《チューダー》ペラゴス FXD “アリンギ レッドブル レーシング エディション” をチェック

実はちょっとクロノグラフモデルを探し歩いたんですが、全くこのモデルが買えそうもないのでおさらいしてみたいと思います。チューダー ペラゴス FXD “アリンギ レッドブル・レーシング エディション” という、2023年に登場した珍しいタイプの2モデル。デイト付きクロノグラフバージョンと、シンプルな3針ノンデイトバージョンが同時に登場。これらの2つの新しいモデルは、チューダーとアリンギ レッドブル・レーシングの長期パートナーシップを結んだ形であり、それを記念して商品化したようなもんですね。2022年に署名され、チューダーがヨットレース界に初めて進出したことを示すものであり、その親会社であるロレックスは数十年にわたり参加している世界です。

今回の2モデルは、チューダーにとって初めてのマットブラックのカーボンコンポジットケースとベゼルインサートを特徴としています。また、ベゼル、リューズ、およびダイレクトアクションプッシャーにはチタンが使用され、ケースバックとムーブメントコンテナには316Lステンレススチールが使用されています。カーボン、チタン、ステンレススチールは、ヨットの船体などにも使われる素材でもあります。ラグのデザインは、2021年に “マリーン・ナシオナル”（フランス海軍）とのコラボレーションで初登場したペラゴス FXDと同様。ラグはバーと固定されており、フランス海軍のコンバットダイバーと共同で開発されたものです。

スーパールミノバ・グレードX1を使用した双方向の120ノッチのベゼルが付属しており、通常のグレードと比較して2時間後に最大60％の性能向上を示すとされる蓄光素材が使用されています。

コラボレーションモデルではあるのですが、派手なロゴを配置することはせず、チームの名前が10時から2時の間のフランジリングにプリントされています。時計を正面から見ているとほとんど目立たない場所で、一見すると、コラボモデルのようなイメージはありません。しかし僕がこの時計に注目するのは、この “コラボ” というところにあります。「コラボレーション＝企業間の契約」ということは、これがどこまで続くかということが不透明な部分であり、大量生産されないことを意味しています。

文字盤はチームカラーである赤と青の組み合わせで、アワーマーカーがソリッドブロックのスーパールミノバから作られているというところが魅力的。このデザインはペラゴス FXDの特徴ですね。ただし、クロノグラフモデルには、3時、6時、9時にはアワーマーカーが全く使われておらず、少し残念です。

ムーブメントはブライトリング B01から派生したチューダー MT5813が搭載されており、チューダーによって開発された高精度な調整機構と「専用の仕上げ」を備えています。チューダーがMT5813を搭載することで、ブライトリングB01搭載モデルよりも安い価格でB01搭載の時計を手に入れることができるということですね。何より、チューダーがこのムーブメントの起源を隠すのではなく、公式にブライトリングB01との関連性に言及しているというのが素晴らしい。

シンプルな3針モデルは、MT5602を搭載。日付表示もなく、非常にシンプルなルックスで、これも好感が持てます。両モデルはCOSC認定のクロノメーターで、その精度は-2秒から+4秒と主張しています。そして70時間のパワーリザーブとなっています。

少し触れましたが、この両モデルでは一体型のファブリックストラップが使われています。というのも、固定ストラップバー採用のデザインとなっており、一般的な取り外しできるバネ棒でストラップを取り付ける形ではないんです。このストラップは、フランスで100年以上前からリボンを織り続けているジュリアンフォール社製で、19世紀のジャカード織り機でフランスで織られており、22mmの「Team Blue」のリボンに赤いアクセントが施されています。また、チタン製のDバックルが付いており、無段階調整。このストラップがケースの下を通って繋がっている為、どうしてもこのスタイルに好き嫌いが出てしまうのですが、それは仕方のないことですね。

ペラゴス FXD クロノ アリンギ レッドブル・レーシング エディション（25807KN）の価格は672,100円、3針のペラゴス FXD アリンギ レッドブル・レーシング エディション（25707KN）の価格は485,100円です。聞くと入荷数が極端に少ないモデルのようなので、なかなかレアなモデルになりそうですよ、コレは。既に購入された方、超ラッキーかもです。