並行店でGMTマスターを買う前に読んどきゃ少しためになる話

ロレックスプロフェッショナルモデルでここ数年の間に大人気モデルへと駆け上がっていった印象のある”GMTマスター“。現行モデルを見てみると、ステンレスモデルはもちろんこのと、金無垢モデルまで品薄となっています。そうなりゃ、「並行店でチェック!」なんですけど、並行店には現行モデルからヴィンテージモデルまで数多くあります。

庶民には一生に一度の買い物かも知れません。そんなときはこれを読んで、ハゲるまで考えましょう。ちなみに、内容はGMTマスターだけではなく、ヴィンテージ腕時計購入全般に言えることもありますので、少しでもお役に立てればと思います。


2種類のGMTマスター

左:GMTマスター1 右:GMTマスター2

現行モデルのGMTマスターには選択肢がなく一択になりますが、並行店で探す場合は2種類あります。何のことかと申しますと、1999年まで”GMTマスター(I)“というのが製造されておりました。1983年に”GMTマスターII“の1stモデルが発表されましたので、約17年もの間、”1“と”2“が並行して販売されていたことになります。この2種類の違いを簡単に説明しますと、“1”は異なる2つの時刻を把握可能であり、”2″は最大3つのタイムゾーンを把握することが可能であるということです。

こう見ると、「“2”の方がいいじゃん」となりがちですが、一概にそういうわけではありません。”1“の特徴は、「デイト」の変更が単独でできるのに対して、”2“はできません。しかし”2“は、「時針」を単独で動かせるようになっております。3ヶ国のタイムゾーンをどうしても知りたい人は”2“一択ですが、そうでない人は、”1“も視野に入れてはどうでしょうか?

数ある色と素材

ドレスラインのデイデイト・デイトジャストなどは豊富ですが、スポーツラインのモデルの中では群を抜いてカラーバリエーションが豊富なのがGMTマスターです。ベゼルに使用された素材も、初期モデルにはベイクライト(樹脂)もあり、アルミニウムセラミックなどがあり、カラーは、赤青の”ペプシ“・赤黒の”コーク“・茶金の”ルートビア“・青黒の”バットマン“・茶黒の”カフェオレ“、単色ではなどがあります。
素材は、一番人気のステンレスイエローゴールドコンビイエローゴールドホワイトゴールドローズゴールドコンビローズゴールドがあります。
ブレスレットは、オイスターブレスレットジュビリーブレスレットの2種類。
文字盤は、基本的にはですが、グリーンブルーメテオライトホワイト(激レア)などがあります。

全ての種類を組合せられるわけではありませんが、種類は圧倒的に多いですね。

年代別(リファレンス)に見る

ここでは、製造された年代を大きく3つに分けてみたいと思います。4桁の品番の時代から現在は6桁となっています。それぞれの特徴を掴んでおきましょう。

4桁〜5桁前半 初期モデル

Ref.6542-instagram
Ref.6542

カテゴリーとしては、ヴィンテージロレックスと呼ばれる時代です。1955年にRef.6542がデビュー、最初はベイクライトという樹脂で作られたベゼルのペプシでした。しかし間もなくアルミ製のベゼルに変更となり、ベイクライトベゼルは短命で終わりました。ラインナップはステンレスゴールドですが、ゴールドモデルは製造数がかなり少ないのでかなりレアです。
1959年にRef.1675がデビュー。大きな見た目の変更点は、リューズガードが付いたことと、ベゼルカラーが赤青に加え、茶金が仲間入りしました。レギュラーモデルではない特注の(ブルーベリー)ベゼルもRef.1675にあります。また、素材がステンレスゴールドコンビネーションと3種類となりました。

Ref.1675-instagram
Ref.1675

1980年頃になると、3rdモデルのRef.16750が登場します。新ムーブメント搭載で、デイトのクイックチェンジが追加されます。こちらもコンビネーションモデルRef.16753ゴールドモデルRef.16758がラインラップされました。
1983年にロレックスは3つのタイムゾーンを知ることができるモデル、GMTマスターIIの1stモデルRef.16760、通称”ファットレディ“を発表します。このモデルは赤黒コークベゼルステンレスのみの展開となり、わずか5年という短命に終わりました。

これらのヴィンテージモデルは現在、価格が高騰しているものがほとんどですが、一部、手の届く価格のものもあります。

5桁 中期モデル

 

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Ref.16700

1988年にGMTマスターI Ref.16700を発表します。このモデルはペプシ・黒単色の2種類のベゼル展開、素材はステンレスのみということでした。このRef.16700を最後に、GMTマスターIはロレックスから姿を消します。ということは、”1“が欲しい人は、このモデルが最新となり、程度のいい個体もここに多く存在しております。
そして1990年にこのGMTマスターシリーズに登場したのがGMTマスターII Ref.16710です。ここで一気にカラーバリエーションをこれでもかと爆発させます。ステンレスモデルで”ペプシ“・”コーク“・”黒単色“の3パターン、Ref.16713コンビネーションモデルで”ルートビア“こと茶金を、Ref.16718ゴールドモデルで単色茶・単色黒の2種類がリリースされます。

Ref.16710-instagram
Ref.16710

6桁 後期/現行モデル セラクロムベゼルの時代

Ref.116718LN

2005年、ロレックスゴールドモデルであるGMTマスターII Ref.116718LNを発表。セラクロムベゼルを搭載して今までのアルミベゼルとの違いを見せつけます。その3年後にはステンレスモデルRef.116710LNを、そして2013年にはとうとうセラクロムベゼルでツートーンカラーのRef.116710BLNR、通称”バットマン“を発表します。続いてホワイトゴールドRef.116719BLRO”ペプシ”も発表。
その後の現行モデルはご存じの通り、大人気となっていますね。

こうして現在のモデルへと繋がっています。

オリジナル性を見る

今までは、GMTマスターの種類などのお話でした。最後は、並行店で買う時に注意したい見落としがちな部分です。ロレックスのマニア度合いが深くなればなるほど拘り(こだわり)が強くなるのは当然です。私もそうです。ここで重要視したいのがオリジナル性です。
ヴィンテージモデルのオーバーホールされた個体では、元々その時計に付けられていたパーツが新しくなっていることがあります。もちろんオーバーホールには劣化した部品の取り合えは当然されるでしょうが、夜光塗料の劣化でも針・文字盤の交換がなされます。その結果、当時の夜光塗料とは違うものが組み付けられます。たとえば、トリチウム夜光の針からルミノバ夜光の針、ルミノバ夜光からクロマライト夜光などです。そして取り換えられた元の部品は返品されません。”当時物“を拘るのなら、これは大きなマイナスポイントです。しかしこれらは正規のメンテナンスを受けているので、まだ許容範囲という人も多くいます。私もこれは致し方ない部分だと思います。
それに対し、社外品のパーツを流用しいる場合もあります。確かに1960年代あたりの個体になると、オリジナルパーツがなく、オーバーホールをするならば社外品を使うということとなるのでしょう。しかしこれはショップによっては買い取り拒否、個人売買でもトラブルの原因となる事案です。自分が納得して購入する分にはいいのでしょうが、手放すときは要注意ということです。こういうトラブルを避けるためには、やはり信頼のおける並行店での購入をオススメします。個人売買では見抜けない点だと思います。


ということで、今や大人気のロレックス GMTマスターですが、購入範囲も視野を広げてはいかがでしょうか。現行モデルステンレス200万円オーバーの今、ヴィンテージモデル200万円出せば結構状態の良いのがあります。どうしても欲しいモデルが現行モデルならそれを買うのが一番です。しかしそうでなければ、資産価値が右肩上がりとなるヴィンテージロレックスを今のうちに買う、という選択肢は間違いではないと思います。

※決して私は並行店のまわし者ではありません。