ロレックス コスモグラフデイトナ Ref.116520の魅力を今一度考察する
現行モデルのデイトナって、もうこれ以上ない完成されたデザインだと思っています。白と黒のダイヤル2種類、これは自動巻きになったRef.16520(エルプリメロ)からステンレス素材に使われるダイヤルカラーです。
そのエルプリメロというゼニス社製のムーブメントを搭載したロレックス初の自動巻きクロノグラフがRef.16520ならば、ロレックスが悲願であった自社製クロノグラフムーブメントを完成、搭載したのがRef.116520です。
【中古】ロレックス 3年保証 デイトナ Ref.116520 ブラック (ROLEX Daytona)【楽ギフ_包装】
下の価格をご覧いただければお分かりだろうが、Ref.16520は、もう手の届かないほど高騰してしまいました。
しかし後継モデルのRef.116520は、まだ何とか買えます。今回は、もう製造することのないディスコンモデルである先代デイトナをフィーチャーしたいと思います。
このモデルは2000年に発表されて以来、2016年まで製造されていました。実に15年以上も製造され、しかも人気モデルだったということから、市場へはかなりの玉数が流れておりました。
しかし今ほどの高級時計ブームではなかった為、ライバルはまだ少なく、それほど苦労をしなくても買えましたし、ほとんどのスポーツモデルが並行店で買う方が安い時代でした。デイトナを東京の正規店で並んでいたのを目撃したこともあります。
そして並行店でもある程度の在庫を抱えているのが普通でした。実はこのモデル、新作が発表された2016年あたりまでは、120万円台で並行店では売られているのが普通で、新品では140万円台ぐらいだったと記憶しております。それ以前は、100万円あたりでも売っていました。
いつ新作が出てもおかしくない状況でありながら価格がそこまで上がらなかったのは、はやり玉数の多さが原因なのではないでしょうか。
しかし2016年に現行モデル、Ref.116500LNが発表されると同時に、Ref.116520は製造終了します。しばらくは価格の動きは緩やかでしたが、新作の116500LNが一気に並行店での価格が200万円まで上昇したことも影響し、引っ張られるように上がっていきました。それでも150万円ぐらいで販売しているショップが多かったと記憶しております。
2018年に入り状況が一変します。高級時計ブームです。これまでRef.16520(エルプリメロ)が200万円台で流通していたのが、一気に300万円台へ突入。同じくRef.116520も200万円を突破するようになります。その後Ref.16520は上昇を続け、400万円台までタッチします。
長期に渡って製造されていたRef.116520は、その製造期間中にさまざまな変化をもたらしていました。有名なところでは、製造終了直前にブレスレットのクラスプ部が、サテン仕上げから鏡面仕上げへと変更になったことです。鏡面バックルと呼ばれる個体は、シリアル番号がランダムになってしまった今、Ref.116520の最終製造モデルという判断材料となっており、価格が高騰しています。
しかし、初期のRef.116520にも不思議な個体が存在します。それは、経年変色するダイヤルを持つ個体です。これは白文字盤の初期に存在し、白がクリーム色に変色しています。しかし少しの変色では同じ白文字盤と並べて比較しないとわかり辛いです。
ここで簡易的な判断方法があります。それは、画像の赤く囲った部分です。
「27分と33分」を示すインデックスの長さです。クリームに変色する個体は、この部分が画像のように他の部分と同じ長さになっているのがわかります。対して後期のモデルは青で囲ったこんな感じです。
「SWISS MADE」というプリントの邪魔にならないように仕様変更したのか、「27分と33分」のインデックスが短くなっています。ということは、変色する可能性を考えるなら、初期生産の長い方で”ワンチャン“狙ってもいいかと思います。変色したら、ラッキーですね。クリーム色に変色した個体は、不思議なもので価格が跳ね上がります。
ROLEX ロレックス デイトナ Ref.116520 P番 クリームダイアル【中古】
他にも、時分針の太さやタキメーターベゼルの字の太さなど、長期に渡って製造されてたが故の様々なレアポイントがあるのがRef.116520の良さ、楽しさではないでしょうか。
高年式の鏡面バックル仕様など、付属品や状態がある程度良い個体だと、2019年10月現在だと250万円ぐらいではないでしょうか。
ROLEX ロレックス デイトナ 116520 ランダム番 鏡面バックル クロマライト【中古】
しかしこればっかりは相場なので「この価格なら買い」というのは難しいですね。しかし若干短期間ではありますが、約12年間製造されていたRef.16520(エルプリメロ)が400万円近くまで上昇しているということは、この先数年後、多少の誤差はあるかもしれませんが、Ref.116520も同じような道を歩むのではないでしょうか。それがロレックスの歴史でもあります。
-
前の記事
GRAND SEIKO Spring Drive Godzilla 65th Anniversary Limited Edition SBGA405 2019.10.09
-
次の記事
ジャスティン・ビーバー 結婚して「地味で安い」時計を買う 2019.10.12