高級時計を扱うオークションにカシオのG-SHOCKが出品されることは、普通に考えてない。しかし1983年に初号機DW-5000Cが誕生。今年で40周年記念ということで、1本だけの限定モデル「G-D001」が製作され、フィリップスが米国ニューヨークで開催するオークション(2023年12月9日〜10日)にチャリティー出品するということを発表しました。
タイトルにもありますように、このドリームプロジェクトは第二弾になっています。35周年記念にドリームプロジェクト#1ということで、G-D5000-9JRというモデルが製作されました。

G-Shock-G-D50009JR
18KゴールドモデルのG-SHOCKですが、この時は35本が作られました。価格は770万円だったと記憶しております。しかし今回は、わずかに1本。しかもオークションということで、「G-SHOCK史上、最も高額モデル」となるのは必至です。
外装設計にAI技術を駆使したジェネレーティブデザインを採用。AIですよ、AI。デザイナーが作成したデザインの骨格を元に、40年間培った衝撃に対するデータをAIに入力することで、設定した構造強度、素材特性、加工方法に最適化された3Dモデルを生成。その造形に人の手で修正を加えるという手順を繰り返すことで、独創的な形状と機能性を併せ持つ外装パーツに仕上げました。ベゼル、バンド(カシオはブレスレットとは言わずにバンドという)、フェイス部に見られる独創的な有機形状は、G-SHOCKの既成概念を覆す新たな造形美を生み出すとともに、軽量化や衝撃吸収へも貢献。樹脂などの緩衝材を使用しないフルメタル耐衝撃構造を実現しています。
主な外装パーツの素材に、重厚で美しい輝きを放つ18Kイエローゴールドを使用。なかでもベゼルとブレスレットは、宝飾品などに使われるロストワックス鋳造で有機的な複雑形状を精密に成形。研磨職人の手で細部まで丁寧に磨き上げられています。その他、トップベゼル、センターケース、裏蓋、ボタンやバックルは、パーツに合わせた切削やプレスなどの加工を経て、部位ごとに磨き分けを施工。手仕事による細部の作り込みにより、タフネスとエレガンスを融合。世界でただひとつの輝きを放つ1本に。
このモデルはスケルトンダイアルとなっています。有機形状のバンパーパーツをあしらったフェイス部は、内部のメカニズムが見える文字板のないスケルトン仕様。専用設計のムーブメントには、メタル製のメインプレート、シリコン製の歯車、ルビーの軸受が使われ、より高精度な運針を可能にしています。また、ソーラーセルはガリウム化合物を発電層とし、主に人工衛星用に実用化されている太陽電池技術を腕時計向けに応用したシステムを採用。宇宙産業で培われた技術を活用し、従来のソーラーと比べ発電効率が飛躍的に向上。日付表示のわずかな隙間に差し込む光で発電し、電波受信などの各種機能を安定駆動させます。
予想落札価格は、日本円で1,000万円~2,000万円と言われています。ちょっとどうなるのか興味はあります。
G-SHOCK 40周年を飾るドリームプロジェクトとして世界限定1本で製造されるG-D001のために、専用のディスプレイボックスが。スライド開閉できるタワー型のアウターカバーは、歴代G-SHOCKの型番をあしらった透かし彫り調のデザイン。内部のLEDライトはインテリアの間接照明としても使用でき、映し出されるG-SHOCKのヒストリーとともに、光と影が織りなす空間を演出します。
ここでG-SHOCKの生みの親、登場。

伊部 菊雄 | Kikuo Ibe 1976年カシオ計算機入社。G-SHOCKの核を担う「5段階耐衝撃吸収構造+点接触の心臓部浮遊構造」開発者。初代G-SHOCK、MUDMAN、MR-Gのプロジェクトに参加。
1983年の初号機DW-5000Cの誕生以来、G-SHOCKは常に挑戦を続けてきました。35周年となる2018年にはドリームプロジェクト第1弾を企画。G-SHOCKの原点と進化を象徴するモデルとして18Kフルメタル耐衝撃構造を備えたG-D5000を発表しました。
そして2023年、40周年を機に立ち上げたのが今回のドリームプロジェクト第2弾です。それは、G-SHOCKの新たな可能性を探る挑戦でした。従来の既成概念を覆すという観点から、若手中心のプロジェクトチームを結成。バックアップをベテランチームが行うというまさにドリームプロジェクトです。デザインに最先端のAI技術を取り入れるなど、今までにない取り組みが行われました。新たな視点、新たな手法により、G-D001は完成しました。
その独創的な外観はG-SHOCKの未来を予感させます。しかし、それ以上に、タフネスの本質とは何かをわたしたちに問いかけているように思います。変わらぬ信念、変わり続ける使命とともに、G-SHOCKの挑戦はこれからも続きます。
伊部 菊雄
ということで、ONLY WATCH 2023 はワケアリで延期になりましたが、もう一つの ONLY WATCH が開催されるということです。
モデル | ドリームプロジェクト #2 |
リファレンス | G-D001 |
ケース径 | 45.1mm |
ケース厚 | 14.3mm |
ケース素材 | 18kイエローゴールド |
ダイアル | スケルトン仕上げ ゴールドのインデックス |
ムーブメント | 特別設計ソーラーパワークォーツムーブメント |
防水性 | 200m(20気圧) |
機能 | ソーラー充電システム / マルチバンド6電波制御 デュアルタイム / ストップウォッチ 暗所視認性補助(太陽電池発光) / 日付表示 |
価格 | 2023年12月オークション |
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