ロレックスのブレスレット・ベルトを考察する
- 2019.07.31
- ロレックス 時計情報局
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ロレックスの新作モデルが登場すると、そのモデルの見た目の変化を注目しますよね。どのようなカラーを新たに使ったのか、はたまたどんな素材を使ったのか。重要視する部分は人それぞれですが、ここ最近、かなり注目を集めだしている箇所があります。それは顔ではなくベルト部分、そうです、ブレスレットです。
ヨットマスターに採用されたラバーベルトは今やデイトナにも、ちょっとリッチなジェントルマンの雰囲気のある5連ジュビリーブレスレットが、大人気スレンレスモデルのGMTマスターIIに採用されるなど、顔だけではなく、その裏方にまで大きな注目を集めています。言うまでもなく、ロレックスはそのブレスレット・ベルト部分も重要視しております。
というわけで今回は、ロレックスのブレスレット・ベルトについて考察してみたいと思います。
ブレスレット
オイスターブレスレット
堅牢性を求めるなら、この3連リンクであるオイスターブレスレットです。1930年代後半に、ロレックスは自社製のオイスターブレスレットを開発します。そして現在、全ての素材でオイスターブレスレットは存在しています。
イエローゴールド・ホワイトゴールド・エバーローズゴールド・ステンレス・各コンビネーション・プラチナ。そしてモデルとしては、サブマリーナ・エクスプローラーなどはオイスターブレスレットモデルしか存在しません。
そして、約5mmの延長が可能なイージーリンクというシステムが、クラスプ部分にあります。その上、ダイバーズモデルにはグライドロック・エクステンションシステムやフリップロック・エクステンションシステムというのも搭載していたりと、実は只者ではないブレスレットをロレックスは開発しているのです。またクラスプについては、後ほどご紹介します。
ジュビリーブレスレット
数年前までは、「オヤジ臭い」というレッテルを一部ではありますが貼られていた、というか若者には不人気のブレスレットのモデルであった。遡れば1945年にリリースされたデイトジャストに初めて使われました。細かい5連のブレスレットで高級感がある反面、リンクする数が多くなるので、堅牢性はどうしてもオイスターブレスレットに比べれば劣ってしまう。しかし着けてもらえればわかるのだが、装着感に長けているブレスレットです。

このジュビリーブレスレットが一気に注目を集めたのが、2018年に発表された”GMTマスターII Ref.126710BLRO“の存在です。実は”GMTマスターI“時代からジュビリーブレスレットは採用されていたのですが、ロレックスへの熱狂ぶりが現在と違うのが大きな要因でしょう。大人気モデルへのし上がったペプシカラーのGMTマスターIIがステンレスジュビリーブレスレットでカムバックしたことと、2019年に発表された”バットマン“こと青黒ベゼルのGMTマスターIIもジュビリーブレスレットということが、今のジュビリー人気の柱となっているに違いないでしょう。
プレジデントブレスレット
よくジュビリーブレスレットと間違われるのだが、大きく違います。それは素材の問題ではなくリンクの数です。よく見るとこれは3連ブレスレットです。1956年に発売されたデイデイトに採用されたのが始まりです。この18Kイエローゴールドのモデルが第34代アメリカ大統領、アイゼンハワー氏に贈られたのが、ネーミングの由来です。
そしてこのプレジデントブレスレットは、レディースデイトジャストにも採用さています。やはり着け心地はさすがと言えます。ワンランク上の着け心地を体験できます。

ブレスレットを側面から見てみると、特徴的な”半円形の3連リンク“を見ることができる。また、プレジデントブレスは中央が光沢のある鏡面仕上げになっています。鏡のように磨き上げられている美しい仕上がりです。
オイスターフレックス

完璧を求めるロレックスが研究の末開発したラバーベルトが2015年にヨットマスターに採用されたのが始まりです。ただのゴムバンドではございません。なんとベルトの片側で約4万円、セットで約8万円!と価格の問題ではございません。それはそれで驚愕ですが、やはり着け心地も考えられております。ベルトの内側には羽のようなものがあり、時計と腕に隙間が若干生まれるようになっています。
時計を外した時に、このフィンのような筋が腕に付いてしまいますが、そのお陰でムレを軽減させています。後に、デイトナにも採用されておりますが、金無垢モデルにのみの採用となっております。

レザーストラップ
高級ドレスウォッチのイメージが強い革ベルト。もちろんロレックスにも存在しており、デイデイトはもちろん、金無垢ケースのスカイドゥエラーは、正規店のプロフェッショナルモデルのショーケースを辛うじて死守している代表格でもあります。実際のところ、スカイドゥエラーはドレスラインなんですけどね・・・
そしてこの革ベルトですが、金無垢ケースのデイトナにも採用されておりましたが、オイスターフレックスに取って代わりました。その前にはカラフルな革ベルトを装着したデイトナビーチというものありました。

パールマスターブレスレット
パールマスターブレスレットは角がなくやわらかな丸みを帯びた、洗練された5連リンクのブレスレットです。1992年に発表されたパールマスター用のブレスレットとして製造されました。これまでに紹介した定番ブレスレットとは違い、サテン仕上げとなっていることが特徴です。

パールマスターブレスレットはご覧のように丸みのあるブレスの曲線により、手首を包み込むようにフィットします。この装着感に優れているブレスレットは、コアなファンに根強く愛されています。
オイスタークォーツブレスレット

オイスターブレスレットのようで、ちょっと違う。そんな特殊なオイスタークォーツに使われたブレスレットです。ロレックスはオイスタークォーツを別の路線というか、仕様を特別に施しております。ちなにに”オイスタークォーツブレスレット”と言われている訳ではありません。ネーミングがあるのでしょうか・・・

コンビネーションモデルのオイスタークォーツは、インテグラルブレスレットとなっています。そして超特別仕様の金無垢は、めちゃくちゃ格好いいです。好みにもよりますが・・・

オイスタークォーツのイエローゴールド特別仕様、ピラミッドダイヤル(インデックス)×ビラミッドブレスレットです。これはイカツイですね。反社臭がプンプンします。格好いいです。
キングミダースブレスレット

ヴィンテージロレックスのドレスラインに存在した”King Midas“ですが、特別なブレスレットをしています。これもインテグラルブレスレットですね。1970年代に販売されていたモデルですが、隠れた人気があります。

仕様・クラスプ
リベットブレスレット
一見、普通のオイスターブレスレットに見えますが、実は現在は使用されていないベルトです。アンティークロレックスファンに今でも根強い支持があるようです。このブレスレットは全て金属の板を組み合わせて作られています。ピンをネジではなく、サイドでカシメて構成したことで独特の雰囲気を醸し出しています。

リベットブレスはヴィンテージ感のあるアンティークブレスレットです。現行モデルにはない雰囲気があり、これを探しているマニアも多いと聞きます。現在でもリベットブレスが使用さえているヴィンテージロレックスは、古き良きロレックスを体感できます。
このブレスレットのデメリットは、ネジで駒を外す事が出来ないので、ブレスの調整にある程度の技術が必要となることです。調整には経験のある技術者にお願いするのが得策です。
巻きブレスレット
両側のパーツが金属板を折り曲げて形成されたブレスレットを通称「巻き込みブレス(Folded Link Bracelet)」といいます。
1960年代後半から1970年代後半まで採用されていましたが、大きな難点があります。それは、サイズ調整です。折り曲げられた金属板を剥がすように行なうため、専門の時計店や職人によって行なう必要があります。
また、それ以前のブレスレットと比べると強度面では向上しているのですが、ブレスレットの大敵、”伸び“を起こしているモノが多いのが現状です。古いブレスレットで製造はされていないので、良コンディションのモノを探すのは至難の業となっています。
オイスターブレスレットだけではなく、ジュビリーブレスレットにも存在します。
オイスターロッククラスプ
オイスターブレスレットとレザーベルトに採用されており、幾つかの種類が存在しています。特に2004年発表となったターノグラフ(Ref.116264)より採用されている新世代のクラスプではイージーリンクを備えており、シンプルかつ操作性に優れた構造をとなっている。強度面も優れており、旧世代と比較すると重厚感が増したほか、デザイン面も無駄を排した洗練された印象を感じさせてくれる。プロフェッショナルモデルでは2重のロック構造となるオイスターロック(フリップロック)を備え、ディープシー(Ref.116660)では加えてダイビングスーツの着用を想定されたグライドロック機構が搭載されたクラスプが採用されており、用途に即して各モデルに採用されている。
グライドロックシステム
工具を使用しなくてもブレスレットのサイズを最長2cmまで延長可能にした。延長部分はバックル内側に固定されており、ロックを解除しスライドさせる事で2mm間隔で調整が出来る。
フリップロックエクステンションリンク
シードゥエラーに搭載された耐蝕性に極めて優れたオイスタースチールで製造されたこのダブル エクステンション ブレスレットは、まさに「海中居住者」のために設計された。特許を取得したロレックス グライドロッククラスプは、最大約20mmまで2mm刻みに調節することができ、フリップロックエクステンションにより、さらに26mmまでの延長が可能である。これにより、どんなダイビングスーツの上からでも、快適で安定した装着感を実現します。
コンシールドクラウンクラスプ
ジュビリーブレスレットとプレジデントブレスレットに存在するクラスプです。画像を見てもらえればおわかりだろうが、クラスプ部分のつなぎ目がわからないようになっている。クラウンクラスプとも言われており、ドレッシーに見えるようなデザインとなっています。
時計本体だけでなく、ブレスレット部分にも開発を広げているロレックス。各ブランドも様々なブレスレットを採用しておりますが、やはりロレックスは実用性と堅牢性、美しさのバランスが素晴らしいと思います。
古いモデルを探せばまだまだあると思います。またご紹介できる時があれば、お披露目したいと思います。
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