ロレックス 1920年代~1930年代のクリスマス広告

商売をする上で、宣伝活動は不可欠です。それはたとえ、認知度が高まって、人気があったとしても、だ。

企業はその収益から多額の宣伝費を使う。この絶え間のない繰り返しで、上り詰めていくもんです。

かくいうロレックスとて、そうである。

今回はロレックスの広告、特にクリスマス用広告を1920年代~1930年代にかけて見てみたいと思います。


1926年

 

1926年の広告です。アール・デコスタイルのデザインがその時代を感じさせるものの、今でも十分オシャレな感じがしますね。

しかし不思議なことに、この年はロレックス・オイスターが誕生したにも関わらず、広告では触れていません。興味深いです。

1927年

その翌年の広告です。ここに出てくる人物ですが、メルセデス・グレイツェといいます。彼女は女性初の、ジブラルタル海峡を泳いだプロスイマーです。そう、オイスターを世界に広めたんです。

そしてスローガン、”MAKE IT A ROLEXMAS” と書いてあります。「ロレックスマス、しましょ」みたいな感じですね。

 

1928年

オイスターケースの宣伝は一年前にしており、今回は様々なモデルを掲載しております。右上には、世界初の防水時計オイスターがあります。ロレックスの王冠ロゴが実は1925年に登録されていますが、掲載されているモデルにはプリントされているものがありません。

そしてどのモデルにも、まだモデル名が付いていません。全ては番号での表記となっています。ちょっと面白いです。

 

1930年

ブランドとしての地位を着実に築き、少し余裕を感じさせるデザインに感じます。女性の絵の下の分、冒頭に “A Rolex wristlet” と表記されています。女性メインに広告が作られている為か、腕時計装飾品として押し出しているようです。

 

1931年

この年も、前年に続いて同じデザインの女性が登場します。この年代で旋風を巻き起こしたアール・デコスタイルの広告、この年は、ロレックスにとっても大きな一年でした。それは、”パーペチュアル” です。今ではほとんどのモデルにプリントされている “Oyster Perpetual” という一行ですが、このオイスター1926年にデビューした世界初の防水ケース。そしてパーペチュアルは、世界初の”自動巻き” のことです。

ロレックスの歴史に刻まれる大きな一年です。

 

1933年

1933年フランスでの広告です。クリスマスツリーと共に前面に押し出されているのは “プリンセス” です。書かれている内容はよくわかりませんが、完全に女性を意識した広告なんですね。

 

1934年

とうとう広告にロレックス王冠マークが登場してきます。このロゴが登録されてから、やっと登場といったところです。そして注目すべきは、今では普通に目にする丸形ケースオイスターです。エクスプローラーIのような、今に至る原型とも言うべきモデルですね。

 

1935年

1935年フランスで出された広告です。”NOEL” とは、フランス語で “クリスマス” を意味します。まだまだドレス系を前面に出している広告ですね。

 

1936年

この広告は、イギリスでは歴史のある「パンチ」という週刊風刺漫画雑誌に掲載されたものです。真ん中上のモデルは、”オイスター・エジプシャン“なんて名前がついてますね。デザインも面白いモデルが多く載っています。

 

1937年

こちらもまた、フランスで出された広告です。おいすたオイスターではなくプリンスを前面に出しています。広告の最後に、世界の支店を持つ都市を掲載しているのでしょうか、”OSAKA” が見受けられます。

 

1938年

1938年に作られたフランスの広告です。フランスの広告に描かれる絵は、凄くセンスがいいですね。そして今回の広告に掲載されているモデルが、スポーツモデルが多くなっています。そして気が付けば、広告の対象が男性へと変わっています。

 


今回はこの辺で終わりです。広告とは直接関係ありませんが下の写真です。

こちらは私達、ロレックス信者が敬愛する人物であり教祖様でもある創設者、ハンス・ウィルスドルフです。あまりにもハイ-ウエストなのに気にしない、そんなハンスに私は惚れてます。

左のズル剥けティアドロップサングラスの人物は、1962年〜1992年までの30年間ロレックスの黄金期の土台を作り上げたアンドレ・ハイニガー元CEOです。その左はハンスの(恐らく)、右側はロレックスの役員連中です。

この写真の出先はスイス時計愛好家ジョエル・ラプラスという人物から。彼は先日、古いロレックスのポスターを購入したそうです。

なかなか素敵ですよね。しかも落書きがしてあったそうです。

そのには、「ブライトリングの方が良いよ」と。実際にどこかで貼られていたポスター、当時の落書きもオシャレに感じます。