H. MOSER & CIE. Swiss Alp Watch Final Upgrade Ref. 5324-1205

ここ最近、大きく知名度と人気が上昇している高級時計ブランド、H.モーザーからまた一つ、魅力的なモデルが登場した。もう見た目は完全にアップルウォッチのようなスマートウォッチと思わせる雰囲気。モデル名は、スイス アルプ ウォッチ という。アップルウォッチではない。とうぜん、「たまたま似たようなデザイン」になったわけではない。狙っているのだ。

当初、Swiss Alp Watch は、スマートウォッチへのアンチテーゼとして登場した。H.モーザーは、時計という物を使って様々な問題提起をこれまでしてきている。よくスイスブランドなどの時計にプリントされる “SWISS MADE” の表示にも疑問を持つ。その “SWISS MADE” の定義が「60%以上、製造コストがスイス国内での支払い」とかだった(うろ覚えですいません)と思うが、それでは本当の “SWISS MADE” と言えないのではないか。それに対して、ケースをスイスチーズで製造してみたりと、スイスに根付いた物を使うというちょっと尖ったセンスを今まで見せてきています。それらについては、以前も記事を書いていますので、そちらをご覧ください

スイスチーズを使って作ったモデル

時計作りに対する考えや想いは、それぞれあると思います。”こだわりどころ” というのはそれぞれ違っていたり、一部はクロスオーバーすることもあると思います。そのこだわりを非常に強く持っていて、世間に一石を投じる。

Swiss Alp Watch Concept Black Ref. 5901-0301

もう、この2019年モデルの Swiss Alp Watch なんて、針すらない。ダイヤルに見えるのは、真っ黒な文字盤と、トゥールビヨンだけ。ミニッツリピーターが付いているので、時刻はそのミニッツリピーターを鳴らして聞くしかありません。価格も4,000万円以上だったと記憶しています。 「機械式時計でも、針がなくても時間がわかる」とでも言いたいようなモデル。相当、尖がってます。

Swiss Alp Watch は、最初の段階ではコンセプトモデルであり、シリーズ化する予定ではなかったようですが、反響が大きかったのでしょう。これまでいくつかのモデルが登場してきています。そして今回が 「ファイナルアップグレード」として、シリーズ最終を感じさせるモデルとして投入してきました。

H. モーザー社の逆説的で皮肉めいた風変わりな Swiss Alp Watch(スイス アルプ ウォッチ)のファイナルエディションで、「スマートウォッチ」風のルックスに、試作と試験を繰り返した伝統的な機械式ムーブメントを組み込んだモデルです。Swiss Alp Watch Final Upgrade (スイス・アルプ・ウォッチ ファイナル アップグレード) は、DLC ステンレススチール製のケースに Vantablack® ダイアルが組み合わされています。秒針に代わって、6 時位置に配されたインジケーターが「ローディング」アイコンの動作を思わせるように回転します。

H. モーザーHPより

上記の説明にもあるように、6時位置にあるスモールセコンドは、コンピューターがロード中の時に “クルクル回るヤツ” のような感じになっています。面白いですね。そして「人工物で最も黒い物質」と言われるベンタブラック®を文字盤に使い、吸い込まれるような黒文字盤になっています。ベンタブラック®で、有名が画像がコレ。まるで合成のような黒ですね。

画像を加工して黒く塗りつぶしたように見えるこの最も黒い物質であるベンタブラック®。モノトーン、ブラック好きの人って多いと思います。特にブラック好きの人には、ベンタブラック®を使ったこのモデルは、非常に魅力的なのではないでしょうか。

ケースサイズ 38.2mm × 44mm
ケース厚 10.5mm
ケース素材 ステンレス(DLC加工)
防水 3気圧
ダイヤル ベンタブラック®
ムーブメント HMC 324
機能 時・分 / スモールセコンド/ パワーリザーブ
振動数 18,000/時(2.5Hz)
巻き上げ 手巻き
ストラップ アリゲーターストラップ
パワーリザーブ 96時間
限定 50本
価格 3,740,000円(税込み)