CZAPEK & CIE. Antarctique Terre Adélie (Orion Nebula)
- 2020.07.17
- その他 海外ブランド
- Antarctique, Czapek, orion, SHX5, アンタークティック, オリオンネビュラ, オリオン大星雲, チャペック, テールアデリー, パテックフィリップ, 南極
歴史を紐解くと、パテックフィリップの歴史につながっていく。そんなブランドがチャペックです。チェコ生まれのポーランド人、フランソワ・チャペックは1939年にアントワーヌ・ノルベール・ド・パテックという人物と共同経営の会社、パテック・チャペック社を設立。これがパテックフィリップの起源となっているようです。その後、フランソワ・チャペックが1845年にチャペック社をジュネーブに設立。ナポレオン三世の御用時計職人となっていました。
※ナポレオン三世
ちなみにナポレオン三世は、みんなの良く知るナポレオン・ボナパルトの甥にあたる人物で、フランス第二共和政の大統領ななった人物です。
しかしこのチャペック社は1869年に忽然と消してしまいます。脈々と続くパテックフィリップやオーデマピゲなどが今では雲上のトップブランドとして君臨しているということを考えると、このチャペック社もそれに並ぶブランドになっていたのかも知れません。
ということで、現在のCzapek & Cie. (チャペック社)は、フランソワ・チャペックの意思をできるだけ忠実に再現、復活させるために3人の起業家が基となって多くの人間を巻き込んで2015年に作った時計ブランドです。
そんなチャペックが2020年の新作として発表したのが今回紹介する「アンタークティック テール・アデリー」と「アンタークティック オリオン・ネビュラ」です。
アンタークティック テール・アデリー
アンタークティック オリオン・ネビュラ
そうなんです。今回のモデルは一番人気のあるカテゴリーである、ラグジュアリースポーツモデルなんです。そして注目すべきはムーブメントです。
Cal.SXH5.01というこのムーブメントは、チャペック社で考案されたものだが、数多くのパーツをパートナーシップを結んだ企業が協力して作るという水平分業制を取っている。例えば、18Kゴールド製のマイクロローターは、スイス以外の唯一のパートナーである、ドイツのAGOSI社によって供給されていたり、アトカルパ社が提供した脱進機、その他コンポーネントとムーブメントの製造パートナーとして、ABプロダクト・アルコフィル・セラマーレ・クロノード・CMT -リッケンバッハ・コンブルミーン・クレリエ・ジェネラル ルゾー・アンカ・イノデコ・MLV・MPS・ノヴァソール・プレシプロ・リーザ・ストッコ らが名を連ねています。
それぞれの専門工房の得意とするコンポーネントを組み合わせて作る水平分業制は、一流のサプライヤーを使うことができるメリットがあります。大手グループにも属さない新興ブランドならではの手法です。
一見、表向きはよくあるラグスポの雰囲気ですが、ケースバックから見えるムーブメントは今までと違った新しいメカが顔を覗かせています。これはかなりイケてます。防水性能を表す部分に魚の絵を使っているのも、何とも可愛らしいですね。
このモデルのネーミングの話になりますが、「アンタークティック テール・アデリー」というあまり聞きなれない言葉かと思います。語学に精通している方ならおわかりかと思いますが、Antarctic=南極 を意味し、Terre Adélie=南極にある地域(海岸)の名前 ということです。これは、「どんな過酷な環境においても使うことができる時計」ということで名付けられたそうです。実際に南極でこれを着けると、めちゃくちゃ冷たくなると思いますが、チャペックの強い想いが込められていますね。
実は見ていると、どんどん欲しくなってきています。何か、メチャクチャ恰好いいんじゃないか・・・6時位置のデイトも、あまり目立たないようにヒッソリと配置されている。価格はどうかというと、2,350,000円(税抜) です。ノーチラスよりも安く、ロイヤルオークと同等です。ロイヤルオーク買う余裕があれば、こっちに走るかも知れません・・・欲しいです。
ケースサイズが、40.5mmで厚さが10.6mmというのも、抜群のサイズだと思います。しかし実は時すでに遅し・・・このモデルは99本限定での受注生産。2020年7月15日をもって締め切られています。もちろんソールドアウトとなりました。2020年10月以降に順次デリバリーされるということのようです。羨ましい限りです。
そしてもう1モデル、「アンタークティック オリオン・ネビュラ」は限定10本のみの製作で、すでに販売されている模様。オリオン・ネビュラ=オリオン大星雲 という意味で、ダイヤルはヴァーニッシュ(ニス塗装)仕上げの特別仕様となっている。
※オリオン大星雲
地球から約1,300光年の距離にあるオリオン大星雲は、推定年齢1万年といわれている比較的 “若い” 星雲だといいます。今でもここでは星が誕生していると言います。その比較的身近で壮大で美しい星雲をダイヤルに落とし込んだモデル、アンタークティック オリオン・ネビュラ は、かなりミステリアスな雰囲気を持ったダイヤルで、美しいですね。
こちらもモデルの価格は 2,500,000円(税抜) ということでしたが、僅か10本のモデルということで、完売してしまいました。ということは、チャペックのアンタークティック シリーズは、全て完売してしまっているということです。
「これだ!」とサブスクリプションをされた方、かなりセンスある方ですねぇ・・・
そしてブレスレットですが、ステンレスブレスレットの他にも、カーフレザー、もしくはラバーストラップが付属し、取り替えもワンタッチでできる “イージーリリース“仕様となっています。
秋口には、また新たなモデルが登場するというチャペック、これからも要チェックですね。
ケース直径 | 40.5mm |
ケース厚さ | 10.6mm |
ケース素材 | ステンレススティール |
文字盤色 | ・シークレット・アロイ、ディープブルー、ブラック・インク、バーガンディ (手仕上げによるラメ装飾)-テール・アデリー-・手作業によるヴァーニッシュ(ニス塗装)仕上げ -オリオン・ネビュラ- |
インデックス | ソード・シェイプ |
夜光 | 針とインデックス |
防水性能 | 120m |
ストラップ/ブレスレット | ブレスレット、ラバー、またはカーフストラップ(独自のイージー・リリースシステム付き) |
ムーブメント
キャリバー | SXH5 |
機構 | 時、分、秒、日付 |
直径 | 30mm |
厚さ | 4.2mm |
パワーリザーブ | 56時間 |
巻き上げ方式 | 自動巻き |
振動数 | 4Hz(2万8800振動/時) |
石数 | 28 |
クロノメーター認定 | あり、COSC認定 |
コンポーネント総数 | 193 |
価格
テール・アデリー | 235万円(税抜) |
オリオン・ネビュラ |
250万円(税抜) |
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