ロレックス 憧れのダブルネーム の起源と種類 前編

ロレックス 憧れのダブルネーム の起源と種類 前編

トイレに入っていてノックをされると、「はい、どうぞ」と答え、入っているトイレには「相席よろしいですか?」と言うのが最近楽しくなってきたオサーンです。
さて、今回のお話ですが、今では「過去の激レアモデル」としての扱いである”ダブルネーム“と呼ばれる個体。それは、ロレックス以外の会社(ブランド)名がプリントされている個体のことですが、種類は様々です。逆に今考えると、ダブルネームが入っているモデルを正規店で見ることがありません。ではその起源とはどういったものなのでしょう。

他社名が入った起源

もし無名のあなたがブランドを立ち上げたら、何をする必要がありますか?一つの答えに、知ってもらうこと=宣伝というのがあるかと思います。1905年に創業したロレックスは、当然のことながら”無名“にほど近いブランドでした。そこで考えたのが、「名の売れた社名を文字盤に入れてしまう」という作戦です。やはり時計という機械の信頼性と知名度を上げるには、信頼のおける会社、知名度のある会社の後押しが大きな力になります。ロレックスは販売契約を得ることができた一流の宝飾店などの名前を時計にプリントすることにします。
これが”ダブルネームの起源“です。

ダブルネームの会社

ではその販売契約をロレックスと交わし、時計にプリントされた社名はどんなものがあるのでしょうか。

The Goldsmiths Company ゴールドスミス・カンパニー

ゴールドやシルバー、プラチナなどの商品にはホールマークというのが付いています。ホールマークとは、金属製品の純度を証明する記号であり、信頼の証です。1300年、イングランド王・エドワード1世によって純金・純銀などの基準を決められたその当時から金属の検査を行っていたのが、ロンドンゴールドスミス・カンパニーです。ジュエリーなどの宝飾品のフェアなどを行う貴金属の専門集団です。
ロレックス取扱店としては世界初であり、文字盤に「NORTHEN GOLDSMITHS」の文字があります。「ROLEX」がなく、「NORTHEN GOLDSMITHS」だけの文字盤もあります。


Asprey アスプレイ

イギリスロンドン郊外にあるミッチャムで1781年にウィリアム・アスプレイが創業した老舗ブランドです。
1862年、ロンドンで開催された万国博覧会でAspreyの旅行ケースが金賞に輝き、ヴィクトリア女王王室御用達としてロイヤル・ワラントの名誉を授かることが出来ました。陶器、バッグ、ジュエリーなど、様々な分野に手を広げているAspreyの商品はキャサリン妃にも好まれ、時代は流れても王室の人々に愛され続けています。
文字盤に”ASPREY“と刻まれているのがこれにあたり、かなり古いノンオイスターの時計に見られます。


Bucherer ブッヘラー(ブヘラ)

高級時計ブランドとして最近目にすることがある”Carl F Bucherer“ですが、もともとは1888年に時計宝飾店としてスタートします。1919年、自分の名前を文字盤に入れた、独自の時計コレクションを発表。ここからブッヘラーの時計製造の歴史が始まります。ということは、時計ブランドは普通、職人が独立してブランドを立ち上げるというのが流れとして多いのですが、ブッヘラーは宝飾店としてスタート後、そのお客様の要望などを吸い上げた時計を作りあげたブランドと言えます。スイス国内で展開している主要12店舗でロレックスの時計を購入すると、ブッヘラーからロレックスのロゴがついた特製スプーンがもらえるそうです。


Mappin & Webb マッピン&ウェッブ

マッピン&ウエッブは1897年にビクトリア女王により王室御用達のブランドと認定されるイギリスの名門ブランドで、食器などが有名ですね。1900年代初期は時計やジュエリーも積極的に取り扱っていたことで、ロレックスの時計の販売も行っていました。


DUNKLINGS ダンクリングス

オーストラリアメルボルンパースに、非常に古くからあった、オーストラリアを代表する宝石商ダンクリングス
1895年に創業したダンクリングスは、1927年までメルボルンオーストラリアの首都であった時代にも、メルボルンの街の中心にその店を構えていた大宝石商でした。しかし今では時代の流れと共にダンクリングスは姿を消してしまいました。ダンクリングスオーストラリアでのロレックスの販売を古くから手掛けており、特徴は筆記体で書かれた文字盤です。


Zell Brothers ゼル・ブラザーズ

ゼル・ブラザーズは、1932年~40年の計8年間に渡りロレックスの時計を輸入・卸売りしていたアメリカの会社です。”ZELL BROS“とプリントされているモデルがあります。しかしアメリカにおけるロレックスの事業拡大にはお世辞にも成功してとはいえないことから、”ZELL BROS“のダブルネームには、複雑な思いがありますね。


Serpico y Laino セルピコ・イ・ライナ

ベネズエラロレックス正規販売代理店として知られるセルピコ・イ・ライナは三代に亘り、宝飾店を営んでいる老舗。1930年代終わりから40年代初めにかけてロレックス南アフリカにおいて新市場の開拓に取り組んでいた背景があり、その経緯の中で契約したそうです。


前編はここまでと致します。簡単にまとめると、ダブルネームの発端は、自社の宣伝目的が発端ということです。ロレックスは自分の時計に大きな自信があり、これらの会社はその性能を認めていたということです。

後編は、ダブルネームとして存在するモデルを中心にご紹介したいと思います。