポールニューマンの原型ということで、そう名付けたのでしょう。センスがあるかは、わかりません(二度目)。
ということで、紹介していないプロトタイプの文字盤はまだまだ多数あります。次回も引き続きご紹介しますので、よろしくお願いします。
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