ロレックス デイトナの歴史【黎明期編】

はじめに

今や、時計ブランドではNo.1の人気を誇る“ロレックス”。そしてその”ロレックス”の中でもNo.1の人気と言っても過言ではないモデル、それは”コスモグラフ・デイトナ”で異論はないだろう。2018年現在の現行ステンレスモデルであるRef.116500LNは税込み定価、1,247,700円という宝石や金を使っていないステンレスの時計としては、決して安くはない。しかしこの定価で買えることは「かなり稀(まれ)」で、今すぐ欲しければ、並行輸入品や中古品でも2倍の250万円ほどの出費は覚悟しなければならない。

そんな大人気モデル”コスモグラフ・デイトナ”とはいったいどんな時計なのか?誕生から現在までのストーリーを紐解いていきたいと思う。

黎明期》

ロレックスクロノグラフの歴史を紐解いていくと、1930年代に遡る。当時、ロレックスは一定距離の平均速度を算出するタキメーターや距離を計測するテレメーター、脈数を測るパルスメーターをダイヤルに搭載されたロレックス初のクロノグラフ「コスモグラフ」を発表した。

Ref.2508

”Ref.2508”は1000ベースとしたタキメーターを外周に、すぐ内側にテレメーターとなり繊細でいて細かすぎるスケールは当時の拘りを見せつけ、35mmとなるケースは“Ref.2508”特有のフラットなカラトラバベゼルとなり見ただけでその存在感は圧倒的なものであった。

1955年、ロレックス「ダイヤル外輪にタキメーター・内輪にテレメーター」、そして「クロノグラフ」とプリントされたダイヤルを搭載した”オイスタークロノグラフ Ref.6234”を発表した。

Ref.6234

ちなみに「タキメーター」とは、1kmの距離を走行した時のタイム(60秒以内)を計測することにより、おおよその平均時速を簡単に知ることができる機能です。「テレメーター」とは、光速と音速の速度差を利用し、2つの離れた地点間の距離を計測するクロノグラフ機能、またはその目盛りのことである。

この”Ref.6234”は約6年間製造されたのだが、ロレックスにとっては初めてのクロノグラフ製造という信頼性のなさ、その反面、他社のクロノグラフが経験と技術という面ではるかに優位に立っていたことがあり、決して人気のあるモデルではなかった。

1960年代に入る頃、ロレックス”コスモグラフ Ref.6238”を発表。発売当初のモデルは、Ref.6234との違いがそれほどなかったのだが、マイナーチェンジ後はバトン針と切子面のあるインデックス、単色ダイヤルを採用したより現代的なスタイルを導入し、大きなデザイン変化が行われた。

Ref.6238

Ref.6238になり、タキメーターはダイヤルに残されたが、テレメーターはなくなった。ベゼルは37mmのケースになり、ポリッシュ加工された丸みのある形となった。バルジュー製Cal.72クロノグラフムーブメントロレックスに手を加えられ、1965年から1967年にかけてCal.72Bへ、それからCal.722へと変わっていった。それに伴い、ロレックスのクロノグラフの人気は、着実に上がっていった。

後にこのモデルは「プレ・デイトナ」と呼ばれるようになり、今でいう「デイトナ」と名前が付けられる前のほぼ完成の域に達してきたモデルであった。この「プレ・デイトナ」はマニアの間で相当な人気であり、中でもステンレススティールケースのブラックまたはシルバーダイヤルの珍しいモデルは現在400万円~1,000万円以上で取引されている。

次回、ロレックス デイトナの歴史【成長期編】へと続きます。