【カスタム】Artisans de Genève が幻のGMTマスターを復活させる
- 2023.04.17
- GMTマスター ロレックス ロレックス・その他 時計情報局 海外ブランド
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「かつて作られたことがあった」という幻の時計って探せば色々とあるんでしょうが、そんなモデルを現実世界に復活させるメーカーがある。いわゆるカスタムなのだが、カスタム時計界では世界最高の技術集団といっても過言ではないブランド、アルチザン ドゥ ジュネーブ(Artisans de Genève)がこの度、幻のロレックスを復刻させるプロジェクト ”ジ・アンキャッチャブル” を発表。
2023年の新作としてチューダーから発表されたブラックベイGMTは、新たな素材でも、新たなベゼルカラーでもなく、新たなダイアルカラーで登場しました。
そのチューダーの新作と時を同じくして、このタイミングでアルチザンドゥジュネーブは 、ロレックスGMTマスターII Ref.116710を幻のモデルへとカスタマイズするオーダーの受注を開始。幻のモデルが、まるで “本物” のように生まれ変わる。それは一体、どういうことなのでしょうか?
今回のカスタムは。フランク・ウィリアム・アバグネイル, ジュニア(Frank William Abagnale, Jr.)という人物がキーパーソンとなっている。日本では「誰?」という存在かもしれないが、米国では伝説の人。彼のことを一言であらわすのなら、”天才詐欺師” だろう。彼の人生は S.スピルバーグ監督・レオナルド ディカプリオ主演で、「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」という映画として2002年に公開されている。その証拠に、彼はのちにこの能力が認められ、米国の連邦政府に雇われることとなり、今ではFBI(連邦捜査局)の講師や金融詐欺に関するコンサルタント会社を経営している。
その彼の人生については割愛するが、彼は数多くの職業をただ単に偽るだけでなく、偽造した身分証を使い実際にその会社の内部にまで潜入。今回のカスタムウォッチは、ここから着想を得ているようで、彼は世界中を飛び回りたいと思った16歳〜18歳のとき、パン・アメリカン航空の従業員(副操縦士にまでなった)になりすまし、250回以上も旅客機に搭乗し、26カ国を訪れたというとんでも野郎です。
左:F. アバグネイル 右:L. ディカプリオ
そんな彼が持っていたという損傷の激しいGMTマスターII Ref.116710が今回、アルチザン ドゥ ジュネーブの手によって、かつてパンナムエアーの特別な従業員のために100本程度作られたと言われているGMTマスター Ref.6542ホワイトダイアルとして生まれ変わりました。
ヤバイ!リベットブレス、ベークライトベゼル、エイジングダイアル・・・製造された当時ではなく、そのモデルが時を経て、エイジングして現在動いている・・・そんな時計へと作りあげられています。
今回、新たに作られた日付ディスク・文字盤・ベゼル、全てがエイジングしたように作られており、素晴らしいの一言。
外装だけではありません。時計内部の全てにおいて抜かりなし。
自然にエイジングしたようなダイアルだけではなく、アルチザン ドゥ ジュネーブの代名詞・シースルーバック化に伴い当然ムーブメントもお手入れをされ、ローターはゴールドに、ブレスレットはオリジナルのクラスプにしっかりと収まるリベットブレスレットを新たに作られています。
ベークライトベゼルの数字にも夜光がしっかりと使われている。仕事が完璧過ぎます。
もうアルチザン ドゥ ジュネーブではオーダーストップになっているのですが、これは本当に目の付け所が素晴らしいカスタムだと思います。やっぱり、アルチザン ドゥ ジュネーブの技術は、相当高いと思い知らされました。自分の時計もやって欲しいです。
ベースモデル | Ref. 116710 |
ケース加工 | リューズガード除去 |
ベゼル | ヴィンテージ加工 歯の加工 ベークライトインサート |
ムーブメント | Cal. 3186 |
ブレスレット | SSリベットブレス |
カスタム価格 | 約340万円(加工費のみ) |
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